あらすじ
最新の義手が道路と繫がった男の話(「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」)、世代間宇宙船の中で受け継がれる記憶と歴史と音楽(「風はさまよう」)、クジラを運転して旅をするという奇妙な仕事の終わりに待つ予想外の結末(「イッカク」)、並行世界のサラ・ピンスカーたちが集まるサラコンで起きた殺人事件をサラ・ピンスカーのひとりが解決するSFミステリ(「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」)など。
奇想の海に呑まれ、たゆたい、息を継ぎ、泳ぎ続ける。その果てに待つものは――。静かな筆致で描かれる、不思議で愛おしいフィリップ・K・ディック賞を受賞した異色短篇集。
アーシュラ・K・ル=グウィンや、ケリー・リンクの作風を受け継ぎながら、彼女自身の不屈の声が全面に響いている。
――〈カーカス・レビュー〉
幻想的な要素を含みながら、同時に、現実にある身近な喪失と痛みに根ざしたほろ苦い物語だ。この物語には、美しい繊細さがある。思索的(スペキュレイティヴ)な要素で読者の頭を殴ることはなく、物語の多くの側面を行間に残している。ピンスカーはサブテキストを非常に巧みに扱い、ページ上ではひとつの物語しか描かれていないが、読者にはふたつの完全な物語が提示されている。
――A・C・ワイズ(作家)
【短篇集として】
2020年度フィリップ・K・ディック賞受賞作
2020年度ローカス賞短篇集部門候補作
2020年度世界幻想文学大賞候補作
【収録作品一覧】
「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」(2015年度ネビュラ賞短篇部門候補作)
「そしてわれらは暗闇の中」
「記憶が戻る日(リメンバリー・デイ)」
「いずれすべては海の中に」(2017年度ネビュラ賞短篇部門候補作)
「彼女の低いハム音」
「死者との対話」
「時間流民のためのシュウェル・ホーム」
「深淵をあとに歓喜して」(2014年度シオドア・スタージョン賞短篇部門受賞作、ネビュラ賞中篇部門候補作)
「孤独な船乗りはだれ一人」
「風はさまよう」(2018年度ヒューゴー賞中篇部門候補作、ローカス賞中篇部門候補作、ネビュラ賞中篇部門候補作)
「オープン・ロードの聖母様」(2016年度ネビュラ賞中篇部門受賞作、ヒューゴー賞中篇部門候補作、シオドア・スタージョン短篇部門候補作)
「イッカク」(2020年度ローカス賞中篇部門候補作)
「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」(2016年度ヒューゴー賞ノヴェラ部門候補作、シオドア・スタージョン短篇部門候補作、ローカス賞ノヴェラ部門受賞作)
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Posted by ブクログ
SF? 短編集。フシギ設定でディストピアぽいのも多いけど現代ベースなので読みやすく、文体も好みでとてもよかった。ロードノベルがあったりサイコサスペンスもあり多彩で飽きない。他も読んでみたい。
Posted by ブクログ
最高に面白いSF短編集でした。
出版区というYouTubeチャンネルにて、池澤春菜先生がご紹介をされていた本。
そこでは「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」という作品について話されており、その内容は
ある日、「サラ・ピンスカーが研究者となった平行世界」にてサラ・ピンスカーが発明した、他の平行世界のサラ・ピンスカーを呼び出す装置により、様々なサラ・ピンスカーがひとつのホテルに招待される。結婚して苗字が変わったサラから性別を変えたサラ、とにかく数多くのサラ・ピンスカーが集まる中、一人のサラ・ピンスカーが殺されてしまう。容疑者はたくさんのサラ・ピンスカー。主人公はこの短編集を書いているサラ・ピンスカーではなく探偵のサラ・ピンスカー。
そんな紹介を聞いてしまったらミステリー好きは読まないわけにはいかないと。
しかしこの短編集、全部が良かった。めちゃくちゃ面白かった。
SFも最近嗜むようになったのもあるけど、それにしたって読みやすい。
科学の専門用語がたくさん並んでいるとか、平行世界とか難しいこと書いてるとか、そういうことは全く感じずに
ちょっと人類がスマホを使えるようになったよね、それくらい便利なもっと凄い技術が将来うまれてもおかしくないよね、くらいの感覚だったりとか
Vチューバーさんとかたくさんいるし、VRでゲームできるようになったよね、とか
大災害っていつ起きてもおかしくないよね、その時に宇宙に逃げるって選択肢が身近にあってもおかしくないよね、とかの
少し先をいった現実の中だからかもしれない。
その中でやっぱり人間関係ってこうだよね、気持ちってこうなるよね、若い子って反発するし年寄りは懐古にとらわれるし頭が固い。恋愛するし友情も仲間もあるし自分自身を見つめ直すし。
爽やかさも希望もある作品ばかりでとても心が落ち着く時間が過ごせました。
Posted by ブクログ
思うに短編小説というものは、何を語るか、と同じくらい、何を語らないのか、が大事なのだ。背理法を用いた美しい証明のように、不在の薄闇を重ねて輪郭を描く、その技術が。
この作者はその何を語らないのか、を熟知している。
Posted by ブクログ
なんて言うか、もう、10冊分くらい読んだようなエネルギーを使いましたし、そのくらいの満足感に満ち満ちた読書でありました。
13篇収録。
話それぞれにみんな違ってみんな良い、想像力をフル稼働させないとあっという間に置いてけぼりにされそうな、とにかくひとつひとつの話にギュムッと想像の海が押し固められていて、その寒天状の海を分け入って分け入って、どうにかようやく理解が追いついた時にパァッと視界が開けるような、繰り返してばっかりですが、とにかく密度が高い一冊でありました。
以下、13篇全部の感想を書きたいのですが私の不徳の致すところ、ピックアップして記載致します。
《一筋に伸びる二車線のハイウェイ》…農場で働く21歳の〈アンディ〉は不慮の事故で右腕を喪ってしまう。目が覚めたときには、彼の腕は「ロボットアームで、頭にはインプラントが埋め込まれていた。」(p8)。痛みと発熱に耐えた後に彼が視たのは「自分の腕がハイウェイだという夢」(p13)だった。「アンディは道路になりたがっていた、というか、彼の右腕がなりたがっていた。」(同)のだ。どうです、訳わからんでしょう。そんな「道の手」(p16)と同居することになったアンディが過ごした青春のひととき。
これが出会い頭の一篇目ですよ。
《そしてわれらは暗闇の中》…捉えどころが少ない話。「夢のベビー」(p28ほか)、ひいては「わたしたちのベビー」(p36)を追い求めて海岸へ集まって来て「岩の上の子供たち」(p33)を見つめる人々。マスコミなどの好奇の目に晒されても飢えても屈せず、ただただ海の向こうに目をやる人々。〈わたし〉を含めたこれらの人々は、おそらく同性愛者のカップルであったり不妊に悩む夫婦であったり、何らかの事情で子宝と縁が結べないでいる人達であろうと推察できる。子どもを持ちたくても叶わない、そんな遣り場のない懊悩はまさしく闇の向こうを睨むかのよう。他者からすれば「集団幻覚」(p36)と映るかもしれないが、当事者からすればとにかく必死で懸命で、雑音に耳を傾けているゆとりなどない。
《深淵をあとに歓喜して》…老夫婦のあゆみと、増築だらけのツリーハウスが垣間見せる家族の断景。建築家として大成する事を志した夫が若かりし頃に子ども達の為にこさえた「蛍のようにちらちらと光る」(p148)ツリーハウスはまさに老いと共に薄れゆく記憶の象徴、そして諦めざるを得なかった夢を標する灯台のよう。夫が軍に属していた頃に設計した建物は人々が生き生きと暮らす街並みではなく、人を押し込めて望みを奪い去る「刑務所みたいなもの」(p145)だった。以来、固まってしまった夫の心をほぐしたのは妻が重ねた手だった。
《イッカク》…個人的に一番好きな話。疾走感と不思議。「クジラのシルバーブルーのボディはファイバーグラスのようだった。ステーションワゴンのシャーシに載っているらしく、幅広な後部から尾が弧を描いてはね上がっている。」(p331)とある通り、例えとかでなく本当にクジラの見た目の車に乗った、ヨガインストラクター風の女〈ダリア〉に助手として雇われたわたし〈リネット〉。女ふたりの奇妙な旅は目的もよくわからないまま、寂れた小さな町へ辿り着く。その町の博物館に展示されているジオラマにはなんとあのクジラの車が…!全体的に気怠い感じが漂いつつもどこかコミカルな一篇。ボタンを押したら車からツノが生えてきてイッカクになるシーンは笑っちゃった。読み返せどよくわからん、妙ちきりんな話。「事件」とはなんなのか。
拡がるイマジネーションの中へ。
これ以上難解だといよいよもって疲労と不完全燃焼感しか残らない気がするので、心地よい塩梅の作品集でしたね。
3刷
2024.10.24
Posted by ブクログ
好きなYouTuberさんが「海外SF」として紹介していて、表紙も素敵だったので読んでみた。
作者がまさかのシンガーソングライター。音楽の話が多数あって嬉しかった。ラッキー。
1話目はなんだか気持ち悪かったけど、2話目からは大体ずっと好きな世界観だった。
そしてわれらは暗闇の中
記憶が戻る日
いずれすべては海の中に
深淵をあとに歓喜して
孤独な船乗りはだれ一人
風はさまよう
オープン・ロードの聖母様
イッカク
そして(Nマイナス1)人しかいなくなった
が良かった。(ね、本当に大体全部でしょ。)
すごく引き込まれて「で、どうなるの?どうなるの?」と思いながら最後まで読むと、これといって明確なオチがなくて、「…それで?」みたいな作品が多い印象。しかしそういう余白のあるラストは好みだし、そもそもラストまで引き込んでる時点で面白い。
最後の「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」も犯人わからずじまいで終わるのかと思いきや、判明したのでスッキリした。
昔、奥田民生がインタビューで
「人生に分岐点がとか言うじゃないですか、あのときああしてればとか、いまこっちとこっちがあってどうしようかなとか。絶対どっちでもいいと思うんですよ、その人はどっちいっても同じだったと思うんですよ。」
「『どっちの料理ショー』ぐらいのもんなのよ、人生も。あれこれ考えてるけど、なんかおもしろいことがあったときは、そのことを忘れて楽しいわけじゃないですか。だからたいしたことない、そんなことで忘れるぐらいだからたいしたことない料理ショーなわけですよ。」
と言っていて、励まされたのを覚えている。
が、この話はこの発言を覆すものではないだろうか笑
でも、この話の馬の件みたいに、あの時自分がしなかった選択をした別の自分がちゃんといるのなら、それはそれでまぁいいか、と考えることもできる。
考えもしなかったことを考えるきっかけになるよね、SFって。
そして本当、よく思いつくよね、設定。尊敬だわ。
根っからの音楽ファンなので音楽系の話は特に好き。「オープン・ロードの聖母様」はライブ行きたくなった。
「イッカク」誰か映像化してくんないかな。いいロードムービーになりそう。
Posted by ブクログ
13編の短編が収められている。うち3編はやや長め。
ほとんどがSF的な設定となっているが、SFを全面に押し出すのではなく、SF的世界の中における人間の感情や生き方が描かれているという感じ。
丁寧に静かな文体で書かれていてじっくりと浸りながら読める。
特に後半の4編はそれなりの長さがあることもありテーマに深みのある力作でとてもよかった。
1. 一筋に伸びる二車線のハイウェイ
事故で腕を失い機械義手をつけるが内部のチップに使われているソフトウェアがコロラドのハイウェイで使われていたもののリサイクルだったため、自分の腕がハイウェイと一体化したように感じる。手術でチップを交換するが、ハイウェイの記憶は残っている。(19ページ)
2. そしてわれらは暗闇の中
自分には子供がいて育てたことがあるという夢をみる。夢の中の子供はいなくなるが現実に海から現れる。同じような夢を多くの人が共有している。子供たちは海で泳ぎ回っている。(現実に現れたこの子供たちは何だ?)(14ページ)
3. 記憶が戻る日(リメンバリー・デイ)
退役軍人たちは〈ベール〉によって強制的に戦争の記憶を隠されている。世界中の退役軍人なのでよほど大きい戦争だったのだろう。(もしかしたら地球外からの襲来かもしれない)年に一日だけ〈ベール〉が外され、退役軍人たちはパレードの後、〈ベール〉を継続するかどうかの投票をする。そして毎年大差で〈ベール〉を残すことになる。戦争に参加していない人々は戦争のことや軍人だった家族のことがよく分からないまま。(13ページ)
4. いずへすべては海の中に
何かわからないがおそらく地球規模の大災害が起きて、陸地は海に沈みつつあり、人が住めるエリアが減りつつあるらしい。大型船に避難してクルージングしながら生活している人々もいる。そんな船にエンターテイナーとして乗り込むことができたロックスターが、船上の人々に嫌気がさして小型ボートで逃げ出し、遭難したところを、ある女性に救助される。女性は行方不明になった妻を探しながら世捨て人のような生活をしていた。話の筋には関係なさそうだが、ジェンダーの問題が自然に含まれている。(34ページ)
5. 彼女の低いハム音
The Low Hum of Her
ナチスの迫害から逃げるユダヤ人を思わせる家族。祖母はすでに亡くなっているが父がアンドロイドのような祖母をこしらえ、主人公は当初拒否反応を示すが、次第に心を通い合わせていく。未来にも人種差別や迫害はなくならないという暗示だろうか。(12ページ)
6. 死者との対話
Talking with Dead People
殺人事件が起こった家の模型を作り、被害者やその周辺のネット情報を学習させたAIとそれを接続することで、家に話しかけることで被害者自身が事件の真相を語り始める装置ができた。解決する事件もあり、ビジネスは大成功した。しかし、何でも暴きたがる経営者と暴かれるべきではないものとの線引きを弁えている製作者の間に亀裂が生じた。模型は必要なのかという疑問は残る。AIとプライバシーの倫理に関する問題。(21ページ)
7. 時間流民のためのシュウェル・ホーム
The Sewell Home for the Temporally Displaced
最初はリモートビデオ通話をしているのかと思った。次に過去や未来が見えるヘッドセットか何かをしているのかと思った。実は時間の感覚を失うような病のようなものらしい。今が過去か未来か今か分からないし、過去が見えたりする。今起こってることがこれから起こるような気がする。ちょっと想像できない感覚。(5ページ)
8. 深淵をあとに歓喜して
In Joy, Knowing the Abyss Behind
脳梗塞の発作を起こして反応できなくなってからも手だけは無意識に動いて図面を描こうとする。それは誰かを閉じ込める目的で夫がかつて書かされた建物の図面。「軍」「国家の安全」などのキーワードから地球外からの訪問者がいるのではないかと想像されるが詳しくは書かれない。もちろん夫が明かさなかったからである。SF的な世界設定の中で、それに直接触れることのない人々の普通の営みが描かれている。
この話にもこそっとジェンダーが盛り込まれている。(35ページ)
9. 孤独な船乗りは誰一人
No Lonely Seafarer
SFではないがファンタージ要素を含む作品。入江から外海に船を出そうとする船乗りは皆セイレーンの歌を聴いて海に飛び込むかして死んでしまう。子どもなら大丈夫だろうと船長に連れられて船に乗った少年は実は両性具有であった。少年はセイレーンの歌に自らの歌を返しセイレーンに勝利する。んー、よくわからなかった。(27ページ)
10. 風はさまよう
Wind Will Rove
文化の継承と断絶の話。地球を離れた宇宙船の中ですでに4世代目を迎えている。1世代目もまだ残っている。初期にブラックアウトという事故(事件)が起きて、地球から持ってきた音楽、文学、芸術、歴史など文化に関するデータがすべて消えてしまった。覚えている人が物語を再現し、音楽は毎週演奏会を開くことで演奏者のタッチを継承しようとしている。しかし、新たな惑星で新しい人生を切り開くことを目指す若い世代たちは、過去の地球の歴史には価値を見出していない。断絶が起きようとしている。(62ページ)
11. オープン・ロードの聖母様
Our Lady of the Open Road
自動運転車やモビル通信網は発達している一方で公共交通や産業が破綻している社会。人々は自宅で過ごすか自動運転車で点から点へ移動することがほとんどになっている感じ。当然リアルなコンサートはあまり開催されず、自宅や酒場でホログラムコンサートを鑑賞することが主流になっている。そんな中、手動運転によるバンでツアーをしながら各地で小さなライブを行うことにこだわるバンドの話。少数だがちゃんと観客もついている。トラブルだらけだが意地でもリアルなライブにこだわる。(59ページ)
12. イッカク
The Narwhal
なぜかクジラの形をしたトラックに乗って旅をすることになる。田舎町を走るただのロードノベルか?と思って読んでいると後半に意外なSF的展開が待ち受けている。ある田舎町の映画館が何らかのモンスターに襲われたときにこのクジラ型トラックが空を飛んでモンスターを撃退したらしい。改めて読み直すと序盤で有人が読んでいる新聞の一面にはヒーローがニューヨークを救ったような見出しが書かれている。そう、これはスーパーヒーローとモンスターがいる世界の話し。そしてこの物語は、映画化されたような事件の裏で起こっていた、スポットライトが当たらなかった事件の物語。(33ページ)
13. そして(Nマイナス1)人しかいなくなった
And Then There Were (N - One)
並行世界にいる自分の一人が並行世界を行き来するドアを発見し、たくさんの自分を呼び寄せてパーティを開催する。しかし発見者の世界では大きな災害が起こっていて、災害が起こっていない別の世界の自分を殺して入れ替わろうとする。パーティに招待された主人公はすべてを知る立場となり、発見者を告発するか見逃すか悩む。(79ページ)
Posted by ブクログ
朝焼けを迎える宙なのか、それとも夕暮れに向かう海なのか、淡い彩色の装丁に包まれた物語の世界に浸ると空気の組成が少し変わり始める。忍び込んだ異質な空気が肺を満たすとき、追憶の中の未来- 辿り着くことのない、いつかどこか ーがゆらゆらと立ちのぼってくる。
それは旅先で目にした知らないはずの風景に感じる懐かしさと、それと同時に決してその風景に含まれることはない哀しみにも似て、心をさざなみが通り過ぎていく。
失われたものへの哀惜と失ったものを語るときの優しさが、“今”を生きる真っ直ぐな力強さと溶け合って余韻を残す、美しい作品が集められた短編集だった。
『一筋に伸びる二車線のハイウェイ』
オートメーション化された大規模農場の傍らでオールドスタイルな農園を営むアンディは農機具の事故で片腕を失う。義手として最新鋭のロボットアームが取り付けられたのち、腕は、自分は遥か遠くコロラドに伸びる全長九十七キロのアスファルト道だと訴えてくる。
テクノロジーとアイデンティティの危機という古くからのモチーフを用いながら、ここでは生物/機械という断絶を超えて、アンディが夢見る腕に共感していく様子が描かれている。
道はー腕はー目的地を目指して移動する車を見送りながら、同じ場所に留まり続けている。山までずっと見通せるが辿り着かないハイウェイであることに満足している。
アンディもまた、恋人が大学へ行くのを見送り、故郷の小さな町の農場で暮らすことを選択する人間だ。結局のところアンディと道は、存在こそ違え似た魂を持っているのだ。
アンディが恋人のために入れたタトゥーの文字を書き換えるシーンが好きだ。
『オープン・ロードの聖母様』
オンボロバンでツアーを回る中年の女性パンクロッカー。時代が変わっても気骨と信念で吠える。ライブシーンの熱さ!
“私たちは音楽だ。進みつづける“ 最高。
Posted by ブクログ
普段あんまりSFは読まないんだけど、これはかなり好き。最初の「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」から、突然の事故で付けることになったハイテク義手が「自分は道路だ」と脳内で主張してくる…という突拍子もない調子で始まり面白いし、オチが秀逸。
「深淵をあとに歓喜して」の老夫婦の看取りの話も良かったし、「風はさまよう」の、人間と地球が何のかかわりもなくなったら、歴史とは、音楽とはいったいどういうもので、何の意味を持つのか、という重い問いかけに突っ込んでいくのもすごかった。それぞれの短編で設定は全部違うし今の現実とは乖離しているけど、出てくる人間の感情や行動に手でさわれるようなリアリティがあるから面白くなるんだろうな、と思う。この人の作品をもっと読みたくなる。
Posted by ブクログ
表題作である「いずれすべては海の中に」とラストの「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」が面白かった。
物語の最後、帰結もしくは続き、を読者に委ねがちな作風は好みが分かれる。
Posted by ブクログ
不思議で少し不気味な世界観に引き込まれながら、人間の弱さや孤独について考えさせらる一冊。短編集ではあるが読み終えるのに結構時間がかかりました。
Posted by ブクログ
好きだったのは
『いずれすべては海の中に』
『深淵をあとに歓喜して』
『風はさまよう』
『オープンロードの聖母様』
『イッカク』
どれもキラキラした状態でなく、どことなく不安定でざらりとしていて、でも、頭の中で焼きついて離れない、そんな物語が好き。
Posted by ブクログ
サラ・ピンスカー初読。SFは何かと壮大な世界設定なものが多いが、人の生活の営みから離れず、人の内面から逃げず向き合う姿勢を感じ取る事ができた。SFと聞いて二の足を踏む人に読んでもらいたい。
Posted by ブクログ
サラ・ピンスカーの短編・中編、全13編。これはジャケ買いしました〜
寝る前に少しずつ読んでいたのですが、起きると「…はて?…」となってほぼ毎回読み返してました。
全体的に淡々としていて、すごく突飛な事もあるんだけどそれも含めてやっぱり静かに進んでいくというか。どれもゆっくり旅をしてるみたいな…その世界がどんなふうなのかを探り探り読んだのが、寝る前にピッタリだったかも。
…と思いきや、最後に「そして(nマイナス1)人しかいなくなった」は、ここへきて急に目がバッチリ覚めるようなミステリ。すごいこと思いつくなぁ、この状況だからこその犯人の動機には妙に納得。
著者がミュージシャンでもあるそうで、音楽がからんでいる物語が多かったのもいいですね。
お気に入りは「一筋に伸びる二車線のハイウェイ」「いずれすべては海の中に」「風はさまよう」「イッカク」(コレ大好き)そしてなんといっても「そして(nマイナス1)人しかいなくなった」です。
Posted by ブクログ
フィリップ・K・ディック賞受賞作。SFは作者によって設定や世界観が似かよってくるように思うのだけれど、サラ・ピンスカーはとにかく引き出しが多い!一篇一篇の設定がフレッシュで、また一篇の世界観が浮かび上がってくるのに時間をかけるのがすごい。
表題作は「いずれすべては海の中に沈むことについて、けれどいくつかのものがまた這い上がってきて、新しいものに変わることについて。」という一文で終わる。多彩な世界を展開しながらも、この短篇集全体には、この一文が通底しているように感じられるのがすばらしかった。あと、作者が絶対に音楽を愛する人だとわかるのもとても好ましい。
Posted by ブクログ
★3.8
主に女性が主人公
やさしい雰囲気のSF短編集
というか SFなんだけどもSF的な要素はあくまでもギミックというかスパイスというかエッセンスというかでそれをベースにした物語なんだけども書きたいのはやはり「人」なんだなと
池澤春菜の紹介で知ったけれど 彼女の初短編集を先に読んでたせいか かなり影響受けてるんじゃないかな? と思った
文章のあちこちに、女性性や母性のようなものを感じるのだが、それは俺が男性だからだろうか?また翻訳で読んでいるので訳者がそういうところを意識した言葉を使っているのかもしれない。英語で読むとどういう風に感じられるんだろう。
Posted by ブクログ
繊細で不思議な物語。
本屋で表紙の美しさに目を惹かれて購入。13編の中短編が収めらています。
ひとつひとつの話はおもしろいですが、新たな話に移るたびに、時代背景や状況を理解するのにちょっと苦労します。
SF的なギミックやアイデアよりも、登場人物たちの心の機微の描き方がとても良くてそこに感動します。
説明が難しいですが、どの短編も共通して物哀しいトーンをまとってはいるけれど、ラストは希望を感じさせる作りになっています。
統一感のあるアルバムを聴いたような読後感。
翻訳文も、登場人物の口調など違和感なく表現していて読みやすいと感じました。
装丁が非常に綺麗なんで、ぜひ紙の本で手に入れてほしいですね。
Posted by ブクログ
パケ買いしました。
普段SFを読まないので、頭の中の使っていない部分を刺激されるような感じがして面白かったです。
短編集なので星新一を想定していましたが、美しいどんでん返しを食らうというより、ここではないどこかへと誘われて暮らすような感覚になりました。
Posted by ブクログ
宇宙に旅立ち、持っていった人類の文明のデータが消えた後の世界、船内で音楽を演奏するグループに参加している女性の話が特に良かった。
過去の名曲を再現しようとしても過去の作品全ては拾えない。
今同じ時間に存在しているものにも思いを馳せたり、これから新たに作り出すことに勇気をもらえる話だった。
「風はさまよう」の他
クジラを運転して旅する「イッカク」
多元宇宙のサラ・ピンスカーが集うサラコンで起きた殺人事件「そして(Nマイナス1)人しかいなくなった」
夫婦間の謎を妻が理解し進む「新縁をあとに歓喜して」などが良かった。
寝る前に少しずつ細切れに読むと、数日後に話の内容が追えなくなり、何度も止まった…理解力の無さです…いくつか、また読みかえします。
Posted by ブクログ
原題 SOONER OR LATER EVERYTHING
FALLS INYO THE SEA
13の物語
静かな世界たちが入れ替わって浮かび上がってくる。
読み終えた世界は心の奥にしまうと同時に海の中へ戻っていく。
またね
Posted by ブクログ
作家でもありミュージシャンでもある彼女が描く
喪失と希望の11の短・中編集
ぼーっと読んでると、この美しい装画のように
広大な海に沈んでいく感覚
何かを掴むと、その文字の海を見渡せ
美しい世界を味わえる感覚
僕?僕は半分溺れかけてました笑
でも全て楽しめたし、世界観が好きだった!
↓特に気に入ったのをいくつか↓
【一筋に伸びる二車線のハイウェイ】
事故で自分の腕を無くして機械の腕をつけた話
何故か自分の腕が田舎のハイウェイな気がする
どうやらその感覚は腕に埋められた
チップからくる感覚のようで、
調べたらそのチップは
昔田舎のハイウェイの制御チップだったらしい
なんとなく、『シティーハンター』の続編の
『エンジェル・ハート』を思い出した
【風はさまよう】
地球を離れ、まだ見ぬ惑星を目指して
恒星間を航行する世代船の話
ある事件により地球の文化・歴史・芸術
・文学・音楽などのデータが全て消える
航行や生命維持、医療、種子・遺伝子バンク
などの重要システムは残ったが、
地球との通信も断たれ文化の記録は失われた
人々は自分たちの記憶だけを頼りに、
失われたものを復元しようとする
ただしそれは当然オリジナルではなく、
不完全な再構成にすぎない
それでも「大切な地球の記録を次世代に繋ごう」
とする派と、
「偽の記録にこだわるのはやめて、
船の中で新しい歴史を紡いでいこう」
とする派で対立が起きる
特に船で生まれた若い世代ほど、
地球の過去に意味を見いだせず反発を強める
主人公は、その中間で葛藤する
テーマが凄く良かった
【そして(Nマイナス1)しかいなくなった】
たくさんのサラ・ピンスカー(本人)が出てくる
クローズド・サークルもの
アガサ・クリスティの超有名タイトルからよね?笑
集まったサラ・ピンスカーの一人が殺される
大勢のサラ・ピンスカーの中から
サラ・ピンスカーが犯人探しをする話(カオス)
サラ・ピンスカー達は、過去に汎ゆる選択肢を
それぞれが選んできたものたち
いわゆるマルチバースとでもいうのかな?
犯人捜しと同時に過去との対話のようにも見えて
楽しめた
Posted by ブクログ
短編集なので途中まで読んで長らく放置してしまっていた……普段読まない趣向の作品だったので新鮮だった!
ただ個人的にはすっきりした後味というかはっきりした結末が好きなので、好みの味付けではなかったなという印象。『そして(Nマイナス1)人しかいなくなった』での話は特に、あり得たかもしれない己の人生だからこそという部分は分かるけど、『他人』に変わりはないし勝手に奪ってええんかと思ってしまうんだよな……。彼女も己だと言うのなら対話で解決せえよと思ってしまう…DJを殺さずとも死を偽造するなりして入れ替わることはできなんじゃないの……?
もやっとする登場人物も多くて行動や考え方に納得できなかった……全ての物事が理解できわけなんてないしそれが人の世の常であるとは分かってるんだけどね〜。歴史を学ぶ意味なんて、過去の過ちは何だったか、どうしたらよかったのか、それを考える権利と義務と使命以外ないと思うんだけどな……。
好きだった話は『記憶が戻る日』『彼女の低いハム音』『深淵を後に歓喜して』『オープンロードの聖母様』かな。悲しいけど明確に前を向く姿勢が分かるから
Posted by ブクログ
海外SF文学の短編集
13編の内2編 断念した
①一筋に伸びる二車線のハイウェイ
素直に面白かった、そんなオチが待ってたんだと。右手がロボットになりいろいろな信号が右手から伝わる技術が備わってる。しかしどうやらそのロボットチップはコロラドの道路で使われたチップのリサイクルぽいのだ。新しいチップに取り替えた後、道路の記憶もなくなり過去の苦味も消そうと思い切るのだ。
②そしてわれらは暗闇の中
よく分かんなかったけど、たぶん子どもが欲しい百合の方の話。一人が幻覚と夢との境目がない状態になり子どもに会いに行く、信じるものは救われないそんなSFだった。
③記憶が戻る日
終戦記念日なのだろう父も母も軍人であり母と共に娘とおばあちゃんと迎える。父のことが知りたく話を聞くのだがあまり話してくれず。
④いずれすべては海の中に
少しデストピア感ある世界。漂流したロックスターを助けるベイ。言葉は分かるがほぼ無人島のような場所。ギャビーは街を探すが橋が壊れてて2人は引き返す。ただそれだけの短編だが鮮明された文と2人が親しくなってくのがよかった。
⑤彼女の低いハム音
おばあちゃんが亡くなり父がおばあちゃんバビーのロボを作る。娘のタニアはそんな新しいバビーと時間を共にする。最初はどう接したらいいか迷い彼女の機械の低い音がタニアを安心にさせる。機械がどこまでの感じか分からないが嬉しそうだとタニアが感じるシーンが温かく感じれる。
⑥死者との対話
わたし(グウェン)とイライザのビジネス。未解決事件が行われた場所の模型を作り当事者の声にAIを用いて顧客に売る。顧客はそれを用いて解決したいがために買う。イライザがグウェンの過去を模型し傷が生まれていく。
⑦時間流民のためのシュウェル•ホーム
わたし(マーガレット)とジュディの闘病。ジュディが見てるものは過去のわたしであり、会うのが楽しみらしい、ショートショートでよく分からなかった。
⑧深淵をあとに歓喜して
SFかと言われれば違うかもしれないがとても力強さを感じる物語だった。
わたし(ミリー)と夫のジョージ。ジョージが脳梗塞になり昔の記憶と共に物語が進む。軍人の建築家だった彼の趣味イラストからロマンスが広がっていく。柔らかいジョークが読んでいて気持ちがよかった。その紙はあなたのことが好きみたいだ差し上げたほうがいいかもや、一瞬を瓶詰めにしてとっておけるならのところなど。物語はその軍人だったころの設計が仮でなく実際に作られどのように活用されていたのかをジョージは知りショックを受けずっとひとりで抱え込んでしまう。そのことをミリーが今になって知り、重荷を溶かしてラストに繋がっていった。
⑨孤独な船乗りはだれ一人
セイレーンと呼ばれる未知の生物が船乗りを悩まし外航を封鎖している。ぼく(アレックス)は男でも女でもない。捨てられた身だったが自分には帰る場所があるとセイレーンに勝って気づく双子や馬たちが待ってるのだと。
⑩風はさまよう
途中で断念。たぶん大きな宇宙船で遥か昔(2世代以上)に地球をたった物語なのだろう、学校の先生でたまにやる演奏会みたいなのが楽しみ? 何の話か分からん
11オープン•ロードの聖母様
廃れた世界、人気パンクバンドのルース シルヴァとジャッキー お店の一角で演奏し昔ながらのザ貧乏旅をしている。携帯を持たず、自動運転じゃない大きなバンの車で旅しててその走行距離がキリ番のマイルになったことで祝い それをバンに捧げる曲がこの章。昔ながらのリアルに演奏することを生き甲斐としてたが今では簡単にライブ映像を届けれる その方向へと葛藤したりする。それは車を盗まれ機材もなくなったからだ。しかしルース達は今まで通り生演奏がしたく旅を続けることを決める。
12イッカク
車を運転して運ぶ仕事の依頼。運ぶ車はクジラ。リネットは街を出たことなく途中の名所のドラゴンがコインを入れるのを待ってるはずとかわいいエピソードが途中にある。なぜか車に角が生えイッカクになる。その依頼主の母の車が途中の街でジオラマとして見つける。過去にそこでなにがあったのか母は何者だったのか謎のまま終わる。ラストに旅行好きなリネットが観光できた喜びで締めくくられる。
13そして(nマイナス1)人しかいなくなった
サラピンスカーがいろんな世界線から集まるイベント。年齢住む場所が違ったり一緒だったり犬のいない世界だったり。宴会予定上でどこかのサラが殺される。探偵役の本人が事件を探る。ここから先は何書いてあるか分からず断念。
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・一筋に伸びる二車線のハイウェイ
腕を失ったアンディの右腕はロボットアームで道路になりたがった。不思議で切なくて、面白すぎた。すき。
・そしてわれらは暗闇の中
子どもがいてほしい人たちの集団幻覚。報われない気持ち。
・記憶が戻る日
一日だけ戻る記憶。切ないけど、希望もある。
・いずれすべては海の中に
わからない!二回読んだけど入ってこない。
・そして(Nマイナス1)人しかいなくなった
長い。設定が気になって読みたかったけど、私の好みじゃなかったのか?
残りはいつかまた。
Posted by ブクログ
気に入った話(特に☆)
一筋に伸びる二車線のハイウェイ
彼女の低いハム音
☆風はさまよう
☆ オープン・ロードの聖母様
最後の話は、好評のコメントが多かったので期待してたが全くハマらなかった。読まなくても良かったレベル…
Posted by ブクログ
独特な世界観に独特な哲学だな〜と感じましたが
独特に感じるのは翻訳されてるせいか、生活文化の違いなのかもしれません。特異な状況環境の人々がそこで何を思うのか、不思議なお話でした。
Posted by ブクログ
2025/01/02
変なお話てんこ盛り。奇想SFとはまたちょっと違う。間違いないのは、ああやっぱりミュージシャンだなあという感覚。スッキリはしないがじんわりする読後感。
Posted by ブクログ
綺麗な装丁に惹かれて購入。
ひとつひとつのお話が短編とは思えないほど濃く、深く入り込んでしまうがゆえに読み終わったときには海面から顔を出すように「ぷはっ」と息継ぎが必要だった。読後感は、その広大な海の冒険から帰還したような気分で清々しくもちょっと寂しくなるくらいどの作品も印象深い。
個人的に好きなのは
「死者との対話」
「そして(n-1)人しかいなくなった」
作者がミュージシャンでもあるから音楽に関わる話が多かった。
難解なものもあり、ちょこちょこ別日に分けて読むと全く着いていけなくて最初から読み直すこともしばしば。これは一気読みしたほうがよいと思った。ただ作者の豊かな想像力を味わえて楽しかった。
Posted by ブクログ
個人的に好きなのは「記憶が戻る日」「死者との対話」
読み終わってから改めてそれぞれの作品を見ると風景がブワッと浮かび上がってきてくれるような感覚がして
どれも自分にとって面白い作品だったとはっきり言える本
普段本を読まなかったりこういう不思議な世界観っぽいのを説明もされずに飛び込めるタイプじゃないとちょっと読むのは難航しそうかな
Posted by ブクログ
本作は短編集だが、まずは収録作全般から受けた印象について述べる。
総じて、特殊な状況が前提として存在し、語り手は自明のこととして多くを語らないために、ぼんやりとして、歪んだレンズを通じて、その特殊性を掴み取ろうとするような読み方になる作品が多かった。すっと状況が飲み込める作品は少なく、読者の側から歩み寄る必要がある。
また、百合(女性の女性に対する感情を扱った作品)として読めるものも、少なくない。
そこと絡めて、描きたい感情が主題としてあって、それを描いた後の、ストーリー的な帰結にはあまり興味がないように思われた。いわゆる、エピローグに当たる部分まで描くことなく、幕を引く作品の多い印象を受けた。
特に冒頭に収録された作品は、小洒落た言葉遊びが多く、それを翻訳でもどうにか残そうとしているように思われた。そうでない部分でも、言葉選びのセンスの良さは随所で感じることができた。
「深淵をあとに歓喜して」が最も好みだった。
コメントにて、それぞれの作品の感想を、簡単に記したいと思う。