青山美智子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
見えない紐が紡ぐ再生の物語――
青山さんの静かなる輝き
単なる「心温まる癒やし系小説」の枠には収まらない。緻密に計算された構造美と、人間の普遍的な営みに対する深い肯定感に満ちた、
極めて秀逸な連作短編集です。
本作が小説として極めて優れている点は、その構造の「循環性」かな、
一見すると、迷える人々がラジオの声に救われるという一方向の構図に思えるが、
ある章の主人公が発した何気ない一言や小さな善意が、他者へと伝播し、巡り巡って全く見知らぬ次の章の主人公の背中を押していきます。
目に見えない運命の紐を、極上のミステリーのように鮮やかに描き出す手腕には感嘆です。
さらに、タイトルにも冠され -
Posted by ブクログ
1枚の絵画をめぐり、30年以上の歳月と海を越えて紡がれる5つの愛の奇跡。
・メルボルンに留学中の女子大生が経験する
「期間限定の恋」、
・毎日の仕事に迷いを抱える額職人の葛藤、
・かつて師弟関係にあった漫画家たちの複雑な絆、
・そして病をきっかけに人生の選択を迫られる
50代女性の再会。
それぞれの章に登場する主人公たちは、誰もが人生の岐路に立ち、不器用ながらも懸命に生きている人々です。
青山さんの描く文章は、彼らの心の痛みにそっと絆創膏を貼るように優しく、温かく包み込んでくれます。
本作の最大の白眉は、
最後のエピローグで訪れる圧倒的な伏線回収にあります。
これまで独立 -
Posted by ブクログ
青山美智子さんの作品は、どれも優しく、じんわりと心を温めてくれる。文章も読みやすく、すらすらと読めてしまうので、もし普段あまり小説を読まない人からおすすめの作家を聞かれたら、薦めたい作家の一人である。
この作品は、連作短編集であり、各章の登場人物が意外なところで繋がっている。
もしその点に面白さを感じた方がいれば、同じ作者の『赤と青とエスキース』も未読であればぜひ読んでいただきたい。
人は自分の人生を生きる中で、誰かになんらかの影響を知らない間に与えてしまうけれど、それは悪い影響だけではなく、良い影響もあるのだと、この作品が教えてくれた。