青山美智子のレビュー一覧
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山中青田遊園地。この町に昔からあるアミューズメントパークだ。
全国的に知られた大きな遊園地のような最新の乗り物があるわけではないけれど、町の人たちには心和む憩いの施設になっている。
人々は親しみをこめ、この施設を「遊園地ぐるぐるめ」と呼ぶ。
青山美智子さんと田中達也さんが贈るアートファンタジー。
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開園前の遊園地がキラキラして見える。今日は僕の隣に結乃ちゃんがいるからだ。
他愛ない会話に柔らかく微笑んでくれる結乃ちゃんを見て、僕の心臓がドクンと鳴る。
勇気を出して誘った初めてのデート。快くOKしてくれたけれど、彼女は本当のところ僕のことをどう思ってい -
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やっぱり青山さんの作品、大好き。
短編なのに最初から最後まで全部繋がっている構成、本当によくできていると思う。
繋がっているからこそ、一気読みしたくなってすぐに読み終えてしまった。
どの話も、軸はポッドキャストの『ツキナイハナシ』。
ここで得た知識によって考えが変わり、周りとの関係も変わり、どんどんいい方向へ変わって行く。
すごく素敵。
考えが変わる、というのも、例えばある本を読んで急に価値観が変わってめちゃくちゃすごい人になるとかではなくて、少しずつ変わっていこうという気持ちの変化なので、なんだか勇気をもらえるような作品だと思った。
最後、このポッドキャストのタケトリ・オキナが誰なのかわか -
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『赤と青とエスキース』
未完成のふたりが、一つの「額」に収まるまで。
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□はじめに
読み終えた瞬間にタイトルの真意に気づき、思わず溜息が漏れてしまった一冊です。
青山美智子さんの『赤と青とエスキース』は、『の』ではなく、『とエスキース』なのです。
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1. 登場人物
物語の始まりは、オーストラリアのメルボルン。
画学生のレイと、日本からの留学生ブー。
若き二人の瑞々しい出会いから生まれた一枚の「エスキース(下絵)」が、この物語の主人公です。
そして、その絵を受け継ぎ、日本でその価値を見出し、魂の「額」を授ける額装師たちがいます。
時代や場 -
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図書室に様々な年代、境遇の人々がふとしたタイミングで訪れて、司書さんの思いもよらない本のセレクトと可愛い羊毛フェルトの付録によって人生が再び動き出していく物語。
社会人、出産後、定年後など誰もが悩みを抱えるポイントを持つ人々が話の中心になるので、接点を持ちやすく入り込みやすかった。特に司書さんからの変わった選書と付録に疑問を持つが、変わった選書によって物事を見る角度が変化して悩み事が解決に向かっていくのがよかった。エピソードを読んでいくと、違うエピソードに出てきた同じ地域に住む登場人物が出てきて、世界はどこかで繋がっていることを感じさせるようだった。
『つながってるんですよ、みんな。ひとつ -
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いつもそばにいる人から
勧められて本作を手に取りました。
青山さんの作品は初めてかな。
とても読みやすかったですね。
連作短編の面白さをじっくり味わえました。
どの世代の登場人物も人生の岐路に悩み、
本を通じて希望を見出していくのですが
ああ、そんな時代もあったなあとか
まさしく今の自分に当てはまってる!などと
共感することしきり。
いつもそばにいる人から
この本を勧められた理由が
なんとなくわかるような気がしてきたのは、
自身が本作を通じて
「読んだ人が自分自身に紐づけてその人だけの何かを」
得たからなんだろうなとしみじみ思っています。