青山美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
今年読んだベスト3冊に入ると思う。
この本の中では大きな事件やラッキーは起こらない、何なら燻っていたりする。だけど、それぞれが選び歩いてきた道の先が ちゃんとあった。これからも続く。大丈夫、と思える。
始まりは、学生のレイとブーの眩しくて瑞々しくて素直になれない気持ちの揺れ。
起点となる1枚の絵は 時代も場所も人物も移り変わる中で、なぜこの絵がここにあるのか? それが明らかになったとき、タイトルの意味に気がついた。
特に四章の『赤鬼と青鬼』が好きで、
茜さんが自分の抱えているものを打ち明けて
「私は自信もないくせに見栄っ張りで、もう若くもなくて、それなのにいつまでも未熟で」
と泣いたときに -
Posted by ブクログ
本作は、似ているようでまったく違う一日一日を、私たちがどう過ごし、どう積み重ねていくのかを静かに問いかけてくる物語だと思った。前に進めた日も、立ち止まってしまった日も、成長できていないと感じる時間さえも、この作品は決して否定しない。そのままでいいのだと、そっと背中を撫でてくれるようだった。
物語の軸となるのは、月を題材に語られるポッドキャスト。月の満ち欠けのように揺れ動く感情が丁寧に描かれ、人々の人生が少しずつ交差していく。その中で描かれるのは、大きな決断ではなく、新しい自分へと踏み出そうとする小さな一歩の尊さだった。
私はいつも、一歩を踏み出す勇気が必要で、誰かにそっと背中を押してほしい -
Posted by ブクログ
ネタバレ「私は泣いた。言葉をまだ知らない幼児みたいに泣いた。泣いて泣いて泣いて、うわあああと声をあげえ、大事なふりしてずっと抱きかかえていた、固くて重くて要らないものを破壊した。心のどこかで知っていた。私は、ずっとこうしたかったのだと」
再読。
大好きな女の子にこの本を教えてもらったのが最初。この本を最初に読んだ時から変わらず、心があたたかくなる。
連作短編小説、こんなに綺麗につながっていくなんて、まずはそこに惚れ惚れしてしまう。今ここに生きている人たちひとりひとりにこのような物語が無限にあるんだ、と思う。
特に緑の話が大好き。冒頭の文章も『カウントダウン Green/Sydney』より