青山美智子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
2023年出版。234ページ。5話の小編から成るが、それぞれは独立。但し、人物関係が縦糸として全体を繋げる構成。
ペンキが剥がれまくったカバのアニマルライドをタイトルとしているが、これは別にファンタジーでは無く。過ぎ行く時間の中で、人の関係を繋ぐ媒介物。
バッドエンドは無し。好転を描く為に、苦しい・暗い状況が描かれるが、妙に描写がしつこかったり生々し過ぎて読み疲れるといったこともなく。←これはとても大切! カバのキャラ設定が活かされていて、重い描写シーンでも重苦しくなり過ぎない。
最終章で、あぁそうだったんだ!と、更に暖かな気持ちに。読んで良かったです。有難う。 -
Posted by ブクログ
銀座で人魚を探す王子様?
設定が面白くて可愛らしくて、先が気になってスイスイ(人魚だけに) 読んだ!
ジャックジャクソンの名前が人気の水彩画家として出てきたのが胸熱!(「赤と青とエスキース」を先に読むのがおすすめ)
銀座で交錯する人たちに焦点を当てて、章ごとに主人公が変わるのが面白い。
ネタバレ
12歳年下の友治くんが、彼女に見合うようにとずっと見栄を張って嘘を重ねて付き合ってきたことを告白できるといいし、ありすさんも「ずっと大好きだったしこれからも一緒にいたい」って素直に言えるといいな。
銀座の街を楽しむアンデルセン童話のキャラクターたちがチラホラ紛れ込んでたのが最後に分 -
Posted by ブクログ
青山さんらしい優しいお話だなあと。5編の短編小説集だが、どの話もある公園のカバにつながっている。
勉強に悩む少年やママ友関係に躓く新米お母さんなど、なにかしらの悩みをもつ人たちが登場する。
じんわり「はあ~・・・癒される」という読後感を求めている方はぜひ!私はついでに整体にも行きたくなった。2時間くらいであっという間に読める。
この青山さんの「読みやすさ」は実はすごいことだと思う。情報量はそれなりにあるのに。。言葉に無駄がなくすっきりしている、それでいて言葉足らずではない匙加減、心情も深く伝わってくる。中学受験などの国語の題材に使われることが多いそうだが分かる気がする。 -
Posted by ブクログ
「木曜日にはココアを」に登場した人たちの、“その前”の時間が描かれている物語。
いわゆるアナザーストーリーというよりも、どちらかというと前日譚のような一冊だと感じた。
「あの人に、こんな過去があったんだ」「このとき、こんな気持ちでいたんだ」と驚きと同時に、心の奥にそっと触れるような感覚があった。これまで断片的に見えていた感情や選択が、静かに補完されていくようで、登場人物たちがより身近に、愛おしく思えた。
街の小さな喫茶店を軸に、それぞれの人生がやさしく重なり合っていく。派手な出来事はないのに、人の心のあたたかさや、ささやかな勇気がじんわりと胸に残っていく。
読み終えたあと、誰かに少しだけ -
Posted by ブクログ
やっぱり青山美智子さんの作品は、読みやすさだけじゃなくて、心の温度をそっと上げてくれるところがすごい。どの物語にも “人生の中で長く持っていたい言葉” があって、読み返すほど大切なものが自分の中に積み重なっていく。
今回もたくさんのことを教えてもらったけど、その中でも特に強く響いたのは──
“ささいな言葉でも、人の人生を動かすきっかけになりうる” ということ。
誰かが何気なく言った一言が誰かを救ったり、前に進む勇気になったり、世界の見え方を変えたりする。
そしてそれは、自分が放つ言葉にも同じだけの可能性が宿っている。
だからこれからは、相手の言葉も、自分の言葉も、軽く扱わず、大切に抱きな