青山美智子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ青山美智子先生の本は本当にどれもあたたかい。いつもの朝、同じバス停、同じ時刻に並ぶ5人の乗客に次々「神様」がお当番を勝手に任せていく連作短編集。
神様は左腕に取り憑くんだけど取り憑いた相手の感情と同期するから、神様の「お願いごと」はその相手が心から感じなければ達成されない。うまくできてる!
OLの咲良ちゃんの章で、泣き出した神様を、「そうだねつらいよね」って強く抱きしめてあげるシーンが好き。それって咲良ちゃん自身がしてほしかったことで、自分で自分を抱きしめてあげるのって大事なことだよね。
あと、最終章の主人公・零細企業社長の福永さんが、バス停の面々に、印籠みたいにして腕の「神様当番」を見せつけるシーンも良い!答え合わせみたいにみんなで「なーんだ笑」って笑い合うの最高にほっこり。私が神様の「おとしもの」拾ったら、いったいどんなお願い事されるのかなあー。 -
Posted by ブクログ
カフェを舞台に、さまざまな人の人生が垣間見える短編集。
自分にも重ね合わせて共感するお話もあれば、思いもよらない結末を迎えるお話、ファンタジーのような死後の世界を描いたお話もあって。
それぞれ全く違う物語なのに、どのお話も不思議とすっと心に入ってきて、ところどころで言葉を噛み締めながら読んだ。
最近、歳をとることが少し怖い。
身体のちょっとした不調が気になったり、これから先のことを考えて不安になったり。
でもこの本を読んで、歳を重ねることは、ただ若さを失っていくことではなくて、いろいろな経験や感情を積み重ねて、人としての厚みを作っていくことでもあるんだな、と改めて思った。
嬉しかったことも、悲しかったことも、思い通りにならなかったことも。
きっと全部が、その人の人生を少しずつ豊かにしていく。
歳を重ねることを、今までより少しだけ前向きに捉えられた気がする一冊でした。