あらすじ
第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼基地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか? 日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作
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Posted by ブクログ
「その女アレックス」を中心としたヴェルーヴェン警部シリーズとは全く趣向の違った作品でした。
後書きでは冒険小説とのワードもありましたが、それもしっくりこない。
舞台はまさに第一次世界大戦が終わろうとしているフランス。
そこで戦った兵士(アルベール)が戦場で見た光景と自身の体験。
命を救ってくれた戦友(エドゥアール)と、その際におってしまった人生を狂わせる大怪我。
その後、始まった共同生活の中で彼等が取り戻す日常は、国中を巻き込む一大詐欺事件へ...
後半に入り、少し世界観には入り込めたが、暗いイメージは今までの著者の作品と同じとは言え、期待していただけに全体を読み終えても残念な気がしてならない。
説明
内容紹介
膨大な犠牲者を出して、大戦は終わった。
真面目な青年アルベールは、戦争で職も恋人も失ってしまう。画才に恵まれた若きエドゥアールは顔に大怪我を負い、家族とのつながりを断つ。戦死者は称揚するのに、生き延びた兵士たちには冷淡な世間。支え合いながら生きる青年たちは、やがて国家を揺るがす前代未聞の詐欺を企てる!
第一次世界大戦後のフランスを舞台に、おそるべき犯罪の顛末を鮮やかに描き上げた一気読み必至の傑作長篇。ゴンクール賞受賞作。
内容(「BOOK」データベースより)
第一次世界大戦直後のパリでのしあがる実業家プラデルは、戦没者追悼墓地の建設で儲けをたくわえていく。一方、アルベールは生活のため身を粉にして働いていた。そんな彼にエドゥアールが提案したのは、ある途方もない詐欺の計画だった。国をゆるがす前代未聞のたくらみは、はたしてどこにたどりつくのか?日本のミステリ・ランキング一位を独占した人気作家が放つ、スリルと興奮に満ちた群像劇。一気読み必至の話題作。
著者について
1951年、パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい! 』、「ミステリが読みたい! 」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった。2013年に発表した初の文芸作品である本書は、フランスで最も権威ある文学賞ゴンクール賞を受賞した。現在フランスで最も注目される作家である。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ルメートル,ピエール
1951年パリ生まれの作家、脚本家。2006年にカミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズの第一作となる『悲しみのイレーヌ』でデビュー。2011年に発表したシリーズ第二作『その女アレックス』は、リーヴル・ド・ポッシュ読者大賞、英国推理作家協会(CWA)賞インターナショナル・ダガー賞に輝いたほか、日本では『このミステリーがすごい!』、「ミステリが読みたい!」、「週刊文春ミステリーベスト10」、本屋大賞(翻訳小説部門)などのランキング一位を独占し、ベストセラーとなった
平岡/敦
1955年生、早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修士課程修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
Posted by ブクログ
男性陣の展開がメインとは言え、それぞれに絡む女性陣の生き生きとした魅力ときたら!女性陣の登場がなければ、ただの戦争と復讐の物語だったでしょう。ラストの、マドレーヌのプラデルに対する冷徹さ、詐欺と分っていて瞬殺で付いていくことを決めたポリーヌが特にいい。ハッピーエンドとは言えないところもありますが、それぞれの着地が巧くて納得の収束。上下巻ですが、面白くてあっという間に読めました。
Posted by ブクログ
戦争をフックに、正義や金や幸せなどの価値観に大きな疑問を投げかける。
人生は金ではない。
外見でもない。
何をしたか、でもない。が、何をしたかによって人は納得できる何かを得られるのだろう。
Posted by ブクログ
戦後の混沌と貧富格差と不正詐欺。読んでいて嫌になるがラストは収まるところに収まった感じ。読み始めは展開が全く見えなかったが中盤から物語の数奇で壮大で複雑な構造が見えてきてからはどう収束するのか気になって終盤は一気読みだった。一貫した主人公のお人よし?なキャラクタを愛せるかどうか。自分的には主人公の彼女(後のほう)のキャラクタが一番気に入りました。
Posted by ブクログ
どうなってしまうの?と、割とドキドキしながら読みました。
これまで読んできたルメートルの作品と少し違う印象でした。
メルランの存在が効いている。実際に自分の近くにいたら嫌だけど、なくてはならない人。
最終的にアルベールがしあわせに?なってくれたのが良かったですし
Posted by ブクログ
# 天国でまた会おう
戦争で味方を殺すことによって実績を上げ、戦後は死者を冒涜することによって利益を貪ろうとした中尉は、悪事が発覚し、孤独のうちに死亡する。
中尉の悪事を目撃した兵士アルベールは、注意によって殺されそうになるが、エドゥアールによって助けられる。
エドゥアールはアルベールを助ける際に大けがを負い、二度と人前に顔を出すことも話すこともできない姿となる。エドゥアールは恨みから、戦没者記念碑の詐欺を思いつき、国中から金を集める。国外へ逃亡するというその日に、自分の父が運転する車に飛び込んで死亡する。
アルベールはエドゥアールの詐欺に手を貸し、大金を持って恋人とともに植民地へ逃亡する。
それにしても長すぎるのではないか。
アレックスのような劇的な展開がないだけに退屈感が否めない。
文章や構成は洗練されているとはいいがたい。