市田泉のレビュー一覧
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シャーリイ・ジャクスンの描いた日常は白黒のテレビが初めて家にやって来た頃に観た「じゃじゃ馬百万長者」のエピソードのようで、何だか作り物のような手触りがして嘘臭い。でもそこから当時の当たり前や海の向こうの常識なんかを取り去ると、残るものは案外今でもそこら中で起こっている話なんだろうなとは想像する。
じゃじゃ馬百万長者が、当時のアメリカのことや油田で一儲けする話なんてなんにも知らなかった子供にも面白いと思えたのはどうしてだろう。海の向こうとこちらの違いの意味するところも定かでない子供にも面白いと思えたということは、きっと何か本質的なことが笑いの対象になっているからだ。それはきっとイソップのネズミ -
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村人から隔絶されて暮らす姉妹。
買い物へ出ると村人たちから酷い言葉を浴びせられる少女を、最初はただ気の毒だと思っていた。
でも、読み進めるうちにある疑問が浮かんでくる。
さらに従兄チャールズが屋敷を訪れたことで、閉ざされた世界は大きく揺れ始める。
認知症めいた伯父、18歳とは思えないほど幼いメリキャット、そして外の世界を持ち込む従兄チャールズ。
そんな3人に囲まれて暮らす姉のコンスタンスを思うと、息苦しいほどの閉塞感があった。
語り口は穏やかで静かだけど、読み終わってからもじわじわ考えてしまう。
好きなタイプの作品だった。
「メリキャット お茶でもいかがとコニー姉さん♪とんでもない 毒入 -
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ネタバレ12作品の短編集。ホラー要素もファンタジー要素もありながら、ディストピアなSFもあって不思議な読み心地だった。
「二つの真実と一つの嘘」は怖かった。不気味なお話をするアンクル・ボブは一体何者なのか。虚言癖のある主人公を信用することもできず、何が本当のことなのかが分からなくなっていって引き込まれた。
「われらの旗はまだそこに」「今日はすべてが休業してる」「ケアリング・シーズンズからの脱走」は、読んでいて心をかき乱された。求められる愛国心、住民同士で監視し合う社会、主権を奪われた登場人物たちを見ていると、他人事には思えない。出来事の一つひとつがとてもリアルに感じられる。どれも絶望のなかでひと筋の希 -
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奇想幻想、不気味、SF、ファンタジー、モキュメンタリーなど、それぞれ毛色は違いながらも、その結末には登場人物たちの芯の通った意志や決意に触れられる。そんな短編集だった。
全体的に話は暗めかも。私は好きな雰囲気や設定だった。いくつかの話に見られる、強者や社会に対して、虐げられし者が抗い闘う展開には胸が打たれた。
どの話も素晴らしいが、冒頭に据えられた、不気味で魅力的な「二つの真実と一つの嘘」、「われらの旗はまだそこに」、「わたしのためにこれを覚えていて」、「オークの心臓集まるところ」が特に好き。
以下もくじ。
二つの真実と一つの嘘
われらの旗はまだそこに
ぼくにはよく、騒音の只中に音楽が聞こ -
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Posted by ブクログ
サラ・ピンスカーの短編・中編、全13編。これはジャケ買いしました〜
寝る前に少しずつ読んでいたのですが、起きると「…はて?…」となってほぼ毎回読み返してました。
全体的に淡々としていて、すごく突飛な事もあるんだけどそれも含めてやっぱり静かに進んでいくというか。どれもゆっくり旅をしてるみたいな…その世界がどんなふうなのかを探り探り読んだのが、寝る前にピッタリだったかも。
…と思いきや、最後に「そして(nマイナス1)人しかいなくなった」は、ここへきて急に目がバッチリ覚めるようなミステリ。すごいこと思いつくなぁ、この状況だからこその犯人の動機には妙に納得。
著者がミュージシャンでもあるそうで、音楽が