青山美智子のレビュー一覧
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同じ町の図書室を描いているから当然ではあるけど、違う章に前の章の主人公が出てきたりしてほっこりする。登場人物たちがゆるーく繋がっていて、世界って案外狭いんだなあと思うけど、嫌な狭さじゃない。自分のそばにもこんな人がいるのかもしれないと思える本だった。
小町さんの「本も、そうなの。作り手の狙いとは関係のないところで、そこに書かれた幾ばくかの言葉を、読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを得るんです」という台詞を読んで、私が本を好きなのってこういうことだよなと思った。正解は作者しか知らないし、作者も正解を持っていないかもしれない。でも本を読んだ時に、どこかで自分と重ねたりして何かを感じとる。そうやって読んだ人の世界が少し豊かになったりするのが本の面白さだなと思った。
この本を読んで、今まで見向きもしてこなかった生涯学習センターにどんな講座がやってるのか見に行ったりした。本を起点に私の見える世界が少しだけ広がって、呼吸が楽になるような気がした。 -
Posted by ブクログ
著者の作品は安心して読める所が好きです
必ず温かく優しい気持ちになって終わります
裏切られないハッピーエンドが約束されています
この世界は美しいんだなって錯覚させてくれます
本作も他の作品と同様に連作短編集でした
どのお話も家族愛について描かれています
疑心暗鬼になっても最後には必ず信頼関係を築けます
とても安心できるストーリーでした
疲れている時に読むと癒されると思います
また、人間を信じている人に似合う作風です
優しい家族に囲まれて育った人なら純粋に感動するでしょうし、地獄を見て育った者は登場人物たちの行く末を思って憧れと夢を抱くでしょう -
Posted by ブクログ
ネタバレ一枚の絵から始まる連作短編。コミュニケーションに自信のない留学生、将来に不安を感じる額職人、成功した元弟子にコンプレックスを抱く漫画家、パニック障害の発症に絶望する50代女性。それぞれに自己嫌悪に陥るが、ありのままの自分を認めてくれる人の存在に気づくことで、前を向ける。どれも素朴だけどとても温かい気持ちになれる物語だった。
まさか最後のエピローグが、ミステリーの謎解きのような展開になるとは。ブーとレイのその後の人生、赤と青の意味、エスキースの意味、各話が繋がることで見えてくる。ちょっと伏線回収がすごくて出来過ぎな感じもあるけど、まんまと感動してしまった。
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Posted by ブクログ
初めての青山美智子作品。短期留学中のレイにあまりにもスムーズに感情移入したのでブーへの安心感は半端じゃなかった。「どうせ時期に帰国するしハマり過ぎないようにしなきゃ、でも。」みたいな心の動きがまるで自分のことのように感じられて読むスピードが加速したところで第一章が終わった。二章目では別人物の話。あぁ短編集なのか、ん?でも所々リンクするワードが出てくるし、これは最後の章にまたあの2人が出てくるかな、出てきてほしいなぁと読み進めていくうちにその間で出てくる人たちにもいちいち感情移入してあったかい涙が何度もながれる作品だった。すごく色彩豊かに映像が流れてきて赤と青の織り込み方もすごく美しくて…。最後まで読んでまたすぐ読み直したくなる作品だったし他の作品も早く読んでみたいなぁ。久々にちゃんと小説を読んだけど、描くところ描かないところのバランスも好きだったし、小説じゃなきゃできないような、作者の手の上で転がされるような読書体験がすごく心地良かった!ブーの顔がどんな顔なのか自分の中で最後まで定まらなかったのもなんだか切なくて不思議な余韻があるなぁ。二回目読んだらどんな感情になるかな?読んだらまた感想書きたいです。
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Posted by ブクログ
青山美智子さんは、人がうまく言葉にできずに抱えているモヤモヤや葛藤をすくい上げ、丁寧な心理描写で表現するのが本当に上手だと思う。登場人物たちに自分の姿を重ね、心がざわついたり、涙がこぼれたりする場面もあった。
それぞれに迷いや生きづらさを抱えた人たちが、小町さんとの出会いと一冊の本をきっかけに、自分の人生を少しずつ動かしていく物語。何かを劇的に変えてもらうのではなく、答えはすでに自分の中にあり、ほんの少し見方や行動を変えることで道が開けていくところが、とても温かく心に残った。
本は知らなかった世界への扉になり、人との縁や新しい一歩にもつながっていく。読み終えた今、優しく背中を押してもらったような気持ちになれる一冊だった。 -
Posted by ブクログ
自分の心に余裕がなくなったときに、また読みたいと思える本だった。
主人公たちはそれぞれ自分の人生に悩んでいるときに、司書の小町さんと出会い、本を紹介してもらう。その本をきっかけに、自分では気づいていなかった思い込みに気づき、少しずつ物事の見方が変わっていく。世界が広がるというよりも、一生懸命に生きているからこそ見落としていた、すぐ近くにある幸せに気づいていくような感覚があった。
心に余裕がなくなると、どうしても目の前のことしか見えなくなってしまう。この本は、そんなときに少し立ち止まって、自分の見えている世界を広げてくれるような本だった。