青山美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この本のキャッチコピーをつけるとすると‥
心が透明になる、大人の絵本かな?
児童文学や絵本のような可愛らしい、優しい言葉で綴られています。
だからなのか、友情や仕事など個人的な話だと、すんなり読めるのですが、男女の話になると、それが初デートでも夫婦間の話でも、ストレートで可愛すぎて、やめてー、恥ずかしいー、と照れてしまうような気持ちになってしまい、逆に、ちょっと引いてしまいました。
だけど、最後まで読むと、そういう思いもどこへらやら、全てが、サイダーを飲んだ後のような爽快感、スッキリした気持ちです。
こういうのを、デトックスというのでしょうね。
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Posted by ブクログ
鎌倉というフレーズに惹かれて手にしてみたらなんと青山美智子さん!
期待を裏切らず、ファンタジーでありながら日々のお悩みを希望に変えてくれる要素満載でした。
うずまきがキーワードであり、蚊取り線香から始まってつむじ、巻き寿司、ト音記号、花丸、ソフトクリームとすべての章がうずまき模様のものがお助けアイテム。
うずまきのパワーってなんだろう…と思ったけれど、クロソイド曲線の図を見た時ピンときた。
これって勾玉のカーブ…ホントにパワーありそう
普段うずまきを意識することはないけれど、たくさんのうずまき模様に色々な意味があるのだなぁとしみじみしてしまった。
何より、平成という時代を逆行しながら、様々な人と人が絡み合い影響を受けたり与えたりして「今」があるという展開が面白い。
一章の蚊取り線香で登場した人物達の過去の姿や出会いが章を進むごとに明らかになる。
あれっ、この人ってどこかの章に出てきたあの人?
と何度もページをめくって確かめながら、行ったり来たりの読書はまた楽しかった。
そして、平成という時代に学生から社会や家族という環境の変化を歩んだ人には、その当時を思い出すアイテムが盛りだくさん。懐かしさでいっぱいになるはず。
巻末の平成史特別年表は、最後まで読んだ後のお楽しみ。あの人がここで登場してたんかーい!と間違え探しの答え合わせのよう。もう一度読みたくなることが間違いなしですぞ。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『遊園地ぐるぐるめ』は、アートと物語が互いに刺激し合いながら生まれた、まさに“二人の合作”ならではの魅力に満ちた作品だった。
田中さんのアート作品を見て青山さんが物語を書き、その物語を読んで田中さんがさらにアートを作る――この創作の往復運動を知ったうえで作品を眺めると、視覚的な楽しさに加えて「この作品からどんな物語が広がるのだろう」という想像が自然と膨らんでいく。
最初に登場する、ハンバーガーをメリーゴーランドに見立てたアート作品は、その発想の可愛らしさと柔らかい色合いに心がほぐれた。
食べ物が遊園地の乗り物へと変身する世界観は、見ているだけで癒される。
そこから物語が始まるという構成も、まるで絵本を開いた瞬間に物語が動き出すようでワクワクした。
物語自体は、バイト先で知り合った大学生の二人が「ぐるぐるめ」で告白しようとする短編で、こちらも温かく、優しい余韻を残す内容だった。
アートの世界観と物語の雰囲気がぴったり重なり、読んでいて自然と笑みがこぼれる。
さらに、軽量スプーンと塩の小瓶で絶叫マシンを表現した作品、紙コップと割りばしでフードコートを作り上げた作品、丸い金網とウインナーでジェットコースターを表した作品、トウモロコシとフォークでスイングマシーンを描いた作品、サラミのピザとピザカッターで観覧車に見立てた作品など、どれも発想がユニークで、見ているだけで心が軽くなるような“癒し”があった。
日常の身近なものが遊園地へと変わっていく驚きと楽しさが、ページをめくるたびに広がっていく。
そして、それらのアートから生まれた短編物語もまた、どれも心温まるものばかりで、読後には満足感と優しい気持ちが残った。
肩に力を入れず、リラックスして楽しめる――まさに“大人のための絵本”のような一冊だったと思う。 -
Posted by ブクログ
一穂ミチさん目当てで読み始めた一冊。
序盤は、読んでいる間はそれなりに気分が高揚して、まさにタイトル通り「ほろよい気分」にはさせてくれる。だけど、いざ読み終わってみると、あとに残る余韻があまりにもサラリとしすぎていて、どこか物足りなさが残る読後感だった。
お目当ての一穂ミチさんの一編を読み終えたときは、思わず「やったね!」と心の中で思った。やっぱりこの作家の描くものは毒薬だ!「ほろよい」どころか悪酔いしそうな、人間の不穏な心理描写は健在で、この強烈な一杯は楽しめた。
他にも、下戸だと言い出せない青年の葛藤を描いた一編には、男だからこそ「飲めない」と言えないリアルな空気感を感じて、身につまされるところもあり、そこまでは良かったのだが……。
後半に進むにつれて、お酒そのものの捉え方に大きな疑問と物足りなさが募った。
感情を吐き出すためだけでなく、嬉しいとき、お祝いのとき、純粋にその味を楽しむときなど、お酒にはもっとポジティブなパワーがあるはず。本作はお酒自体を好むというより「料理」や「その場の人間関係」を際立たせるための引き立て役として扱われている印象が強すぎる。
女性作家陣によるアンソロジーということもあってか、お酒そのもののこだわりや深い味わいをじっくり描くよりは、シチュエーションや食とのペアリングに全振りの世界観。お酒そのものが主役の描写を期待していた身としては、少しがっかりさせられた。
一穂ミチさんの“毒”は味わえたものの、お酒好きとしては深みや余韻がもう少し欲しかったな、と感じてしまう一冊だった。