市田泉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
綺麗な装丁に惹かれて購入。
ひとつひとつのお話が短編とは思えないほど濃く、深く入り込んでしまうがゆえに読み終わったときには海面から顔を出すように「ぷはっ」と息継ぎが必要だった。読後感は、その広大な海の冒険から帰還したような気分で清々しくもちょっと寂しくなるくらいどの作品も印象深い。
個人的に好きなのは
「死者との対話」
「そして(n-1)人しかいなくなった」
作者がミュージシャンでもあるから音楽に関わる話が多かった。
難解なものもあり、ちょこちょこ別日に分けて読むと全く着いていけなくて最初から読み直すこともしばしば。これは一気読みしたほうがよいと思った。ただ作者の豊かな想像力を味わえて楽し -
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Posted by ブクログ
本作は短編集だが、まずは収録作全般から受けた印象について述べる。
総じて、特殊な状況が前提として存在し、語り手は自明のこととして多くを語らないために、ぼんやりとして、歪んだレンズを通じて、その特殊性を掴み取ろうとするような読み方になる作品が多かった。すっと状況が飲み込める作品は少なく、読者の側から歩み寄る必要がある。
また、百合(女性の女性に対する感情を扱った作品)として読めるものも、少なくない。
そこと絡めて、描きたい感情が主題としてあって、それを描いた後の、ストーリー的な帰結にはあまり興味がないように思われた。いわゆる、エピローグに当たる部分まで描くことなく、幕を引く作品の多い印象 -