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Posted by ブクログ
ここから始まる厄災の
子供たち三部作。
己を利するためならば
他人の犠牲を厭わない
将校プラデル。
彼の犠牲となる一兵卒
のアルベールとエドゥ
アール。
生埋めにされて下顎を
吹き飛ばされて、
身も心も息絶えた二人
が再び息を吹き返し、
と、まあシナリオは横
に置いておくとして、
搾取する者とされる者、
いつの世にもある憐れ
な人間模様が、
心に掻き傷を残します。
でも物語の畳みかたは
好きです♡
この喧騒まだまだ続き
ます。
なんてったって三部作
ですから。
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カミーユ警部シリーズや『監禁面接』のようなミステリー・エンターテイメントを得意とするミステリー作家のルメートルが、純文学作家のルメートルに。
本当にこの小説を読み終わって、上質な古典文学を読んだような満足感を味わうことができた。
話の展開はミステリー的要素もあるが、あえてそこはほどほどにし、第一次大戦直後のフランスを舞台にしっとりとした人間模様を描き切ったところが秀逸。
今後もミステリーだけじゃなく、このような普通の人たちの内面を描いたルメートルの小説を読んでみたい。
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ルメートルはその女アレックス、イレーヌなど刑事モノ?を読みましたが、結構グロというか、でも内容的にはすごく面白い本だったので、その延長かな、と思ったら全然違う、雰囲気でした。重いテーマで、重厚な雰囲気。終わり方も救いがあるというか、ほっとする終わり方で、とても良かった。映画にしてもいいと思うけど、設定上、ちょっと映画にしづらいかな。。
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ミステリって感じじゃないな。どちらかといえばヒューマン系の感触。
読み終わってしばらく経っても余韻があるし、大筋も良く、その中でも新しい知識の発見が多々あり、滋養となる本でした。
いかにもフランス風といった風情がありそこが新鮮で良かった。
Posted by ブクログ
歴史上、戦争が有する意義を書いた・・と言えば簡単だが、種々の自傷から筆者ル・メートルが読み取った推察、洞察力に舌を巻いた。
題名の意、そして呟いた人物を初めて知った。
そのJ・ブランシャールが真の主役と言えるかもと感じた。
アルベールは無論、ブラデルは第一次世界大戦という商売市場で駆けずり回った小物。黒子 エドゥアールが天才の名を欲しいままに飛翔した詐欺のすべてが最期は血の結びつき・・で幕を閉じるとは。
しかも植民地の服を着て羽を付けたという・・何という演技。
そこから呟かれる作者の言葉は人生とは教誨語録の様。
偶然性の複雑な絡まり、結末は必然的に訪れる。。。。
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戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。
いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。
上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。
特に主人公の一人アルベールが生き埋めとなるシーン、それに続くエドゥアールの負傷と脱出の様子は、息つく暇もないほどの迫力がある。
悪役ブラデルの戦後の描写でややスローダウンしたが、下巻、エドゥアールの仮面作りと大掛かりな詐欺計画が進み始めると、ブラデルの描写も結末へ期待をこめて大いに盛り上がっていく。
「絶望からくる狂気に翻弄されるエドゥアール」「弱虫でもその場しのぎに孤軍奮闘するアルベール」「絶対的な自信も次第に追い詰められるブラデル」。
『その女アレックス』などミステリーで有名な作者ではあるが、謎の解明がなくても魅力的な登場人物を次々と繰り出すことで、読者を飽きさせない。
第一次大戦での兵士の様子を描いた作品ではレマルク「西部戦線異状なし」が有名で、映画化もされているが、この物語もまた映画化された。
エンディングの後、エピローグで登場人物のその後が簡単に描かれていて、とても続編があるとは思えなかったのに『炎の色』『われらが痛みの鏡』へと続く。
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アレックスのヴェルーヴェン警部シリーズとはまた違うテースト。訳者が違うのもあるかも。第一次世界大戦後のフランスの様子も分かる。何とも落ち着かない、異様な、物語でしたが、巻末にあったように、一種の「冒険小説」とも言えるかと思います。でも、ヴェルーヴェン警部シリーズと異なり、なかなかページが進みませんでした。
Posted by ブクログ
原題 AU REVOIR LÀ-HAUT
そして、明日は存在しない
何らかの結末は必然的に訪れる
前者はエドゥアールの、後者はマルセルの、彼ら父子の邂逅そのものを端的に表してる気がします。
戦争が二人を分かたなくても既に交差する余地はなかっただろうし、それでも接点があるのであればああいう終わりしかなかったかな…と。
〝感謝〟は、誰にも渡さないで済んだ親のエゴ…?でしょうか。
さよなら、天国で
タイトルはMartyrs de Vingréの一人、Jean Blanchardが妻宛に最後に記した言葉より。
人の、底知れぬ悪意というものがどんなものか、
人の、逃れ得ぬ義務とはどんなに悲劇で喜劇か。
アンリとアルベールの対照的な結末が、せめてもの不文律かな…
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ミステリではないので、どんでん返しはないが、最後の展開はドキドキした。
一部史実を混ぜてるところに、リアリティを感じたんだと思う。
面白かった。
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じわじわ高まっていく緊張感と、物語が結末に向かいはじめてからのスピード感は秀逸。クライム小説なんだけど、時代の描き方や、人物の描写が頭抜けているからか読み終わった後の満足感が凄い。
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"スリルに満ちた物語、ページをめくらずにはいられない。
父と息子の物語
生と死の物語
戦争をあざ笑うかに見える物語
主人公は気の良いどちらかといえば控えめな青年。
過去に経験のない読後の余韻を味わえる作品だった。"
Posted by ブクログ
フランスの作家ですが、日本ではミステリー作家として有名なようです。私は初めて彼の小説を読みました。
あとがきで知ったのですが、題名は第一次世界大戦で敵前逃亡の汚名で、見せしめとして銃殺された兵士が妻に宛てた最期の手紙の中の言葉、とのことです。
著者自身が言うように、戦争で人生を踏みにじまれた若者たちへのオマージュがこの作品の基調にあります。一方で主人公のエドウアール、アルベールによる社会への反抗が結末で達成され、主要な登場人物それぞれの物語が決着を迎えるところ、活劇のクライマックスのような高揚感を感じました。
”どんな問題にも結末は必要だ。それが、人生の定めだろう。耐え難い悲劇だろうと、馬鹿馬鹿しい喜劇だろうと、いつかは決着をつけねばならない。” という一節がとても印象に残りました。
Posted by ブクログ
どこかで紹介されていてそれで読んでみようと思ったのだけれど、『ルメートルの作品』だからじゃなく、『第一次大戦を扱った小説』というような括りじゃなかったかな。それで実際に手に取って「あ、これ書いたのルメートルだったか」って知ったという。でも、文春文庫の三作を読んだ後だからか、ルメートルってよりJ.アーチャーを読んでるような気分だったけど。
Posted by ブクログ
上巻は、微妙に冗長さを感じましたが、下巻に入ると一気に物語が進みます。戦死者の遺族を相手にした詐欺と言う、あまり心地よくないテーマですが。
やっぱり悪人には鉄槌が降りるんですね。それはそれで、スッキリとしました。悪人が跋扈するのはよくありません。でも、その不正を見破る役人が、あまりよくない描写なのは何故なんですかね?
ペリクール氏をおそう最後の“偶然”は、小説としては、起こりうるべくして起きた悲劇ですね。エドゥアールも、実は、そう言う最後を望んでいた?
Posted by ブクログ
「ピエール・ルメートル」の長篇作品『天国でまた会おう(原題:Au revoir la-haut)』を読みました。
『死のドレスを花婿に』に続き「ピエール・ルメートル」作品です。
-----story-------------
膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
真面目な青年「アルベール」は、戦争で職も恋人も失ってしまう。
画才に恵まれた若き「エドゥアール」は顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。
戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。
支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。
ゴンクール賞受賞作。
〈上〉
1918年11月、休戦が近いと噂される西部戦線。
上官プラデルの悪事に気づいた「アルベール」は、戦場に生き埋めにされてしまう!
そのとき彼を助けに現われたのは、年下の青年「エドゥアール」だった。
しかし、「アルベール」を救った代償はあまりに大きかった。
何もかも失った若者たちを戦後のパリで待つものとは―?
『その女アレックス』の著者が書き上げた、サスペンスあふれる傑作長篇。
フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞。
〈下〉
第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家「プラデル」は、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。
一方、「アルベール」は生活のため身を粉にして働いていた。
そんな彼に「エドゥアール」が提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。
国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?
日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。
一気読み必至の話題作。
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これまでに読んだ「ピエール・ルメートル」作品の『その女アレックス』、『死のドレスを花婿に』のような、眼には眼を、歯には歯を… 的なミステリ作品とは異なり、第一次世界大戦後のフランスを舞台に、戦争で財産や身体の一部、職、恋人等の様々なモノを喪失した若者たちを、彼らが関わった前代未聞の犯罪を絡めて描いた文芸作品、、、
どんでん返しはなく、悪役がわかりやすい勧善懲悪のエンターテイメント作品でしたね… 映画化して欲しいような、そんな作品でした。
■一九一八年十一月
■一九一九年十一月
■一九二〇年三月
■終わりに……
■訳者あとがき 平岡敦
舞台は第一次大戦終結直前の1918年11月2日… 主な登場人物は、兵士の「アルベール・マイヤール」と「エドゥアール・ペリクール」、そして二人の上官の「アンリ・ドルネー=プラデル中尉」の三人、、、
主人公的な存在の「アルベール」は元銀行の経理係で、平凡を絵に描いたような若者… 優柔不断で意気地なしで、びくつくとすぐズボンのなかにちびってしまいそうになり、おまけに閉所恐怖症の気まであり、恋人とベッドにいるときでさえ、毛布にすっぽりくるまれるとパニックを起こしかける程の小心な人物、、、
そんな「アルベール」に一生立ち直れないほどの恐怖を味あわせる徹底した悪役として登場するのが「プラデル中尉(のちに大尉に昇進)」… 自分の利益のため、自らの欲望を満たすためならば他人を犠牲にし、どんな汚い手を使うこともいとわないという、あまりにも憎々しい存在。
そして、もう一人そこにもうひとり「アルベール」の運命に深く関わっていくのが「エドゥアール」… 裕福な実業家の家庭に生まれ、画才に恵まれた天才肌の男で、反俗精神に溢れるという「アルベール」とは正反対の性格、、、
この三人が、戦場で数奇な運命により、生死を含めた、己の未来を変えてしまうような因縁の出来事に遭遇… そして、三人の因縁の物語は、戦後においても戦没者追悼墓地を巡るスキャンダルや慰霊碑詐欺という事件により微妙に交錯していく。
「アルベール」の考えに共感しつつ、いつの間にか感情移入して読み進めていました… 自らの出世のために、兵士を鼓舞するために、斥候に出した部下をドイツ兵に撃たれたように見せかけて銃殺し、それを知った「アルベール」を生き埋めにして殺そうとした「プラデル」、生き埋めになった「アルベール」を助けた際に砲弾の破片により負傷し顔の下部(下顎)を失った「エドゥアール」、、、
戦傷兵となった「エドゥアール」は、確執のあった父「マルセル・ペリクール」の元に帰ることは望まず、「アルベール」の協力を得て、戦死した兵と入れ替わり、別な人物として生きることを選択… 戦後、「アルベール」は、自分の命を救ってくれた「エドゥアール」の世話をするため共同生活を始めるものの、貧しいながらも実直な生活を送ろうとする「アルベール」と、取返しのつかない負傷を負い、世の全てに反逆するかのような放埒さを見せる「エドゥアール」との間には、微妙な心のずれが生じて行く。
一方、「プラデル」は戦後の混乱に乗じ、持ち前の野心と才覚で財産を増やし、「エドゥアール」の姉「マルセル・ペリクール」と結婚することで、更なる飛躍を目論むが、、、
戦没者追悼墓地に関する受託業務での不正行為が暴かれ、仲間からも裏切られ、徐々に追い詰められて行く… 同じ頃、「アルベール」と「エドゥアール」は、「エドゥアール」の発案による世間をあっと言わせる前代未聞の慰霊碑詐欺で大金を入手することに成功、国外への逃亡を計画するが、欺かれた被害者の一人である「エドゥアール」の父「マルセル」の命により「プラデル」は犯人を捜すことになり、再び、三人は接近することになる。
大きなサプライズはないですが、善には救いがあり、悪は罰せられるという結果だったので、納得感のあるエンディングでしたね、、、
「アルベール」は、「ポリーヌ」と幸せな生活を送っているのかな… でも、ずっとずっと、死ぬまで、逃亡する汽車に現れなかった「エドゥアール」のことは気になっていたでしょうね。
それにしても、「エドゥアール」と「マルセル」の運命的な父子関係… 特に「エドゥアール」の最期は切なかったですねぇ。
意外性は少ないないけど… 主人公の「アルベール」に感情移入して、恐怖を感じたり、悩んだり、悲しんだり、喜んだりすることができて、愉しめた作品でした。
以下、主な登場人物です。
「アルベール・マイヤール」
兵士
「エドゥアール・ペリクール」
兵士
「アンリ・ドルネー=プラデル」
アルベールとエドゥアールの上官。後に実業家、プラデル社の社長
「マルセル・ペリクール」
エドゥアールの姉
「マルセル・ペリクール」
富裕な実業家。マドレーヌとエドゥアールの父親
「セシル」
アルベールの恋人
「モリウー将軍」
軍の大物
「フェルディナン・モリウー」
プラデル社の出資者。モリウー将軍の孫
「レオン・ジャルダン=ボーリュー」
プラデル社の出資者。代議士の息子
「ラブルダン」
区長
「リュシアン・デュプレ」
プラデルの部下
「アントナプロス」
密売人。通称「プロス」
「ベルモン夫人」
アルベールとエドゥアールの大家
「ルイーズ・ベルモン」
ベルモン夫人の娘
「ウジェーヌ・ラリヴィエール」
戦死した兵士
「ルイ・エヴァール」
戦死した兵士
「ジュール・デプルモン」
架空の彫刻家
Posted by ブクログ
惨めな生活を送るアルベールとエドゥアールは、戦死者記念墓碑詐欺を実行する。一方でプラデルは、戦死者埋葬事業で数々の契約違反を行い運に見放されつつあった。
戦争で大きく運命を変えさせられた若者二人と私利私欲のプラデル、息子の死に後悔で苛まれるマルセルがそれぞれが戦死者追悼事業に関わり、人生奪還・金儲け・息子への愛慕の気持ちが向かう結末は悲しいものだ。
本作は、2013年にフランスの文学賞''ゴンクール賞''を受賞し2017年には映画化もされました。
Posted by ブクログ
はぐれ者二人の詐欺計画が着々と進行する最中、杜撰な仕事ぶりが露呈したブラデル社は一気に窮地へ。更には一枚岩のペリクール父娘、偏屈な監査人メルランも介入し、物語は一気に佳境を迎える。<ヴェルーベン警部シリーズ>最終作「傷だらけのカミーユ」の結末を鑑みる限り、晴れやかな幕引きは想像し難かったが、最終的に思いの外妥当な着地点に収まった印象。しかし、アルベールとエドゥアールの別離は実に切ない。主人公と敵役、復員兵の両者が戦没者を冒涜する悪事に身を染めていくのは実に皮肉的。原作に忠実と言われている映画版が気になる。
Posted by ブクログ
主人公はパッとしない元兵士アルベール。上司プラデルの陰謀に巻き込まれ戦場で死にかけるも、エドゥアールによって助けられる。しかしそれと引き換えにエドゥアールは顔が潰れる大怪我を負ってしまう。戦争ビジネスで汚なくのし上がるプラデルと、モルヒネ中毒となるも画才で前代未聞の詐欺を働くエドゥアール。終盤の息をつかせぬ展開はさすが。シリーズものとのことで、続きが楽しみです。
Posted by ブクログ
「その女アレックス」を中心としたヴェルーヴェン警部シリーズとは全く趣向の違った作品でした。
後書きでは冒険小説とのワードもありましたが、それもしっくりこない。
舞台はまさに第一次世界大戦が終わろうとしているフランス。
そこで戦った兵士(アルベール)が戦場で見た光景と自身の体験。
命を救ってくれた戦友(エドゥアール)と、その際におってしまった人生を狂わせる大怪我。
その後、始まった共同生活の中で彼等が取り戻す日常は、国中を巻き込む一大詐欺事件へ...
後半に入り、少し世界観には入り込めたが、暗いイメージは今までの著者の作品と同じとは言え、期待していただけに全体を読み終えても残念な気がしてならない。
説明
内容紹介
膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。ゴンクール賞受賞作。
内容(「BOOK」データベースより)
第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。
著者について
1951年、パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい! 』、「ミステリが読みたい! 」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった。2013年に発表した初の文芸作品である本書は、フランスで最も権威ある文学賞ゴンクール賞を受賞した。現在フランスで最も注目される作家である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ルメートル,ピエール
1951年パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい!』、「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった
平岡/敦
1955年生、早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修士課程修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
結末悪人のブラデルが罰せられた結末は納得したが
エドゥアールが父親の運転する車に轢かれてしまったのは 何故なのか?作者は何を伝えたかったんだろう?
Posted by ブクログ
男性陣の展開がメインとは言え、それぞれに絡む女性陣の生き生きとした魅力ときたら!女性陣の登場がなければ、ただの戦争と復讐の物語だったでしょう。ラストの、マドレーヌのプラデルに対する冷徹さ、詐欺と分っていて瞬殺で付いていくことを決めたポリーヌが特にいい。ハッピーエンドとは言えないところもありますが、それぞれの着地が巧くて納得の収束。上下巻ですが、面白くてあっという間に読めました。
Posted by ブクログ
カミーユ刑事シリーズの作者だったので評価をあげすぎて臨んでしまった。当時の情勢、そこで織りなされる関係者の群像劇、魅力的な詩的表現は素晴らしかった。物語の帰結は落語みたいというか、、ルメートル本人も悩んだんじゃないのかな、、この終わり方でいいの?みたいな。
小胆でお人好しのアルベールと奔放でお金持ちのエドゥアール、友達になるはずのない二人が友達になり国を相手に大博打を打つのはハラハラしつつも楽しかったです。
映像化はもう少しテンポが良く喜劇調にまとめられてた。ラストが少し違うかな。どっちが好きかといわれると難しいところ...。
Posted by ブクログ
戦争をフックに、正義や金や幸せなどの価値観に大きな疑問を投げかける。
人生は金ではない。
外見でもない。
何をしたか、でもない。が、何をしたかによって人は納得できる何かを得られるのだろう。
Posted by ブクログ
戦後の混沌と貧富格差と不正詐欺。読んでいて嫌になるがラストは収まるところに収まった感じ。読み始めは展開が全く見えなかったが中盤から物語の数奇で壮大で複雑な構造が見えてきてからはどう収束するのか気になって終盤は一気読みだった。一貫した主人公のお人よし?なキャラクタを愛せるかどうか。自分的には主人公の彼女(後のほう)のキャラクタが一番気に入りました。
Posted by ブクログ
どうしても身近でない群像劇のため深入りできなかったが、時間が経つにつれ、よくよく考えると実は戦争の悲劇からくる個々の葛藤をみんなに考えて欲しい、と奥深い、著者のうまさなのかも。最後のスピード感は圧巻。何気にメルランが刺激を与えてくれる。
Posted by ブクログ
どうなってしまうの?と、割とドキドキしながら読みました。
これまで読んできたルメートルの作品と少し違う印象でした。
メルランの存在が効いている。実際に自分の近くにいたら嫌だけど、なくてはならない人。
最終的にアルベールがしあわせに?なってくれたのが良かったですし
Posted by ブクログ
# 天国でまた会おう
戦争で味方を殺すことによって実績を上げ、戦後は死者を冒涜することによって利益を貪ろうとした中尉は、悪事が発覚し、孤独のうちに死亡する。
中尉の悪事を目撃した兵士アルベールは、注意によって殺されそうになるが、エドゥアールによって助けられる。
エドゥアールはアルベールを助ける際に大けがを負い、二度と人前に顔を出すことも話すこともできない姿となる。エドゥアールは恨みから、戦没者記念碑の詐欺を思いつき、国中から金を集める。国外へ逃亡するというその日に、自分の父が運転する車に飛び込んで死亡する。
アルベールはエドゥアールの詐欺に手を貸し、大金を持って恋人とともに植民地へ逃亡する。
それにしても長すぎるのではないか。
アレックスのような劇的な展開がないだけに退屈感が否めない。
文章や構成は洗練されているとはいいがたい。