平岡敦のレビュー一覧
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ホームズとおおよそ同時代の1907年に発表されたフランス古典ミステリ。
舞台はフランスの田舎、物理学科学者のスタンガルソン教授とその娘マティルドの住むグランディエ城。窓も扉も内側から完全に施錠された密室「黄色い部屋」の中でマティルド嬢が何者かに襲われる。犯人の行方は不明。実行不可能と思われる事件の謎を、18歳の新聞記者ルルタビーユとパリ警視庁警部ラルサンが追う。
密室トリックの謎解き自体はまあ当時だとそういうことも可能だったんだろうという感じだけど、ハウダニットで引っ張る推進力がありワクワクする。各登場人物の人間模様が豊かで魅力的。勝手なイメージだけど、何となくフランスっぽい感じがする。本 -
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前半は会話劇のような雰囲気。物語の全体像を掴むまで読み進めるのに苦労したが、中盤以降は状況が見えてきて、派手な演出も相まって映像が目に浮かびぐいぐい引き込まれた。
カリオストロ伯爵夫人の妖艶な魅力と残酷な素顔に私も翻弄された。
最後にラウールと夫人が対峙しているシーンは、いくら周到に手を回したとは言え、夫人の手下が来るのではとどきどきしながらラウールの推理を読んだ。
エピローグが何とも切ない。
でもきっと当時リアルタイムで楽しんだ人たちは、この先の展開を既出エピソードも含めてあれこれ考えてきっとわくわくしたに違いない。
私もまだ読んでないエピソードが楽しみになった。 -
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ネタバレドラマをフランス語で見ていたがほとんど内容覚えていなかったので、とても面白く読めた。
この作者の作品はいつも薄暗くてドロドロしているので、気分が落ち込んでいる時には読めない作品だか、没頭してしまう面白さがある。
ありそうな話で、結末もゾッとした。
誤った特権階級意識、自分の出自に誇りを持つのは良い事だが、それが人を見下したり自分と人とを比べる尺度になるとおかしくなる。基本人間は平等で、優劣はないはず。でも人の心は弱いから、そんなのでは生きていけず、何かしら人より優れている事を誰かと比較して安心感を得たいもの。人にジャッジされたくない!とか言いながら、人から評価される事は嬉しい。人間はなんと複 -
購入済み
こっちは面白いです
カリオストロの復讐は、お勧めしません。
出来が非常に悪い。本編のように出来がいいのを読んだ後だと特に。
失望します。
コナンドイルや、アレキサンドルディユマに比べると、ルブランさんは歩留まりが悪い。
宮崎ルパンがところどころオマージュしてるのがわかるのと、
ヨーゼフバルサモを女性形にしてヒロインの名前に当てたような感じがします。
若いからところどころ荒削りなとこがありますが、
それはそれで有りな気もします。
お好みで。 -
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ピエール・ルメートル『欲望の大地、果てなき罪 下』ハヤカワ文庫。
長篇連作小説『栄光の時代』シリーズの第1弾。
下巻では、レバノンの首都ベイルートで石鹸工場を営む富豪ベルティ家の恐るべき血に塗られた大罪が次々と明らかになり、驚愕の連続となる。ベルティ家の出来の悪い長男で、欲望のままに密かに殺人を繰り返すジャンが一番の悪人かと思えば……
果てなき罪……
一族が次々と窮地に追い込まれ、大切な物を失う理由も理解出来よう。しかし、一族はただでは転ばない。
パリの劇場で女優のマリ・ランプソンが惨殺された事件を巡り、何故かジャンの妻であるジュヌヴィエーヴが警察にジャンを目撃者の首実験の対象に加 -
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ピエール・ルメートル『欲望の大地、果てなき罪 上』ハヤカワ文庫。
長篇連作小説『栄光の時代』シリーズの第1弾。
まともな人物が1人として居ないベルティ家を中心にベイルート、パリ、インドシナを舞台に混沌とした物語が展開する。ミステリーなのか、サスペンスなのか、歴史小説なのか、上巻を読んだ限りでは判然としないが、興味惹かれるストーリーだった。
1948年、レバノンの首都ベイルートで石鹸工場を営む富豪ベルティ家の長男のジャンは父親のルイから後継ぎとして期待されていたが、何をやっても上手く行かず、ベルティ家の稼業から締め出された挙げ句、郵便局長の娘のジュヌヴィエーヴと結婚し、パリに出奔する。