平岡敦のレビュー一覧

  • われらが痛みの鏡 下

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    防衛線を次々突破して
    迫りくる独の装甲師団。

    我さきと逃げ出すパリ
    ジャン・パリジェンヌ。

    街道に溢れる何千何万
    もの避難民。

    そんな歴史的な背景の
    なかに描かれる、

    登場人物たちの数奇な
    運命。

    それぞれの抱く想いや
    様々な感情が渦巻き、

    個々の物語が重層的に
    絡み合い、

    やがて大きなうねりと
    なって、

    一つのテーマへと収斂
    されていく。

    誰か一人でも欠けたら
    到達しえない、

    明るい希望宿す結末に
    向かって突き進む。

    かくも壮大で読み応え
    ある贅沢な作品です。

    三部作ながら一作毎に
    異なる味わいがあって、

    そこがまたいいですね。

    0
    2024年04月25日
  • ルパン対ホームズ

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    反感を買うこと承知で申し上げると、ドイルよりルブランの書くこのイギリス人探偵の方が親しみが持てる。幼い頃から親しんでいるのがルブランであることもそうだが、人間味があるように感じる。
    ルブランは、快活でお茶目で大胆不敵、そして生命力に溢れたルパンという魅力的な内面を描くことに秀でていると思っている。そんな心躍る描写とキャラクターとしての魅力を備えた探偵怪盗の対決は、旧き良き探偵小説・犯罪小説を愛する私にとって──というか老若男女にとって垂涎ものだろう。

    最後に読んだのは小学生の頃で10年ほど間が開いたが、当時「ルパ子」と父に揶揄されるほど読み耽っていたので大体のことは覚えていた。それでも興奮が

    0
    2024年03月29日
  • 第四の扉

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    良質などんでん返し!
    古典ガチ勢がしっかり伝統芸の型を継いで書いてくれてるタイプの作品ほんと安心する

    0
    2024年03月22日
  • 恐るべき太陽

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    なんとなく怪しくて、途中何度もあれっ?となるけれど、まんまとミスリードに乗ってしまってました。
    種と仕掛けが巧妙でした。

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    2024年02月04日
  • 恐るべき太陽

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    2024年本格ミステリ10の海外部門1位の作品。そして誰もいなくなったを彷彿とさせる、孤島での連続殺人の話。作者のトリックに私はしっかり騙されました。やられたーという感じ。

    0
    2024年01月31日
  • カーテンの陰の死

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    深夜の広場で“何か”を捨てていた不審な男を目撃したマージョリーは、その男が女性の髪を頭皮ごと剥がす殺人犯で、かつ同じ下宿先の“誰か”だと知り……。様々な事件が絡み合うシリーズ三作目。→

    今回も最高だよー!!
    ツイスト博士シリーズ大好き!今回はアーチボルト警部とのやりとりもめちゃくちゃ楽しい!このコンビ良い。
    事件も髪剥ぎ(?)殺人と、カーテンの陰という“密室”殺人の二種類が絡み合い、かつ過去の事件も出てきて豪華!空飛ぶ絨毯とか呪いのナイフとか、好きな人は大好きな→

    展開じゃないかと!
    わくわく止まらんよー!ボリュームが少なめなのもいいんよね。テンポよく事件が起こる(リアルやとたまったもんや

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    2023年10月23日
  • 恐るべき太陽

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    ネタバレ

    違和感を置き去りに読み進めていたら最後に全部綺麗にしてくれた
    ありがたい
    歯止めが効かなくなった人間が何よりも怖いよ

    0
    2023年10月13日
  • 地底旅行

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    地底から地上に飛び出すシーンなんて鳥肌ものでした。こんなにおもしろい冒険ファンタジー?がこんな昔にうまれていたなんて!どんどんスピード感があがっていくのでぜひ最後まで読んでほしい。

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    2023年09月10日
  • クリムゾン・リバー

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    ミステリ。サスペンス。
    フランス発の警察ミステリ。
    暴力的で、猟奇的なサイコサスペンス要素も。
    派手なシーンが多く、予想外な展開の連続でとてもワクワクしながら読んだ。
    最後の結末だけは不満。ボリュームある物語の結末としては、あっさりしすぎでは?
    個人的に、サスペンスよりも本格ミステリが好きという、好みの問題もあるかも。
    若干の不満はあるものの、物語の大部分は熱中して読めたので、十分に満足。

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    2023年08月19日
  • 死が招く

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    婚約者の父でありミステリ作家でもあるハロルドから夕食会に招待されたサイモン部長刑事は、閉ざされた書斎で煮えたぎる鍋に顔を突っ込んで死んでいる本人を発見する。
    その状況は作家自身が構想中だった新作の設定そのままだった!→

    密室×不可能犯罪×美しき姉妹×双子の兄弟×墓場から甦りしゾンビ……と、設定がモリモリなアラン・ツイスト博士シリーズ2作目。アルテ自身が巻末で述べているように、とても「ディクスン・カーらしい」お話。“恐怖”と“謎”が散りばめられていて、読んでいる時のワクワク感がすごい。→

    アルテのお話は、読んでる時にとにかく楽しいんだよなぁ、と再確認。謎解きで見たら小粒感があるけど(緻密に伏

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    2023年07月23日
  • 世界の名探偵3 ルパン【試し読み】

    匿名

    購入済み

    ルパンはやっぱり面白い

    子供の頃に何度も読んだ小説です。誰がルパンなのか、ワクワクしながら読んだのを思いました。さすがに不朽の名作で大人になって読んでも大変楽しめました。

    #ドキドキハラハラ

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    2023年06月16日
  • われらが痛みの鏡 下

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    ピエール・ルメートルの壮大でかつ人間味あふれた歴史群像劇。
    20世紀の二つの戦争に翻弄されたフランスの人たちの三部作、完結編。

    上巻からひきつづき「ルイーズの物語」「ガブリエルとラウールの物語」「デジレ・ミゴーの物語」が進む中、新たに「フェルナンの物語」が加わって、下巻は4本同時に進行していく。
    が、次第にそれらが交わり始めると、妙な期待感に浸っていき、読むのが楽しくなる。
    いったいどこですべてが交わるのか……ああ、そうなんです。
    そのためにこの人はいたのですね。
    とても効果的です。

    詐欺師と神様は、“カミヒトエ”……なんちゃって。

    それと映画的でもあるけど、完結編もエピローグで登場人物

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    2023年03月24日
  • ルパン対ホームズ

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    ルパンかっこよすぎない?!
    もちろんホームズもいい!
    何と言っても、勝敗の結末の仕方がおしゃれすぎる!
    ルパンとホームズ、どっちもファンになってしまったので、それぞれの本をもっと読もう!

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    2023年01月22日
  • 第四の扉

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    幼なじみのジョンが住む幽霊屋敷と呼ばれている家に居候し始めた霊能者夫妻。同じく幼なじみのヘンリーの母が交通事故に遭ったのち、“ぼく”は彼らの交霊実験に巻き込まれて……。
    本番は第三部から。とりあえずそこまで読んでほしい。脳がバグるから。→

    相変わらず楽しんで書いているのが伝わるお話。三部以降、絶対アルテニヤニヤしてるやん。最高やん。こんな流れは想像できんかったやん?
    その後もいい。ツイスト博士が出てきてからがさらにいい。とにかく楽しい。ぜひ読んでほしい。
    私はアルテ追いかけます!

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    2022年09月05日
  • われらが痛みの鏡 下

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    ネタバレ

    下巻は一気に読みました。
    フランスの南に位置するベロー礼拝堂で、今まで別々の行動をしていた主要な人達がたどり着くあたりでは鳥肌が立ちました。登場人物達のプライバシーを守るために読者である我々もその場を離れるくだりは、なんとも言えない余韻を得られます。作者に感謝したくなりました。
    とても印象に残る作品でした。

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    2022年08月25日
  • 黄色い部屋の謎【平岡敦訳】

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    密室ミステリの古典、と言われる作品(らしい)
    完全なる密室で襲われた令嬢、謎を追う新聞記者と警部。さらに起こる怪事件。
    最終的に3つの不可能事件が鮮やかに解決されるラストは必読!!なるほどな!!これは納得!面白かったー!→

    後出し感はありつつ、カーやクリスティーより前の作品と考えたらこれはすごい。そして、乱歩が高く評価したのもわかる(乱歩のアレはこれのオマージュ?)
    一つ注意点は、作中前半でポーのモルグ街の殺人とドイルのまだらの紐のネタバレがされてます。上記2作品は先に読むのをおすすめします!

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    2022年05月22日
  • 死まで139歩

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    謎の言葉を残し消えた美女、手紙を運ぶだけの仕事、靴だらけの郊外の廃れた屋敷。調査を始めたツイスト博士が魅了された謎の答えは……。
    コレは……人を選ぶ!(笑)でも私は大好き!いやいやないやろー!ってツッコミながら、ラストにしんみり。→

    解説で法月綸太郎氏(そして殊能将之氏)が書いているが、アルテって天然なんだろうなぁ。めっちゃ大真面目に書いてるのが伝わるから、なんかもう楽しかった(笑)面白い、じゃなくて楽しい。作者が楽しんで書いてるのが伝わる。良き。

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    2022年05月10日
  • 混沌の王

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    翻訳の表現がちょっと変わってて慣れるまで読み進めるのに時間がかかったが、内容は面白かった。
    探偵役のキャラクターも強烈で犯罪者を芸術家と言い切ってしまうところも面白い。
    そしたどんでん返しの結末も予想外。
    罪の裁き方を司法ではなく、探偵に委ねるのも珍しい。

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    2022年03月12日
  • 世界ショートセレクション1 ルブラン ショートセレクション 怪盗ルパン 謎の旅行者

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    子どもへの海外文学入門として。
    ふりがな、活字の大きさ、イラストのかわいらしさと素っ気なさ、それに何より飽きのこない短編集であるところが非常にちょうど良い。すてき。

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    2021年12月27日
  • フランス組曲

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    読むのにかなりの月を費やしたが、読めて良かった。
    繊細な魂同士の対話、残酷さの中に果実や植物の名前がふんだんに散りばめられていて、それらが乾燥した空気の中に瑞々しさを加える。
    資料はアンネ・フランクのような、戦争に絶望と憤りを綴ったりと本当に貴重なものばかり!
    敵対国とはいえ、兵士は一人の人間である。
    しかし、占領された側としてはやはり複雑さと憤り、時に優しさを含んだ対話に隙間から陽光が差すように優しさをも感じる。
    魂と魂、男と女…戦時下の魂と精神は辛く優しい。

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    2021年11月13日