青山美智子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ『木曜日にはココアを』で心が温まり、知人に紹介してもらった本作も手に取った。
連作短編集で心温まるストーリーが展開され、ラストも見事な回収。個人的には『木曜日にはココアを』の方が好みだけど、本作も感動して涙が出た。
特に好きなお話は【第3話 ちはるの耳】と【第4話 勇哉の足】だ。
【第3話 ちはるの耳】
サンライズ・クリーニングのおばあちゃんの言葉が心に染みた。
「先のことじゃなくて、誰かのことじゃなくて、今の自分の気持ちだけを見つめてごらんよ。飴でも舐めながらさ」
ちはるの心の叫びも涙なしには読めなかった。
【第4話 勇哉の足】
整体師さんからの宿題「目の前のことに集中する」 -
Posted by ブクログ
ネタバレ本を開いた瞬間から、すーっと言葉が心に馴染んでいく感覚がありました。文章がとても軽やかで読みやすく、夢中になってページをめくっているうちに、あっという間に物語の終わりを迎えていました。大きな事件が起きるようなドラマチックな起承転結があるわけではないのに、読み終えた後はじんわりと温かく、ほっと肩の力が抜けるような優しい余韻が残ります。日々の生活で少し心が疲れてしまったときに、そっと手に取りたくなるような大切な一冊になりました。
図書室の司書である小町さゆりさんの佇まいは、どこか『不思議駄菓子屋 銭天堂』を思わせる不思議な魅力と存在感があり、物語全体に懐かしく温かい空気を与えてくれています。この -
Posted by ブクログ
「ぐるぐるめ」この言葉の意味をあらゆる場面で考えさせられたことか。
遊園地の別名、アトラクションからの由来、人生での悩みの歯車、ピエロの生き方、恋愛・仕事の空回り…「ぐるぐるめ」の意味をそれぞれの主人公から考えさせられた。
世の中には「ぐるぐるめ」というほんのわずかな時間があり、イメージの世界とリアルの世界の狭間にあって、どちらにも自由に行き来できる素敵なスポットーという一文に触れた時、私にとっての「ぐるぐるめ」は「本の世界」だ!と思った。イメージの世界とリアルの世界の狭間にあるスポットーその「ぐるぐるめ」を行ったり来たりする中で高揚や興奮を覚えるのが本の世界、私の大好きな空間だ。
最後の -
Posted by ブクログ
全てのストーリーに共通して、言葉には出来ていないけど暖かく新月のように陰ながらその人を見守る優しさが描かれていて切なくも暖かくなる。私たちは自分が気が付かないところで実は周りから支えられ、追い込まれるとそれが見えなくなってしまって。。
人は頑張りすぎると頑固になってしまうんじゃないかなと、そして自分がそうなっていることを気づけず、やさぐれがち、人との距離感ではボタンをかけ違ってしまうこともあるけど、ただ、新月のように何度も生まれ変わりリセットできるんだということが物語を通じて感じることができた。気付けることができた。
そして、野口聡一さんの書評まで含めて素敵な本だと思った。
-
Posted by ブクログ
『赤と青とエスキース』
これは決して、
『赤と青のエスキース』ではない。
もしこれが『の』だったら、また違った読書体験になったはず。そして私は『と』で読めたことに感謝したい。
これが初めての青山美智子なら、きっと一番面白いと思ったかもしれない。
一点だけ。
どうしても『彼女』のことを好きになれない。
明るく、前向きで、人生を切り開くヒトに惹かれる自分としては、彼女の行動や選択がどうしても受け入れられなかった。
でも、もしかしたら、それが現実的なのかもしれない。誰もが自分の選択にいつも自信を持つことができるわけじゃないし、人の好意を素直に完全に受け入れるのも簡単じゃない。
彼女が彼女だか -
Posted by ブクログ
「お探し物は、本ですか?仕事ですか?人生ですか?」
町の小さな図書室との出会いをきっかけにして描かれる、仕事や人生に対する迷いを抱えた5人の連作短編集。
物語に共通して登場するのが、「ものすごく、大きな女の人」こと小町さゆりさん。
毎話すこしずつ違った表現で形容されるその小町さんの描写が絶妙に可愛い。
不愛想なのに包容力のあるその声や、悩みに寄り添った選書たちと最後に加わる一見関係の無さそうな一冊、そしてそっと手渡されるおまけから伝わってくる洞察力に、一話読み進めるたびにどんどん魅了されていきます。
なにか大きな事件が起きたり、クライマックスがあったりするわけではないけれど、言葉に -
Posted by ブクログ
面白かったーーーー!
王子と人魚は本当にいるのか?
ということが頭の中でグルグル回って答えがなかなか出なかったし、それに王子がちょっとユーモラスでした(笑)
好きだったのは、
「街は豊か」の中のこの一文。
私ね、お金とかじゃなくて豊かさってこういうことなんだなあって子供心にずっと思ってた。
お母さん、ありがとう。
菜緒、いいこ。
私自身が言ってもらえたみたいに感じて、胸がジンときた。
菜緒、ありがとう。
涙腺崩壊。
もうひとつは、「きみは確か」。
理世さんの清潔感のある佇まいが素敵。
友治くんが理世さんを好きになる気持ちがわかる!
二人のエンディングが見たかった。
人魚姫の