青山美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
2026.02.26
SNSで散見するおすすめ本のランキングに必ずと言っていいほど見かける本作。
中古でいいやと購入しページをめくるとチョコのシミのようなものが数ページに渡ってついており、
あー。中古で買うんじゃなかった…と後悔したのも束の間、1章目を読んでそんな想いも消し飛びました。
きっとこの本を手に取った前の持ち主もココアや甘いチョコレートとともに読んでいたのかもしれないなぁ、ぴったりなお供だな、と思えてシミもなんだか愛おしく感じました。笑
ささくれだった心にそっと染み込むココアのような作品。育児家事に追われて自分を後回しにし、心にゆとりのなかった今の私にぴったりだったなあと。
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Posted by ブクログ
心の「塗装」を直してもらった気分。カバヒコに癒やされました
レビュー本文:
公園にある古びたカバの遊具「カバヒコ」を巡る連作短編集。
自身の体の痛い部分と同じ場所を触ると回復する……という都市伝説のような設定ですが、魔法で治るわけではなく、カバヒコとの対話を通じて、登場人物たちが自らの力で心を回復(リカバリー)させていく過程がとても素敵でした。
どのお話も必ずハッピーエンドで終わるので、読んでいる間の安心感が絶大です。
物語に大きな意外性やどんでん返しがあるわけではありません。でも、だからこそ、日常の中に転がっている小さな悩みや、すれ違う誰かが抱えているかもしれない「見えない痛み」に、改め -
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Posted by ブクログ
青山さんの作品を手に取るのは『お探し物は図書室まで』に続いてこれで2作目でした。読み終わってみて、青山さんの連作短編は、自分に合っているなあとつくづく思いました。
なぜかというと、それぞれの短編を繋ぐ人物やキーワードがさりげなく立ち現れてきて、「そういえばあの時の…」と読み手の方がはたと手を打つような、小さな驚きが心地よいからなのかもしれません。常連さんならば、「ほらきたきた!」と目をキラッとさせながら読んでいるのでしょう。
本作を読んでいると、日常生活で手に取る物や見聞きする出来事が、自分とかかわりをもつことになったのにはきっと意味があって、目に見えないもので繋がり合っているのだという感 -
Posted by ブクログ
日の出町内会に住んでいたことのある身としては、日の出公園のカバヒコはなんだか馴染みのある遊具のようで、名前は違うけど家の前にも公園があって、アニマルライド(そういう名前だとはしらなかったけど)も何体かあって、しかもカバヒコと同じく揃って色がかすれてたなぁ。おそらく50歳近いのではないかな。丈夫な素材でできてるんだろうね。
というわたしの記憶とも相まって、懐かしくほのぼのと読みました。
そして、この懐かしい公園で、幼稚園が終わってから日が暮れるまで毎日子どもたちが遊んでいたことや、ママ友とのかたちの定まらない、不安定な友好関係も一緒に思い出し、頑張ってきたねと自分をいたわりたい気持ちになりました -
Posted by ブクログ
青山美智子さん、7冊目。
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないが夢を諦めきれないピン芸人、家族との関係の変化に戸惑う中年のバイク整備士、早く家を出て親から離れたいと願う女子高生、仕事と家族のバランスに悩むアクセサリー作家。
様々な屈託を抱く人たちが、あるポッドキャスト『ツキない話』の月に関する語りを聴くうちに、小さなきっかけを得て新しい日常を見出していくお話。
こう書くとどこかで読んだことがあるような話にみえるが、この作者さんの手にかかるとその世界観と読み易さにじんわりほっこりさせられる。
また、この作者さんの本らしく、このお話も登場人物がゆるく繋がっているが、四章には『竹は地中で繋が