青山美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
オーディオブックで聞いたがすごく滑らかかつスピーディーに話が展開し非常に面白かった。また最近東京に引っ越してきたこともあり街の情景もリアルに想像できより物語に入り込みやすかった。同じ時間をそれぞれの視点から描かれていた作品。改めて思うが、人それぞれが世界の主人公であり、世界は存在しているがそれぞれの視点でからしか世界は切り取られていない、ということを認識させられた。他人を本当の意味で理解することなど絶対にできない、ということを理解した上で理解しようとすることが大事な気がする。
印象に残った言葉は、「自分の居心地のいい空間に囲まれることが大事。自分も次第とそうなる。」という言葉。自分が普段意識しているからかな?まだまだ実際の自分の家が最高に囲碁心地がいいかと言われるとまだ及第点。伸び代しかない。 -
Posted by ブクログ
カフェを舞台に、さまざまな人の人生が垣間見える短編集。
自分にも重ね合わせて共感するお話もあれば、思いもよらない結末を迎えるお話、ファンタジーのような死後の世界を描いたお話もあって。
それぞれ全く違う物語なのに、どのお話も不思議とすっと心に入ってきて、ところどころで言葉を噛み締めながら読んだ。
最近、歳をとることが少し怖い。
身体のちょっとした不調が気になったり、これから先のことを考えて不安になったり。
でもこの本を読んで、歳を重ねることは、ただ若さを失っていくことではなくて、いろいろな経験や感情を積み重ねて、人としての厚みを作っていくことでもあるんだな、と改めて思った。
嬉しかったことも、悲しかったことも、思い通りにならなかったことも。
きっと全部が、その人の人生を少しずつ豊かにしていく。
歳を重ねることを、今までより少しだけ前向きに捉えられた気がする一冊でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を開いた瞬間から、すーっと言葉が心に馴染んでいく感覚がありました。文章がとても軽やかで読みやすく、夢中になってページをめくっているうちに、あっという間に物語の終わりを迎えていました。大きな事件が起きるようなドラマチックな起承転結があるわけではないのに、読み終えた後はじんわりと温かく、ほっと肩の力が抜けるような優しい余韻が残ります。日々の生活で少し心が疲れてしまったときに、そっと手に取りたくなるような大切な一冊になりました。
図書室の司書である小町さゆりさんの佇まいは、どこか『不思議駄菓子屋 銭天堂』を思わせる不思議な魅力と存在感があり、物語全体に懐かしく温かい空気を与えてくれています。この本をきっかけに、昔大切にしていた絵本をもう一度読み返してみたいという愛おしい気持ちが芽生えています。
各章ごとに主人公が変わる連作短編の形式をとっていますが、それぞれのストーリーが完全にブツ切りになっているわけではなく、登場人物たちが少しずつ交差し、伏線が優しく回収されていく構成も非常に鮮やかでした。物語の結末はどれも主人公たちが一歩前を向き、ハッピーエンドへと向かっていくため、読後感が本当に爽やかです。
特に自分自身の姿を強く重ね合わせてしまったのが、第二章のひなです。彼女の考え方や性格に深く共感しながら読み進めていたのですが、作中で語られた「世界は何で回っていると思う? 信用で回っているんじゃないか」という言葉にはハッとさせられました。今までそんな視点で考えたことがありませんでしたが、日常で買い物をすることや、誰かと約束をして会うことなど、すべての営みの根底には確かに「信用」が存在しているのだと、深く納得させられる大きな学びがありました。
一方で、第三章のストーリーは自分とは異なる価値観に触れる時間となりました。子どもが生まれたことでキャリアが思うように進まなくなってしまい、我が子を素直に可愛いと思えなくなってしまう主人公の葛藤には、もどかしさやイライラを感じる部分もありました。しかし、そうした率直な感情を通して、これまで知ることのなかった誰かの切実な悩みの内側に触れ、「こういう気持ちを抱える人もいるのだ」と視野が広がるような感覚を覚えました。
また、第三章に登場する「どんな本もそうだけど、そのものに力があるというよりかは、あなたがそういう読み方をしたというそこに価値がある」という言葉は、私の心に深く刺さりました。本の中に書かれた事実をそのまま受け取るだけでなく、自分自身の経験や感性を通して解釈し、自分だけの宝物を見つけ出していく。読書とはまさに、自分だけの宝探しのような素敵な時間なのだと教えてもらった気がします。
そして、物語の中で最も私の心を揺さぶったのが、第4章のニートの青年を描いたお話でした。具体的な言葉で表すのが難しいほど胸に迫るものがあります。いちばん泣けました。物語の終盤に登場する「俺は今生きている」というシンプルな一文を目にした瞬間、全身に鳥肌が立つほどの強い衝撃を受けました。
登場人物たちがそれぞれの場所で、自分の足で踏み出していく姿に背中を押される、本当に愛おしく心に残る名作です。
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Posted by ブクログ
「ぐるぐるめ」この言葉の意味をあらゆる場面で考えさせられたことか。
遊園地の別名、アトラクションからの由来、人生での悩みの歯車、ピエロの生き方、恋愛・仕事の空回り…「ぐるぐるめ」の意味をそれぞれの主人公から考えさせられた。
世の中には「ぐるぐるめ」というほんのわずかな時間があり、イメージの世界とリアルの世界の狭間にあって、どちらにも自由に行き来できる素敵なスポットーという一文に触れた時、私にとっての「ぐるぐるめ」は「本の世界」だ!と思った。イメージの世界とリアルの世界の狭間にあるスポットーその「ぐるぐるめ」を行ったり来たりする中で高揚や興奮を覚えるのが本の世界、私の大好きな空間だ。
最後の観覧車の章、あれれ?今までの話が「ぐるぐるめ」で戻ってきた? -
Posted by ブクログ
全てのストーリーに共通して、言葉には出来ていないけど暖かく新月のように陰ながらその人を見守る優しさが描かれていて切なくも暖かくなる。私たちは自分が気が付かないところで実は周りから支えられ、追い込まれるとそれが見えなくなってしまって。。
人は頑張りすぎると頑固になってしまうんじゃないかなと、そして自分がそうなっていることを気づけず、やさぐれがち、人との距離感ではボタンをかけ違ってしまうこともあるけど、ただ、新月のように何度も生まれ変わりリセットできるんだということが物語を通じて感じることができた。気付けることができた。
そして、野口聡一さんの書評まで含めて素敵な本だと思った。