青山美智子のレビュー一覧
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元カレにまつわるショートストーリー✖️4作品。
青山美智子さん、町田その子さん、一木けいさん、山内マリコさんという贅沢な一冊。
どのストーリーも好きだけど、山内マリコさんの二つ年上…は着物の世界も知れて私の中では1番好きな作品かな。
新しいことに出会って、お客様のことや一緒に働く人の気持ちを考えるようになったからこそ元カレの気持ちを慮り、消化できた、昇華させられた過去。
前に進むためのプロセスをわかりやすく表現してくれている作品だと思った。
まぁこちとら、はるか昔の自分に重ねることすら困難でしたが…というより思い出せない。
本気で忘れている…元カレの名前…(悲しいかな歳月の流れ…)
ということで、無理に忘れようとしなくても時が解決してくれるよ!というのはあながち嘘じゃ無いということをお伝えしておきましょう。 -
Posted by ブクログ
奏斗の頭、紗羽の口、ちはるの耳
勇哉の足、和彦の目。
それぞれの体の部位に、物理的または心理的に抱えた悩みをアニマルライドの「カバヒコ」に打ち明ける登場人物たち。
結局は自分の心の持ちようだったり、ほんの少しの勇気を出してみることだったり、自分の中で「欠けていたこと・見落としていたこと」に気がついて、みんなそれぞれ前を向き始める。
本当はカバヒコなんていなくても大丈夫のはずだが、人は窮地に立たされると何かに縋らずにはいられない。
私は、公園の遊具に興味を持つ子供ではなかったけど、これから先アニマルライドを見かけたら、ふと悩みをこぼしてしまうこともあるかもしれない。 -
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読み終えてから少し経っており、うろ覚えと印象的だったことのみの記載となります。本作を手に取ったのは好きな作家さんが多かったことと、アンソロジーのタイトルが面白そうという理由からです。
本作を読み進めてみると、主題が元カレというだけあり、構成が少し似てしまう印象を受けました。というのも、元カレを描くには、元カレとの過去の出来事、それを語る現在の視点といった時間軸的な制約が多く短編として成立させるには物語構造が類似してしまうのかなと考察しました。
それもあり、本作の魅力としては、作家さんの豊かな表現力かなと思います。特に元カレとの関係性やエピソードを表す比喩は作家さんによって全然違う印象があったかなと感じました。個人的には一木さんの表現が好みだったかなと思います。 -
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うまい。特に、5章「君は確か」の理世と友治の思い違い。おたがいの誤解から気持ちがすれ違ってしまっているのがやがて読者にはわかるが、それは理世が歌舞伎役者・喜代助の「芝居はね、観客席からが一番よく見えるものだよ。舞台に立っている我々演者には、まったく見えないことばかりだ」という言葉を思い起こし、後輩・紗奈の状況に共感するのと同じ構造。また、それぞれに希望のある結末もよかった。エピローグもいい。ところどころに出てきたモブ的な扱いの人物たちの正体が明かされて、おもしろい。
余談。中年女性の台詞だから「ドラマチック」と表記したのかと思いきや、地の文でもそうで、その一方「ロマンティック」という表記が。「チ」と「ティ」でブレてるのが気になる。 -
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ネタバレ傷ついた後、変わりたいと願いながらカバヒコを撫でる各話の登場人物たちはどのお話でも、周りの人たちの助けを借りながらも、人任せではなく自分の力でリカバリーしていると感じた。
彼らのスイッチは神社へのお参りみたいな仰々しいものではなく「身近でどこか親近感のあるカバヒコの前で自分を省みること」というのがかわいらしく、自分も身の回りのアニマルライドを探すようになってしまった。
第4話に登場する、整体師の伊勢崎さんのセリフ
p.174〜175 「ちょっと違うかな。人間の体はね、回復したあと、前とまったく同じ状態に戻るというわけじゃないんだ」
「病気や怪我をしたっていう、その経験と記憶がつく。体にも心にも頭にもね。回復したあと、前とは違う自分になってるんだよ」
これがどのお話にも通じて染みているように思う。
変化は以前の自分を失うことじゃない、と言ってもらえているようで、柔らかく、変化を恐れずに今の自分を見つめていきたいと思わされる一冊だった。