西尾維新のレビュー一覧
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購入済み
乾いた残虐さ
西尾維新のコミカライズである。普通 コミカライズの欠点として長台詞や長い説明文が挙げられるのだが、西尾維新の原作の独特の言い回しがこのコミカライズ版にも出ていてそれが逆に魅力になっている。ストーリー展開は乾いた残虐さが溢れているが、私には不快感は感じられない。他の作品のように中途半端なヒューマニズムがないところが反って良い。絵柄は同じ西尾維新のコミカライズである化物語のような繊細さ妖艶さはないがシンプルで読みやすい。
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Posted by ブクログ
“掟上今日子”シリーズの主人公は毎回変わる。真面目で気弱で、こんなはずじゃなかったのに事件に巻き込まれ、忘却探偵・今日子さんに頼ることになってしまう主人公。神木隆之介みたいな風貌を想像しながら読んでいたけれど、今日子さんの踏み台になってもびくともしないぐらいガタイのいい青年なのですね(笑)。
驚くような事件は起こらず、何か凄い謎解きがあるわけでもない。なのに彼らのやりとりにしばしばクスッと笑わされ、最後の頁をめくり終えたときには「私はやっぱり本を読むのが好きだ」と思えるのです。
「記憶は忘れますが、ゆえに初心を忘れない」という今日子さんの台詞が好きです。次に巻き込まれるのは誰ですか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ全3編。全部つながっている作品で
あるみょうちくりんなパトロン男(?)に起きる
奇妙な事件が出てきます。
犯人も疑える要素が1択しかないので
どうしてそうなったかを読み進める形となります。
なんというか、突き抜けたものの悲しみを
感じる結果となりました。
なぜパトロン男が途方もない不自然な行為を取ったかは
終盤に明らかになってきます。
ただ、これは新鮮なものではなくて
案外ニュースでも時折取り上げられるものが
扱われています。
今回、今日子さんのそばにいる人間は
いつもの人ではないです。
どうこれから彼らが関係していくのやら。 -
Posted by ブクログ
センシティブな題材だけど、読み終わったら、いつもの西尾維新で安心した。
エンタメ性の高い、テンポがいい展開でした。
登場人物たちは、相変わらずちょっと変わってて、個性がすごい。
変わった妊婦たち、現実には居ないような妊婦たち。
こんなエンタメ作品、現実じゃありえないし、こんな妊婦達も存在しない。
でも、読み終わったら、何故か妊婦や妊娠について、考えてしまう。
本当に、こんな妊婦居ないよね?
各々、読んだ人は何かしら、妊婦やら妊娠やらについて考える時間ができるんじゃないかなーと思う。
直接的な問題提起でないから、考えちゃう感じ、本当に好きです。