青山美智子のレビュー一覧
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12月の2025年も残すところわずかのこの時に、本書を読もうと決めていた。結果的に、その判断は間違っていなかった。この一年、わたしは心が疲れていた。一年前に思い描いた2025年のなりたい自分になれていないと感じていたのもある。
『お天道様』は、そんなわたしの胸にすぅーっと入りこんだ。仕事納めのその日の電車内で込み上げる。目を真っ赤にしていたのだろう。ちらちらと周囲の視線を感じた。こんなに人の目が気にならない日はない。いつもより職場の人へも優しくなれた。
「来年はもっと楽していいよ」
そう自分につぶやいてみる。
『ウミガメ』にある、下記の表現が気に入った。
[人は出会うとすぐ水滴がくっつく -
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日の出公園にいるアニマルライドのカバ。通称「リカバリー・カバヒコ」は、自分の治したい身体の部分に触れるとたちまち回復してくれる伝説の遊具として親しまれている。そんなカバヒコを中心に5人の登場人物たちが少しずつ前を向いて生きていく話。
「人間って結構、見たいものだけを見たいように見てるんですよ」
「なにもかも全部はっきり見てやろうなんてそのほうが傲慢ですよ」
人間の身体はまったく同じようには戻らないけど、経験と記憶がついて、心も体も頭も以前とは違う自分になる。それはマイナスではないんだと。そう勇気づけられるのはカバヒコのリカバリー効果のおかげかも。「カバ」だけにね。 -
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ネタバレ青山美智子さんの本は、読むたびに
『今までで一番好き』
って思わせてくれます。
今回のは、いろんな世代の人達の
苦しかったり切なかったり…
その時々の気持ちを『物語』というよりは
『詩』のような軽い感じで読み進めることができました。
いろんな世代の人達の話し…
だと思っていたのに実は一人の女性のお話し。
これには、びっくり!笑
そして、後の章(BOX2)では、アナザーストーリーが
控えていました。
この構成は私の大好物!
途中に入る写真も抒情的でとても素敵。
また大事にしたい本に出会えました。
☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…☆…
『転ばない人なんていない。そんな人生なんてな -
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数年前にすごく話題になっていて、それ以来とても気になっていた本書をようやく読みました。
なるほど! こういうのだったのか。
うん、話題になったのも大いに頷ける!!
まったく毒のない物語です。
そして勇気と元気と安心をもらえます。
バタフライエフェクトとか「風が吹けば桶屋が儲かる」とか、そんな言葉を思い浮かべました。
最初の短編の二人の人物が最後の話で、なるほど、こうつながったかあ~(ほっこり)で脱帽です。
それぞれの短編の登場人物たちに思いを寄せて読みましたが、私はとくに「めぐりあい」と「半世紀のロマンス」のご夫婦がお気に入りになりました。
いろんな年代の方が読んで愉しめる良書です。
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Posted by ブクログ
ままならない日常を生きる人達。その人たちに起こる素敵な出来事。奇跡というほど立派はものではない、でも確実に一歩を進める出来事が読んでいる私にもそっと勇気をくれる。そんな素敵な一冊に出会えて、心がじわっと温かくなりました。
個人的には、同年代の時をえがいている『赤鬼と青鬼』が印象的だった。『これからも、この身ひとつでいろんなことがずっと続いていくのだ。』大切にしなくちゃ。
エピローグで明かされるブーとレイのその後。短編を読みながらも「この2人かな?」と思いながらも確信が持てずにいたけれど、最後に答え合わせができてスッキリ。
また、心が疲れた時に読み返したい一冊です。