【あらすじ】
7人の悩める人々が神社で出会ったハチワレ模様の猫=ミクジ(左側のお尻に白い星マークがある)にお告げの言葉をタラヨウの葉で一枚もらう。その言葉を参考にしてより良い人生をおくれるようになる短編集。
一枚目:ニシムキ
上司佐久間さんに21歳で初めての失恋をした美容師のミハル。ランニング中に神社でミクジに「ニシムキ」という言葉をもらう。母親の妹でフリーのグラフィックデザイナーをしている45歳の時子の新居(こだわりの西向き)に遊びに行き、時子の色んな面を知って親しくなっていき、失恋の痛みも無理に忘れようとせず待とうと考えられるようになる。
二枚目:チケット
耕介には手芸店でパートしている美恵子という妻と、キュービックというアイドルグループの葛原達彦(たっちん)推しの娘さつきがいる。娘と距離があった耕介だが、耕介のスマホでキュービックのライブチケットが当たったため娘と2人でライブに行き距離を縮める。
三枚目:ポイント
就活生の田島慎は受け身の人生でやりたいことがなかった。CDショップのバイトの先輩竜三(25歳でミュージシャンを目指すフリーター)にギターを教えてもらい、竜三がバイトをやめるときに(バンドがデビューできそうなため)『線路は続くよどこまでも』を慎は演奏する。ありがとうという気持ちになった時に★のポイントを書いている竜三を見て気持ちに変化が現れる。父親の紹介の就職先をけって、楽器の素晴らしさを伝える仕事につきたいと楽器関連の会社の面接を受けるようになる。
四枚目:タネマキ
68歳の哲は嫁の君枝(夫弘人は大阪に転勤)と孫の未央と3人で暮らしている。緑地清掃でもらったキンセンカの種をまいてみるが、枯らしてしまうしプラモデルで未央に誤飲させてしまうし哲は自暴自棄になる。哲は3年前までプラモデル屋「木下プラモデル」を30年間やっていて、君枝は幼いときに哲にお世話になっていたことを話し、ドールハウスコンテストで優勝したこともあるし、また一緒にお店をやろうと哲に話す。種は勝手に飛んでいって親の知らないところで勝手に咲く。今ごろどこかで好きなように花を咲かせている…人も。
五枚目:マンナカ
小学生四年生で転校してきた深見和也はクラスに馴染めないでいた。リーダー格の岡崎に苔好きをバカにされ、からかわれるようになる。和也は保健室で昼食をとるようになり保健室の姫野先生や体調不良の山根先生と親しくなる。カビも悪いやつじゃないと教えてくれた入院中の山根先生にタラヨウの葉で手紙を書き、先生が退職してから手紙をもらい、自分にポジティブになれて岡崎にも正面から向かい合えるようになる。
六枚目:スペース
35歳の千咲には息子の悠と夫の孝、ママ友で25歳の里帆がいる。幸せなのに漫画家の夢を諦められずにおり、パパ友の輝也の書く絵を見たり話を聞いてゆとりやスペースの大事さに気づく。漫画家アシスタントのバイトに応募したりクリスタを学んだり夫に本音を話したりたりと行動変容が現れる。
七枚目:タマタマ
45歳で占い師をしている彗星ジュリア(笑子)には高校時代の同級生で税理士のともやん(友谷茂)という友人がいる。笑子(ニコ)は36歳で離婚してスナックで働くようになり卓上おみくじ器からホロスコープに興味をもち占い師となった。メディアに出て有名人になったジュリアはその鎧が辛くなっていたころ、イベントで鍵を探してほしいと玉木たまきという女性に相談される。迷った末老人ホームにいる玉木のもとへ行き、無事鍵を見つけ玉木は自分の気持ちを封じ込めた空箱に鍵をかける。個人鑑定の楽しさを思い出したジュリアは後にともやんの元で覆面セラピストとして働き始める。
それぞれに助言をした元中華料理人で宮司のヨシ坊はミクジに☆マークをもらう。
【感想】
青山さんの作品でトップ3に入るくらい好きな短編小説。それぞれの登場人物が神社ですれ違っていたり何度も同じ場所が出てきたりと、しっかり青山ワールドも楽しめる。
生きてく上で悩むテーマ盛りだくさんで泣けるシーンがたくさんあった。