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Posted by ブクログ
「その女アレックス」が有名なピエール・ルメートル。
他の作品も含めて、日本の出版界にも旋風を巻き起こしたといっていいでしょう。
「アレックス」の2年後のこれがまた、フランスで最高の文学賞である、ゴンクール賞を受賞した作品。
奔流のようにあふれ出る才能を堪能できます☆
第一次大戦中の1918年から話は始まります。
真面目で平凡なアルベールは、上官のプラデル大尉の非道なやり方をたまたま目撃してしまいます。
戦場の混乱に乗じてプラデルに生き埋めにされかかったところを仲間のエドゥアールに助けられますが、エドゥアールはこれで顔を半ば失う大怪我。
裕福な家の出のエドゥアールは変わり果てた姿を見せたくないと家族に連絡を取ることを拒否し、アルベールが面倒を見ることになります。
一方、かっての上官プラデル大尉は、貴族の末裔で、ハンサム。
エドゥアールの実家を訪ね、なんと姉と結婚してしまいます。
しかも、戦死者の鎮魂のための事業で、大儲けしようという。
それを知ったエドゥアールは、復讐を考え‥?
救いのないような状況ですが、話はテンポよくどんどん進み、人生の皮肉をユーモアで包んで、いかにもフランス的なエスプリが溢れんばかり。
天才肌で手に負えない子供だったエドゥアールを親はもてあましていたのですが、戦死したと知らされてから、父性愛に目覚めていくことに。
二人の下宿先の女の子がエドゥアールのために可愛いマスクを考案してくれるところなど、なんとも微笑ましい。
これだけの作品は~なかなか読めないですよね。
面白かったです!
Posted by ブクログ
フランスの作家ですが、日本ではミステリー作家として有名なようです。私は初めて彼の小説を読みました。
あとがきで知ったのですが、題名は第一次世界大戦で敵前逃亡の汚名で、見せしめとして銃殺された兵士が妻に宛てた最期の手紙の中の言葉、とのことです。
著者自身が言うように、戦争で人生を踏みにじまれた若者たちへのオマージュがこの作品の基調にあります。一方で主人公のエドウアール、アルベールによる社会への反抗が結末で達成され、主要な登場人物それぞれの物語が決着を迎えるところ、活劇のクライマックスのような高揚感を感じました。
”どんな問題にも結末は必要だ。それが、人生の定めだろう。耐え難い悲劇だろうと、馬鹿馬鹿しい喜劇だろうと、いつかは決着をつけねばならない。” という一節がとても印象に残りました。
Posted by ブクログ
悲惨な戦争を潜り抜けた戦友たちが主人公となり物語を繰り広げ、そこに戦争を経て肥え太った元兵士も絡んでくる…といった図式から、オールスンの「アルファベット・ハウス」が髣髴された。
「その女アレックス」で一躍我が国では有名になったピエール・ルメートルの作で、ミステリー仕立てではないが、行く末が気になって焦れてくる巧みな筆運びはさすが。
生々しい負傷の描写などをぼかさず、直截的に書き切るあたりも、"らしい"。
作中世界がとにかく濃厚で、読者は知らないうちにそこにどっぷりと引き込まれてしまっているので、カウントしてみると僅か1年余りのスパンの物語なのだが、なんだか長大な大河作品を味わったような気にもなる。
優しさ、弱さ、狡猾、悲哀、怒り、誇り、孤独、家族、愛情、理不尽…、戦争とその後の世相という舞台をギミックにして、"人間"というものを巧く浮き彫りにしている小説だと思う。
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