あらすじ
大学院生ザカリーが図書館で出会った、著者名の記されていない本。そこには誰も知るはずのない、彼の少年時代の不思議な体験が記されていた。本の秘密を追う彼は謎の男に導かれて魔法の扉をくぐり、どことも知れない地下に広がる〈星のない海〉の岸辺にある、物語で満ちた迷宮にたどりつく……めくるめく物語の魅力を巡る傑作本格ファンタジー。/解説=川野芽生
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Posted by ブクログ
詩的で美しい文章のファンタジー。
ストーリーはそれなりに深刻な状況を語るのにどこか昔話的。
物語がタペストリーのように模様を描いていて、読んでいると別世界に行ったような気持ちになれる。
読み終わってみて、物語というものの怖さみたいなものが透けて見える感じがする。語られ、広まり、さまざまなものの下地になるような物語は、それそのものとして力を持ってしまうような気がする。語り手の意図を離れて、もっと大きな力となってしまうのだ。その力がつくる世界は必ずしも幸福だろうか? 私は頷けない。
Posted by ブクログ
わけわからず始まってわけわからず終わっていった。
放心して笑いが込み上げてきて満足のため息で落ち着く感じ。
ものすごいハイファンタジー(と言えるかは現実とも繋がってるから微妙だけどぶっ飛んではいる)の世界を覗き込んだ感じ。
誰か大金注ぎ込んで映像化してくれ頼む。
絶対ものすごい物になると思う。
しばらく余韻がすごいけど、読むの大変だったから再読はしんどいな笑
Posted by ブクログ
物語はあらゆるものの中に息づいていて、それは私たちのすぐそばにある。
素敵な物語でした。
物語の中に物語が展開されているような入れ子構造で、すべての物語が詩的、幻想的で、やがてひとつの大きな物語に収束していき、そこからまた新たな物語を予感させる。
主人公のザカリーが同性愛者であることも自然に表現され、それが悩みの種として物語を阻害していないところも素敵でした。
悪夢を書いた紙で折った星
物語が詰まった瓶
耳元で物語を囁くストーリーテラー
物語味のキャンディ
星のない海
蜂蜜
紡がれる言葉や物語のすべてが美しく、頭の中に浮かぶ情景に酔いしれ、ずっと読み続けていたい物語でした。
Posted by ブクログ
構成が独特で、都度都度別の話が挿入される。この挿入話も様々な、重要な伏線を持っている。初めての構成で少し読みにくいけれども、こういうの結構好き。頻繁に出てくる「蜂蜜」と「蜜蜂」が若干字面的に読みにくいのが玉に瑕かも。
構成もあってなかなかに難解で、伏線は多分一度で全部把握はできない。何回も読み返したくなる本だと思う。
ファンタジーとしても少し変わっていて、一度異世界(?)へ行くチャンスを掴みそこねたところから始まる。そして、そのファンタジー世界も全盛期ではなく、既に寂れた忘れ去られつつあるものになっていて、少しもの悲しい。例えるならハリポタ世界に来た!と思ったらホグワーツはほぼ廃墟だった、みたいな…?
ちょっと恋愛要素もある。終わりごろにえ!なんか伏線あったっけ!?っていう感じで。
ここ数年の一番のヒット。買います。
Posted by ブクログ
本筋の合間合間に入ってくる無関係と思われる数多くの短い物語が、最終的に全部繋がってくるのがなかなかよかった。
非常に物語的な楽しみに満ちていて、著者の物語好きが伝わってくる。
Posted by ブクログ
印象的でアリスのような
現代のゲームとニューヨークとちょうど混ざった
分からなくてミステリアスで魅力的で先がどうなるかどうしても読んでしまう
いろんなイメージの集大成みたいで綺麗だった
終盤には最後こうなると先が読めたような?
Posted by ブクログ
この方の「夜のサーカス」は大大大大大好きなんだけど、これはちょっと読むの疲れちゃったなあ
後半はもうベッタベタのヌッタヌタで想像したら普通にテンション下がっちゃった、プーさんくらいでしょ嬉しがるの
とはいえ合間合間に挟まるお伽噺はやはり魅力的なので、短編集とか出して欲しいなあ