平岡敦のレビュー一覧
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「我らは支配者にして奴隷
われらはあまねくありて、いずこにもなし。
我らは測量士
我らは緋色の川(クリムゾン・リバー)を制す」
この、なんとも意味の掴めない呪文のような言葉が、この物語の全貌……。
ニエマンスとカリム、二人の刑事はそれぞれの事件を追っていくうちに、大きな謎の淵へ導かれていく。
2000年にフランスで映画化された。
主役のジャン・レノはトヨタのCMでドラえもん、
相方ヴァンサン・カッセルもオランジーナのCMで小峠と共演、作者ジャン=クリストフ・グランジェの妻は日本人と、結構日本には馴染み深い。
物語はノワールの香りを漂わせながら、深い謎は徐々に姿をあらわしていくいく……。
映像的で、読んでいると一緒に引き込まれていくような感覚の、物語でした。 -
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フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇作品『炎の色〈上〉〈下〉(原題:Couleurs de l'incendie)』を読みました。
『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』、『監禁面接』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。
-----story-------------
〈上〉
1927年2月、パリ。
一大帝国を築いた実業家の葬儀が粛々と進んでいた。
しかし出棺のとき、思いがけない悲劇が起きる。
故人の孫、七歳のポールが三階の窓から落ちたのだ。
故人の長女マドレーヌは亡父の地位と財産を相続したものの、息子の看護に追われる日々を送る。
しかし、そのあいだに、彼女を陥れる陰謀が着々と進んでいた…。
ゴンクール賞および英国推理作家協会賞を受賞した『天国でまた会おう』待望の続篇登場!
〈下〉
奸計により、亡父が遺した資産も邸宅も失ったマドレーヌは、小さいアパルトマンで細々と暮らしていた。
一方、彼女を裏切った者たちは、それぞれ成功への道を歩んでいた。
そして、マドレーヌは復讐することを決意する―。
ヨーロッパでファシズムが台頭しつつある1930年代、新たな戦争の影がしのびよるパリでくりひろげられる、息もつかせぬ復讐譚。
『その女アレックス』著者による、『天国でまた会おう』三部作の第二巻。
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2018年(平成30年)に刊行された、災厄の子供たち三部作の第2作… 第一次世界大戦後のフランスを舞台に描いた文芸作品で、7年前に読んだ『天国でまた会おう』の続篇です。
1927年(昭和2年)2月、パリ… 一大帝国を築き上げた実業家マルセル・ペリクールが死んだ、、、
その長女マドレーヌ・ペリクールは、幼い一人息子ポールとともに、父の莫大な遺産を受け継いだ… しかし、事故に遭ったポールの看護に努める彼女は、自らを取り囲む悪意に気づかなかった―。
やがて裏切りと詭計により地位も資産も失った彼女は、復讐を決意する! ファシズムの足音が聞こえる第二次世界大戦前のパリを舞台に展開する息もつかせぬ群像劇。
信じていた仲間に裏切られ、どん底に陥れられたマドレーヌ・ペリクールの怒濤の復讐劇を描いた作品… 自分を裏切った者たちを罠に陥れ、淡々と復讐していく展開がリズムよく描かれていましたね、、、
騙されるマドレーヌの方にも問題はあったかなー と感じて、序盤は感情移入し難かったのですが… 仲間の裏切りも酷いですからねー 復讐劇が進んでいくうちに、いつの間にか気持ちがマドレーヌたち(息子のポール、看護師ヴラディ、協力者のデュプレ含む)にシンクロしていましたね。
どんでん返しはなく、悪役がわかりやすい勧善懲悪のエンターテイメント作品でしたね… 前作にも登場したデュプレの活躍や、車椅子の少年ポールと母国語しか喋れないポーランド人看護師ヴラディのユーモア溢れるやりとり等も印象的でした。
続篇も機会があれば、読んでみたいですね。 -
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フランスの作家ピエール・ルメートルの長篇作品『炎の色〈上〉〈下〉(原題:Couleurs de l'incendie)』を読みました。
『傷だらけのカミーユ』、『わが母なるロージー』、『監禁面接』に続き、ピエール・ルメートルの作品です。
-----story-------------
〈上〉
1927年2月、パリ。
一大帝国を築いた実業家の葬儀が粛々と進んでいた。
しかし出棺のとき、思いがけない悲劇が起きる。
故人の孫、七歳のポールが三階の窓から落ちたのだ。
故人の長女マドレーヌは亡父の地位と財産を相続したものの、息子の看護に追われる日々を送る。
しかし、そのあいだに、彼女を陥れる陰謀が着々と進んでいた…。
ゴンクール賞および英国推理作家協会賞を受賞した『天国でまた会おう』待望の続篇登場!
〈下〉
奸計により、亡父が遺した資産も邸宅も失ったマドレーヌは、小さいアパルトマンで細々と暮らしていた。
一方、彼女を裏切った者たちは、それぞれ成功への道を歩んでいた。
そして、マドレーヌは復讐することを決意する―。
ヨーロッパでファシズムが台頭しつつある1930年代、新たな戦争の影がしのびよるパリでくりひろげられる、息もつかせぬ復讐譚。
『その女アレックス』著者による、『天国でまた会おう』三部作の第二巻。
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2018年(平成30年)に刊行された、災厄の子供たち三部作の第2作… 第一次世界大戦後のフランスを舞台に描いた文芸作品で、7年前に読んだ『天国でまた会おう』の続篇です。
1927年(昭和2年)2月、パリ… 一大帝国を築き上げた実業家マルセル・ペリクールが死んだ、、、
その長女マドレーヌ・ペリクールは、幼い一人息子ポールとともに、父の莫大な遺産を受け継いだ… しかし、事故に遭ったポールの看護に努める彼女は、自らを取り囲む悪意に気づかなかった―。
やがて裏切りと詭計により地位も資産も失った彼女は、復讐を決意する! ファシズムの足音が聞こえる第二次世界大戦前のパリを舞台に展開する息もつかせぬ群像劇。
信じていた仲間に裏切られ、どん底に陥れられたマドレーヌ・ペリクールの怒濤の復讐劇を描いた作品… 自分を裏切った者たちを罠に陥れ、淡々と復讐していく展開がリズムよく描かれていましたね、、、
騙されるマドレーヌの方にも問題はあったかなー と感じて、序盤は感情移入し難かったのですが… 仲間の裏切りも酷いですからねー 復讐劇が進んでいくうちに、いつの間にか気持ちがマドレーヌたち(息子のポール、看護師ヴラディ、協力者のデュプレ含む)にシンクロしていましたね。
どんでん返しはなく、悪役がわかりやすい勧善懲悪のエンターテイメント作品でしたね… 前作にも登場したデュプレの活躍や、車椅子の少年ポールと母国語しか喋れないポーランド人看護師ヴラディのユーモア溢れるやりとり等も印象的でした。
続篇も機会があれば、読んでみたいですね。 -
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フランスの作家ポール・アルテの長篇ミステリ作品『第四の扉(原題:La Quatrieme Porte)』を読みました。
ここのところフランスの作家の作品が続いています。
-----story-------------
3年連続で〈本格ミステリ・ベスト10〉第1位を成し遂げたフランスのミステリ作家、ポール・アルテ。
その代表作がついに文庫化!
オックスフォード近郊の小村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。
数年前に密室状態の屋根裏部屋で、全身を切り刻まれて死んだダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。
その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が越してくると、さらに不思議な事件が続発する。
隣人の作家アーサーが襲われると同時に、その息子ヘンリーが失踪。
しかもヘンリーは数日後、同時刻に別々の場所で目撃される。
そして、呪われた屋根裏部屋での交霊実験のさなか、またもや密室殺人が…。
犯罪学者アラン・ツイスト博士が、奇怪な事件の真相を暴く。
解説/麻耶雄嵩
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1987年(昭和62年)に刊行されたツイスト博士シリーズの第1作… コニャック・ミステリ大賞を受賞した著者デビュー作品です。
密室で夫人が自殺して以来、奇怪な噂の絶えないダーンリーの屋敷… 幽霊が歩き回るというこの家に移り住んできた霊能者の夫妻は、関係者を集めて交霊実験を試みる―それは新たな事件の幕開けだった、、、
死体を担ぐ人影、別の場所で同時に目撃された男、そして呪われた部屋に再び死体が現れる… 密室犯罪、幽霊屋敷、交霊会、分身、奇術。
めくるめく怪奇趣味と不可能犯罪奇術のごとく繰り出される謎また謎! 各探偵の語る最後の一行が読者にとどめを刺す! 犯罪学者アラン・ツイスト博士が、奇怪事件の真相を暴くシリーズ第1作、、、
1987年度コニャック・ミステリ大賞受賞… フランス本格推理の歴史的傑作。
ジョン・ディクスン・カーに憧れて創作活動を始めたというだけあって、イギリスを舞台にして、密室殺人や怪奇趣味、不可能犯罪といった要素がギュッと詰め込まれた作品で、本格推理小説への敬意が感じられる作風でした… カー作品の良さというか、雰囲気が滲み出てましたね、、、
密室のトリックは、まずまずでしたが… 作中作というフィクションを扱うと見せかけて現実に引き戻される終盤の展開や、最後の一行で驚かされる(騙されていたことに気付く)叙述トリックの展開は好みでしたねー 次もポール・アルテの作品を読んでみようと思います。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ劇団四季から入ったけど原作も読んだ方が楽しめる ラウール(原作だとこっち、四季はラウル)のストーカーぶりがより際立っている気がするし、ファントムの狂気ぶりもなかなか クリスティーヌに会いたくて暴走してるラウールを止めようとしないフィリップ、血は争えないね
ダロガがとてもいいキャラしてるし唯一のまとも人ぽくて好き エリックと面識があったし彼のことを知り尽くしているから、もしファントムがコンプレックスを抱えていなくてまともな人生を歩んでいたら友達になっていたりするのかな
生まれてすぐ母に仮面を投げつけられた、とあったけどそこから逃げ出して芝居小屋で見世物になって(そんなに強制力なさそうに読み取ったけど本当はどうなんだろう)いろんな人に技を教えて貰って…誰にも知られずただ地下で暮らすのには、彼にとって誘惑が多すぎた
支配人ズが2万フランをめぐって喧嘩してるの辛いよ~~~メグがクリスティーヌを「前はあんなに下手だったのに」とちょっと見下してたの悲しい
p.432のファントム「もう昔とは違う、ありのままの自分が愛されるようになってからは、誰にも増して気高い精神を持つようになった」が意味わかんなくて???てなった、どこをとればクリスティーヌにまるまま愛されてると思えるんだ…?だけどp.454で「愛してない、愛していないんだ!おまえはおれを愛していない!」に気づいてしまって、愛する人を傷つけていたと知った時の絶望は表せない 別れ際に自然な口づけを交わすことが彼にとってどれほどのことなのか、死後に金の指輪をはめてほしいと願った彼はどんな思いでクリスティーヌを見送ったんだろうね -
Posted by ブクログ
読み上げと黙読を使い分けた。結果、半々ぐらいだったかな。
タイトルだけ知ってて、そこから想像してた物語とは全く違ってた。良い意味で。
というか、このタイトルからまさかこんなドキュメンタリー風の小説だと想像できる人がいるとは思えない。「オペラ座の幽霊の真実」だったら幾分マシだが、それだとセンスのかけらもない。
解説でも触れられている「幽霊」か「怪人」か?それが人間だと知った人や信じていた人にとっては「怪人」だけど、知らなかった人や知られるまでは「幽霊」だったんだろうな。
読み終わった後で考えればそうだけど、実際読んでいるときに「幽霊」と「怪人」が入り乱れていたら、それはそれで分かりづらいだろうな、と思う。
これしか読んでいないので、訳の良し悪しは分からないし、そんなこと言えるほど頭も良くない。
こればっかりは出会いだね、出会い。
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Posted by ブクログ
「天国でまた会おう」三部作の第二部「炎の色」は、復讐劇の王道を行く痛快な物語。
始まってしばらく、上巻はとにかくひどい奴ばかりで、腹が立って読めなくなるほど。
主役のマドレーヌも、いまいちはっきりしないキャラで感情移入できないし……。
ところが、後半に復讐劇が始まると、がぜん面白くなって、まんまと楽しんでしまった。
前作「天国で…」はミステリーではなく文学作品?とされており、戦争で負って変わってしまった帰還兵の体と心の闇を、「顔のけが」「仮面」など暗示的でもあり、エドゥアールの最後も何かしらのメッセージが託されているような気にさせるものであった。
本作の「炎の色」では、一部の登場人物が引き継がれているものの、大筋は「復讐劇」であり、しかも、ラブロマンスありサスペンスありでエンターテインメントに富んだ物語として、一気に楽しんだ。
どうやらこのシリーズは「前半の我慢」が「後半の快楽」につながると信じて読むことが、求められているかも……。
本作も前作同様、エピローグにて登場人物のその後が記されて、いったん物語自体は終わりとされている。
では第三部「われらが痛みの鏡」は?
じゃあ読もう。 -
Posted by ブクログ
戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。
いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。
上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。
特に主人公の一人アルベールが生き埋めとなるシーン、それに続くエドゥアールの負傷と脱出の様子は、息つく暇もないほどの迫力がある。
悪役ブラデルの戦後の描写でややスローダウンしたが、下巻、エドゥアールの仮面作りと大掛かりな詐欺計画が進み始めると、ブラデルの描写も結末へ期待をこめて大いに盛り上がっていく。
「絶望からくる狂気に翻弄されるエドゥアール」「弱虫でもその場しのぎに孤軍奮闘するアルベール」「絶対的な自信も次第に追い詰められるブラデル」。
『その女アレックス』などミステリーで有名な作者ではあるが、謎の解明がなくても魅力的な登場人物を次々と繰り出すことで、読者を飽きさせない。
第一次大戦での兵士の様子を描いた作品ではレマルク「西部戦線異状なし」が有名で、映画化もされているが、この物語もまた映画化された。
エンディングの後、エピローグで登場人物のその後が簡単に描かれていて、とても続編があるとは思えなかったのに『炎の色』『われらが痛みの鏡』へと続く。