市田泉のレビュー一覧

  • 創られた心 AIロボットSF傑作選

    Posted by ブクログ

    ホントに人工知能的なものに意識や自我が誕生したら、それは人間のそれとは似ても似つかないものになるはず。理屈から真面目に考えてみれば、そうなるはずなのだが、そういう話は「翻訳者」くらいか。国産でこのテーマのアンソロジーを組んだら、そっちの方が主流になりそうな気がするんだが。まあ「人型」というものに対する彼我の意識の違いか。そんな堅いことを言わずにロボットテーマのアンソロジーだと思えば佳作揃いで楽しい。今更のアジモフ三原則をヌケヌケと持ち出す「もっと大事なこと」あたりがお気に入り。

    0
    2022年02月17日
  • ハウルの動く城 3 チャーメインと魔法の家

    Posted by ブクログ

    シリーズ3作品の中では、この作品が1番楽しく読めました。出てこないと思っていた人が、あっ!ここに!という楽しさがあります。 #読書 #ハウルの動く城 #本

    0
    2021年12月13日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    このモヤッとした読後感がくせになる。
    強烈な悪意ではなく“匂わせる”程度のものだからこそ余計に恐い。
    夫婦の関係を扱ったものが多く「よき妻」「ネズミ」「アンダースン夫人」などはうすら寒いものを感じさせる。
    エッセイもなかなか強烈。
    作品だと思って読んでたらまさかの実話。

    0
    2021年06月15日
  • シオンズ・フィクション イスラエルSF傑作選

    Posted by ブクログ

    イスラエルSF&ファンタジー界の中心的人物らによる
    SF短編選集。
    原文が英語の作品[*1]あり、
    ヘブライ語→英語→日本語[*2]、
    あるいはロシア語→英語→日本語[*3]という重訳もあり。
    訳者あとがきを含めると700ページを超す大部。
    収録作は、

    ■ラヴィ・ティドハー「オレンジ畑の香り」
     The Smell of Orange Groves(2011年)[*1]
    ■ガイル・ハエヴェン「スロー族」
     The Slows(1999年)[*2]
    ■ケレン・ランズマン「アレキサンドリアを焼く」
     Burn Alexadria(2015年)[*2]
    ■ガイ・ハソン「完璧な娘」
     The Per

    0
    2020年11月01日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    あらすじに載っている短編より、他のが面白いかも。
    インディアンはテントで暮らす、みたいなケラケラ笑えるようなのも書いてたんだ!と発見できてよかった。 上の娘さんがお爺ちゃんから習った「赤ちゃんは下水管を流れていった(水差しで湯浴みさせればよかったのに)」とかいう歌、気になりすぎる。

    0
    2020年06月19日
  • 声の物語

    Posted by ブクログ

    近未来のアメリカが舞台。女性たちはある人物が大統領となり、そのブレーンによって、文字を読むこと、言葉を発することを禁止される。言葉を発していいのは、1日たったの100語。それを超えると、腕にはめたカウンターがビリビリ。

    恐いなと思ったのは、17歳の青年は、学校での講義を通して、その価値観にどっぷり浸かってしまうということ。そして、激しく後悔することになることをやってしまう。幼い少女ソニアは、1日100語しか話せないことをゲームとして受け入れていく。学校では、発した言葉が少ない女の子にご褒美が与えられており、その「ご褒美」を喜んでいる。

    大きなとりかえしのつかない選択をしないようにするために

    0
    2020年04月29日
  • ハウルの動く城 3 チャーメインと魔法の家

    Posted by ブクログ

    ハウルの動く城シリーズ3!
    シリーズ2は読み慣れるまで
    時間がかかったけど3は結構
    読みやすかったです。

    今回の主人公チャーメインの
    本好きなところは親近感。
    ピーターとのやりとりも面白い
    ウィリアム大おじさんの魔法の家はワクワクする。

    ハウル、ソフィー、カルシファーも
    中盤で出てきてまたそこから物語が加速する
    カルシファー大活躍!
    カルシファーがまたとても好きになりました。

    ラストも大好きです
    ハウルの動く城シリーズの世界観大好き

    0
    2020年03月10日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    終わらない悪夢にうなされるような23の短編でした。
    ‪人々の内なる悪意を集めたら何通りもの結末があり、日々どこかでそれが繰り返されている不穏さ。‬
    理由なき善意があるなら理由なき悪意だってきっとあるのだ…。
    ‪最後に掲載されている子育てエッセイも、ヤンチャ盛りの子を持つ親の苦労が窺えてある意味で恐ろしい…‬

    0
    2019年11月04日
  • 声の物語

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    設定はシンプルで恐ろしい――アメリカで、「女性」のみ、一日の発語数が100語に制限されてしまう。100語を超過すると、手首に装着したブレスレット状のカウンターが、強力な電流を発する。突飛に思える設定も、「アメリカ」の大統領が行った政策と聞くと、にわかにリアリティを帯びる。
    かつて日本にも、女性蔑視は確実に存在した。むろん、現在の日本でも、その不公平性は完全に払拭されたわけではない。むしろ男女間の性差に基づく差別以外に、永田町に蠢く者共が、次々と繰り出す数多くの「差別」が日々噴出するために、相対的に男女差別だけがことさらにクローズアップされなくなっただけだろう。うまい汁を吸えるのは権力者だけ、と

    0
    2019年10月23日
  • 声の物語

    Posted by ブクログ

    侍女の物語よりは最後少し光が見える。ただ、こっちの方が子供の描写が丁寧な分、読むのは辛い。
    特にすんなり洗脳されていく多感な年頃の長男、言語を奪われていることをゲーム感覚で受け入れてしまう幼い娘。自分が言語を奪われる以上の苦しみだろうな。
    言語を自由に使うということは、自由に思考すると言うこと。
    我が子の自由な思考を守ることは親の務めで、それは案外、子供を直接的にケアするよりも、自分たちを取り巻く環境を健全に保つことに真摯であることなのかも。

    0
    2019年10月02日
  • 声の物語

    Posted by ブクログ

    確かに『侍女の物語』の派生作品と言える。前半は、なんなのこの男どもは…とカッカしながら読んだが、自分はフェミニストと思っている男性が自覚も疑問もないままセクハラや女性差別発言をボロリボロリ出すこの国となんら変わらないではないか、と更にカッカする。

    軽快なのは救い。
    後半からラストは私は今ひとつ。

    0
    2019年06月06日
  • ジェイクをさがして

    Posted by ブクログ

    SFというよりホラーの風合い。ピリリとしたアイデアの短編が並ぶ。どれも読者を「?」の立場に立たせることで引きつけ、結末も基本的にオチやカタルシスをつけることなく宙ぶらりんの余韻を残す。センス・オブ・ワンダーを感じさせる。

    ただ並んだ短編がどれも似たような傾向、手法であるがために、やや、おなか一杯感がでてしまうのが残念。余裕やユーモアもあるのだが、技術的にうますぎるが故にフックが足りなくなっている感じもある。クトゥルーものが何篇か。

    0
    2018年11月05日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    多くの作家が距離感に悩んでいると思う。こういうことをわかって貰うためには、こういう物を用意してこういう技を使って、まず寝るには寝床を用意して。。。



    作者はテレポーテーションをするのかのように、シュッとスルッと、少女になって人形遊びをするかと思えば、老婆になってみたり自由自在なのだ。(違うかも)

    そしてお家芸の、悪意、意地悪、辛辣さなども健在で、短編集なせいか、悪意に時間が関係してる気がした。時間が経つと気付く。


    人の悪意ってゴキブリみたいじゃない?自分は目に見えないなら全く気にならない。

    0
    2018年10月14日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    魔女シャーリージャクソン女史の短編集。最近、彼女の作品が読みやすくなってきた。代表作の「くじ」とか「山荘奇談」など本格的なホラーだけでなくユーモアの方向でもいい趣味を持っていることが分かって新鮮である。

    0
    2017年02月12日
  • 処刑人

    Posted by ブクログ

    独善的な父親と人生への希望を失った母親の元に生まれた空想好きな少女ナタリー。
    ナタリーは両親との暮らしから離れ、大学の女子寮に入る。
    やっと両親から解放されたと悦ぶのも束の間、同級生や上級生に戸惑うことになる。

    ありがちな成長物語かと思いきや、どことなく様子が異なる。
    文章に多くのメタファーが隠されており、読み方次第で解釈も膨らんでくる。
    そこばかりに気を捉われると、物語そのものを見失ってしまいそうになる。
    こう書くと難しい印象になってしまうが、特に難しい問題を提起しているわけではないため、普通に読んで気づけばそれで良いし、気づかないならそれはそれで問題ないと思う。

    物語全体に比喩暗喩が多

    0
    2016年12月27日
  • 人生の真実

    Posted by ブクログ

    千里眼の母、マーサには女ばかり7人の子どもがいる。双子の次女と三女と末っ子の七女は結婚していない。しかし、気ままな七女・キャシーは、セクシーで男がついてくる。そして、父親のいない子供を身ごもってしまう。最初の女の子は、子どもをほしがっている人にあげた。二人目の男の子もそうするはずだったが、受け渡しの場所に相手が遅刻してきたことを機に、自分で育てると言い出す。
    気まぐれで、時々精神を病んでしまうキャシーが育てられるはずがない。一家の家長であるマーサは、この子を姉妹みんなで育てると決める。
    マーサと同様に千里眼を受け継ぐキャシーとその息子・フランク。風変わりな姉妹たちに囲まれて成長していく。五女・

    0
    2016年10月29日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    シャーリイ ジャクスンの短編集。
    何気ない人々の日常のひとこまが切り取られているが、そこはシャーリイジャクスン、悪意や皮肉で味付けされている。
    印象に残っているのは、「なんでもない日にピーナッツを持って」散歩しながら、出会う人々に善行をほどこしていく夫。家に帰ると妻が…。彼女は悪意ある行動をしてきたが、明日は交代してほしいという。
    「悪の可能性」
    近所の人たちに悪口を書いた手紙を投函し続けていたミス ストレンジワース。最後に思いがけないことから、その悪事がバレる。
    「メルヴィル夫人の買い物」
    普段から行き付けデパートのクレーマーになっている巨漢のメルヴィル夫人(42号サイズ❗)その彼女が、やせ

    0
    2016年10月09日
  • ハウルの動く城 3 チャーメインと魔法の家

    Posted by ブクログ

    主人公が、ひどすぎて、なかなか没頭して読めなかったかも…。共感できる子でないと、世界観に入り込めないですよね…。でも、キラキラなあの人もモーガンも、ソフィーも出てきますし、彼らが出てくると、どんと話が進んできますので、面白いですよー!(❁´◡`❁)*✲゚*

    0
    2016年04月06日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    シャーリー・ジャクソンの短編は「くじ」以外おそらく読んでなかったので、長編とも違う、人間の(良い意味で)イヤ〜な部分をこれでもかと堪能させていただきました。当面、イヤミス系はお腹いっぱいです(苦笑)。しかし、数日するとこの手のお話はまた読みたくなるから不思議である。

    0
    2016年02月21日
  • なんでもない一日 シャーリイ・ジャクスン短編集

    Posted by ブクログ

    ・シャーリー・ジャクスン「なんでもない一日」(創元推理文庫)は あの「山荘綺譚」の作者の作品集である。私はこの人を「山荘綺譚」一作だけでしか知らない。48歳で亡くなつたといふから、早死にとは言はないまでも、作家として活躍した期間は短かかつたのかもしれない。本書は死後に発見された作品も含めて、彼女の子供達が新たに編集した作品集の抜粋である。「原書はこうした経緯で編まれたこともあり、作品の完成度にはどうしてもばらつきがありました。」(403頁)と「訳者あとがき」にある。そこで厳選した作品でできた のが本書である……はずなのだが、個人的には特に前半の作品の出来が良くないと感じる。私にはおもしろくない

    0
    2015年12月13日