青山美智子のレビュー一覧
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青山美智子さんの作品ということで本作も、早速手に取り読みました。今回の舞台が神奈川県ということで、馴染みのある土地ということもあり、情景を思い浮かべながら読むことができたかなと思います。
本作は神奈川の鎌倉を舞台にした作品で、連作短編集です。悩みをなかなか打ち明けられず悶々とした日々を送る人たちが不意のきっかけを掴み、人生を前向きに生きる糧とするといった内容。
本作も青山美智子さんワールド満載でとてもホッコリし、希望がもらえるような作品でした。個人的には、連作短編が数珠繋ぎとなっているのがおすすめポイントかなと思います。誰かが誰かの希望になることができるということや、人との見えない繋がりなんかを上手く表現しているような数珠繋ぎだったかなと思います。
全体を通して、声を上げることを意味することが語源である「エール」という言葉が、語源的にも意味的にも本作にはピッタリな言葉だなぁと思いました。 -
Posted by ブクログ
4人の作家による4つの終わった恋とその後の物語。元カレの名前は誰も忘れていない。忘れてはいないけれど、忘れた。もういらないという訣別の宣言だから。
▷以下一部内容に触れます
姉ちゃん
テレビドラマに出て有名になった姉ちゃんの周囲に元カレが増えた。なのに姉ちゃんが会いたい元カレは連絡もしてこない。でも僕はその元カレの今を知っている。姉ちゃんはその元カレに思いを残しているわけではなく、かつての同志として会いたいと思っているということも。僕と姉ちゃんのちょっとイレギュラーな関係。でも僕は。
青山美智子さんらしい明るい展開が心地良い。
三月なんて前世
物語は琴をずっとフォローしてきた気の合ういとこ(のようなものの)瑞月が買ってきた米粉パンを食べるところから始まる。恋の始まりから終わりまで、そしてその後まで丹念に描かれる。
元カレは二股男で、琴のためだったはずの米粉パンを利用され、おまけになんだかキレイなストーリーを勝手に作って自己陶酔しつつPR。
そんな元カレをすっぱり断ち切って前世にしてしまうまで。元カレの米粉パンをまた買って、バリバリもりもり食べて、新しい現世を生きることができるといいなと思う。
瑞月が最高の親友、だ。
すべてはカーテンの中
別れを告げてきた彼が無傷で去ることが許せず、セフレとしてとどまることを選択してしまった美加。その選択もどうかと思うが、別れた後まで最低なクソ特盛男。高校の同級生サチと出会い、彼女の壮絶な過去を知った美加が手にしたもの。美加の出す答えは?何か一撃を加えて欲しいと思ってしまう。犯罪でなくていいから一生忘れられないようなことが起きないかな(←犯罪者の思考かもしれない)
短編だが町田そのこさんパワー全開。サチに会えて良かったね。
二つ歳上
大学生の19歳から27歳まで過ごした彼と別れて着物屋で働き始めた沙良。着物との出会い、そしてひかりさんを初めとする同僚たちとの関わりの一方で、別れた元カレとの日々を見つめ直す。2歳歳下にただ甘えて過ごしてきたことにも気付く。
着物屋さんで働く仲間がみんな気持ちの良い人たちで、とても良い職場だ。着物を好きになり、今の自分を楽しんで生きる沙良の成長にエールを送りたい。
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Posted by ブクログ
日常でつまずく5人が、タケトリ・オキナのポッドキャスト『ツキない話』に心を寄せ、傷つきながらも前へと歩みを進めていく…。
今作も"人との繋がり"を軸に、単に事態が解決するのではなく、見方を変えるヒントによってひらめきを得るような、青山先生らしい連作短編です。
「竹林からお送りしております。タケトリ・オキナです。かぐや姫は元気かな」の挨拶で始まるツキない話。
月についての豆知識やエピソードが穏やかな声で語られ、ラジオ好きとしては興味をそそられます。
仕事、夢、人間関係、様々な悩みが描かれる中、私は結婚したばかりの娘とその夫(娘婿)との距離感に迷う、父親のお話が印象に残りました。
近くにいると見えなくなってしまう優しさや愛情は、離れることで初めて気付いたり受け止められたりする。
各章にわたる月や太陽の小話が『見えなくても確かにそこにある繋がり』を照らし、自分自身を見つめ直すきっかけをくれます。
登場人物みんな人柄が良すぎて、自分を省みるとちょっと卑屈になりそうですが…そこは優しさを強要しない、青山先生の温かさで踏み止どまりました。笑
タケトリ・オキナとかぐや姫がまた再会できますように…。
秋の夜長にぴったりの一冊です。