青山美智子のレビュー一覧
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うまい。特に、5章「君は確か」の理世と友治の思い違い。おたがいの誤解から気持ちがすれ違ってしまっているのがやがて読者にはわかるが、それは理世が歌舞伎役者・喜代助の「芝居はね、観客席からが一番よく見えるものだよ。舞台に立っている我々演者には、まったく見えないことばかりだ」という言葉を思い起こし、後輩・紗奈の状況に共感するのと同じ構造。また、それぞれに希望のある結末もよかった。エピローグもいい。ところどころに出てきたモブ的な扱いの人物たちの正体が明かされて、おもしろい。
余談。中年女性の台詞だから「ドラマチック」と表記したのかと思いきや、地の文でもそうで、その一方「ロマンティック」という表記が。「チ」と「ティ」でブレてるのが気になる。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ長年勤務していた病院を辞めた看護師、日の目を見ないお笑い芸人、突然一人娘に妊娠&結婚を告げられるバイク整備工場のオヤジ、家族友人誰にも心を開くことができない女子高生、アクセサリー作りに没頭するあまり夫との距離が徐々に離れていっている女性、
いずれも、人生土砂降りとまでは言いませんが、どよーんと曇り模様の人物が、月に関する話を毎日10分ほど配信されるポッドキャスト「ツキない話」を聞くことで、曇り模様の人生から一歩、良い?方向へ足を踏み出す話。
一話一話は独立していますが、例えば、一話の主人公が購入するアクセサリを四話の主人公が製造販売し、二話の主人公のSNSのフォロワーが四話の主人公で、三話のオヤジの家に宅配便運んでるのが二話の主人公で、さらには四話の女子高生がコケて壊したベスパ(スクーターとは書きたくない(笑))を三話のオヤジが修理したり、五話の主人公に病院紹介するのが一話の主人公であったり、みたいな感じで、各話の登場人物(主人公以外の登場人物も絡むよ)がそれぞれの話にちょこちょこ出てきたりと、知らず知らずに絡んでいます。
四話中に出てきた、竹林が根っこで全て繋がっているんだと教えてもらう件は、本作の登場人物の関係性を暗に示しているのかと思いました。
気になったのは2点
先にも書きましたが、登場人物が知らず知らずのうちに絡んでいるのは、良い(むしろこういうの大好き!!)んですが、距離的に近場で収まりすぎじゃない?と思いました。
せっかく全世界の人間が聞くことのできるポッドキャストというツールを使っているのですから、もっと広い世界の中で繋がる様だったら世界の広さも感じられよかったんじゃないのかな?
もう一つは、各話の登場人物が前向きに動き出すきっかけとなる月の話が、全て新月の話だったところはもうちょっと工夫が欲しかったかな?月には満月も三日月も半月もあるわけで、他の月の形にまつわる話で、各話の主人公が何かに気づき前向きになる・・・・って内容であった方が、話がより深くなったのでは?
それとも、作者さんが新月にこだわっているというか意図を持って新月の話ばかりにしていたというのであれば、月にまつわる話ではなく、新月にまつわる話のポッドキャストにしたらよかったのに・・・・なんてことを考えてしましました。
まあ、細かいことガチャガチャ書きましたが、そんなことは関係なしに、読み手の心がどよ~んとしているときに読むと癒しというかほっこりするのは間違いなしな作品。。