【感想・ネタバレ】オペラ座の怪人のレビュー

あらすじ

怪人の噂が囁かれるパリ・オペラ座で死体が見つかり、美しき歌姫は演目中に姿を消す。怪人が歌姫に抱く狂おしいほどの愛はさらなる惨劇を招き、オペラ座は死の迷宮と化す――ノンフィクション風の小説手法に、ミステリー、怪奇、ユーモア、ロマンスを織り込み、容貌も能力も人間離れした異形の怪人エリックの人間的な悲劇を描く傑作小説を待望の新訳で!

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ネタバレ

光文社古典新訳文庫のキャッチフレーズ「いま、息をしている言葉で」の通り、読みやすいです。
訳者である平岡敦先生の解説も興味深いです。

読んでいる途中、アンドリュー・ロイド=ウェバーの音楽(劇団四季のミュージカル、ジェラル・バトラーとエミー・ロッサムの映画)が何度も頭の中で流れていました。

ミュージカルや映画は設定が多少変えられていますが、本質は同じ。
「彼はただ皆と同じ人間になりたいと願っただけなのに。けれどもあまりに醜すぎた。もしも容貌があれほどでなければ」

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2025年11月18日

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観たことはないが、ミュージカルなどで名前を知る程度だったオペラ座の怪人の本家。正直、ストーリーを最初にこの原作で知ることができた幸運を思わずにはいられない。普通の小説のような形式だと思っていたら、そうではなかったというところからして驚き。心理描写も、伏線回収も、ルポ形式だからこそできたのではないかと思う。全くストーリーを知らなかったので、最初から最後まで楽しめた。ドキドキハラハラする展開に、切ない読後感…。ガストン・ルルー恐るべし。色褪せない名作だ。興味があるなら絶対読んだ方が良いと思う。

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2018年09月13日

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実在するオペラ座の構造等に着想を得た怪人エリック、舞台俳優のクリスティーヌ、青年貴族のラウールによる三角関係の愛憎劇。
物語の構成が読み手の興味を惹く。はじめは殺人事件と怪人の謎を提示し、歌姫クリスティーヌと怪人の関係に及ひ、ボンボンのラウールとクリスティーヌの関係が語られる。このラウールがただ愛してると言い続ける薄っぺらな人物として描かれイライラさせられるが、これは怪人エリックの生い立ちが語られるに沿い読者の感情移入をエリックに向けさせる故であろう。建築家や奇術師、優れた歌い手など幾多の才能を持ちながら顔が悪いだけで邪悪な感情を持ちながらも人並みの幸せに憧れる切ない怪人の人物設定故に確立する物語が魅力的である。
強迫したお金の謎やオペラ座の構想など途中退屈に感る部分があり読みにくい文体から読むのが面倒になるが、終盤の怪人による感情が語られるところと後日談は作品の印象を高める。解説も興味深く読めた。
ディズニーがこれを映像化するなら怪人がクリスティーヌの愛で魔法を解かれるエンディングにするのではと考える。まんま美女と野獣にはなるが。

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2023年11月05日

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ネタバレ

劇団四季から入ったけど原作も読んだ方が楽しめる ラウール(原作だとこっち、四季はラウル)のストーカーぶりがより際立っている気がするし、ファントムの狂気ぶりもなかなか クリスティーヌに会いたくて暴走してるラウールを止めようとしないフィリップ、血は争えないね
ダロガがとてもいいキャラしてるし唯一のまとも人ぽくて好き エリックと面識があったし彼のことを知り尽くしているから、もしファントムがコンプレックスを抱えていなくてまともな人生を歩んでいたら友達になっていたりするのかな 
生まれてすぐ母に仮面を投げつけられた、とあったけどそこから逃げ出して芝居小屋で見世物になって(そんなに強制力なさそうに読み取ったけど本当はどうなんだろう)いろんな人に技を教えて貰って…誰にも知られずただ地下で暮らすのには、彼にとって誘惑が多すぎた
支配人ズが2万フランをめぐって喧嘩してるの辛いよ~~~メグがクリスティーヌを「前はあんなに下手だったのに」とちょっと見下してたの悲しい

p.432のファントム「もう昔とは違う、ありのままの自分が愛されるようになってからは、誰にも増して気高い精神を持つようになった」が意味わかんなくて???てなった、どこをとればクリスティーヌにまるまま愛されてると思えるんだ…?だけどp.454で「愛してない、愛していないんだ!おまえはおれを愛していない!」に気づいてしまって、愛する人を傷つけていたと知った時の絶望は表せない 別れ際に自然な口づけを交わすことが彼にとってどれほどのことなのか、死後に金の指輪をはめてほしいと願った彼はどんな思いでクリスティーヌを見送ったんだろうね

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2023年07月25日

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読み上げと黙読を使い分けた。結果、半々ぐらいだったかな。
タイトルだけ知ってて、そこから想像してた物語とは全く違ってた。良い意味で。
というか、このタイトルからまさかこんなドキュメンタリー風の小説だと想像できる人がいるとは思えない。「オペラ座の幽霊の真実」だったら幾分マシだが、それだとセンスのかけらもない。
解説でも触れられている「幽霊」か「怪人」か?それが人間だと知った人や信じていた人にとっては「怪人」だけど、知らなかった人や知られるまでは「幽霊」だったんだろうな。
読み終わった後で考えればそうだけど、実際読んでいるときに「幽霊」と「怪人」が入り乱れていたら、それはそれで分かりづらいだろうな、と思う。
これしか読んでいないので、訳の良し悪しは分からないし、そんなこと言えるほど頭も良くない。
こればっかりは出会いだね、出会い。

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2023年05月12日

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コンプレックス、愛情の渇望、不信感や恨みなど人間が隠し持っている負の部分が多分に描かれている。怪人に嫌悪感を感じるのは、そんな感情に身に覚えがあるからかもしれない。ありのままの姿を受け入れてほしいという欲求は誰しも持っているのではないか。
自分に向けられた優しさや愛情は、人間性の基盤となり、優しさは循環していくものかもしれないと思った。

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2022年07月30日

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ブンガク
かかった時間180分くらい

言わずと知れた作品だが、意外に初読。
はじめの設定にはやや難儀したが、訳者の言うように、流れに乗れれば夢中になって読める作品だと思う。物語は魅力的で、語られる言葉は、これも訳者の言葉にあるように、身近でありながら大時代的で、とりわけ音楽の美しさや愛の至高性について語られた部分は、ほんとうに流麗でよい。

一昨年くらいから、近現代小説の名作?みたいなものを読むようにしているが、やはり読み継がれているものには価値があるなあと思う。この物語については、別の訳者の訳でも読んでみたいと思った。

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2019年05月02日

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ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」観劇を機に、オペ怪原作を読もうと思いたって。
もともと、ロイド・ウェバー版とコピット版のちがいが気になって居たんだけど、原作を読んで「どっちも違うじゃんww」となる私。
原作のエリックが一番哀しいんじゃないかな…と。
お父さんの話もしっかり書かれていたことが分かり、長年疑問だったロイド・ウェバー版の「墓場にて」のシーンがしっくりきた。
オペラ座の怪人って原作読んでないといけない作品だったのかwww

原作の登場人物たちは、自分の欲望(欲求ではない)に忠実で、それぞれのぶつかり合いの果てに悲劇が生まれる。
途中、えぐいシーンもあるけれど、いろいろなことが納得できる原作でした。
ジリーおばさんがミュージカルだとすらりとした不気味で冷静な人なので、そこだけは原作読んでがっかりしてしまったのですが、ジリーおばさんもまた、欲望に忠実なんだよね。
いろいろなものが線でつながりました。
名作だと思う。

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2014年05月18日

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醜いエリックは「人並みの幸せ」を求めてオペラ座の歌姫クリスティーヌを攫う。この辺に何となく反発したあたり、やっぱり自由主義が(俺の中で)ナンバーワン!

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2013年11月18日

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映画への愛で読み切れたといっても過言ではない。
小説だけだと刺さらなかったかも。(私の読解力の問題も関係しているが)
映画では、怪人が世の中の全ての悲しみを知っている雰囲気があったのだが小説の怪人からはそれが読み取れなかった。もう少し怪人の描写が必要なのでは?と思う。なんだかラウールの話が多過ぎな気がする

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2024年09月04日

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四季の舞台鑑賞がきっかけで読んでみた本。

分厚い上に昔の作品なので、読む前は抵抗感がありましたが、めくってみると翻訳の文章が読みやすかったからか意外と一気に読めました。

中学の頃に読んでたエドガー・アラン・ポーなどの怪奇小説?と似た空気感かも。

フランケンシュタインの怪物と同じく、こちらの怪人も可哀想な印象を与えるのですが、最後の最後でこっちの怪人の方がまだ救いはあったのかな、と思える読後感でした。

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2024年06月23日

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怪人エリックの秘話。エレファントマンのジョン・メリックが浮かぶ。せけんへの復讐心もありながら、普通の人でありたいと願う。巨大な建造物オペラ座の奈落への冒険譚もはらはら、わくわくする。2024.3.14

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2024年03月14日

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長かった…
ミュージカルを観に行く予習として読んだ。
はじめは超簡潔にまとめられた英語本を読んでいて、ついていけなかったので副読本としてこちらを呼んだら理解が深まった。

オペラ座の怪人って、お化けじゃなくて人間だったんだ、というのが意外。
オペラ座に行ったら本当にカラクリがあるのかな?

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2024年01月08日

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有名だけど初めて読んだ。古典だからもっと抽象的な話なのかなって勝手なイメージを持っていたけど、意外と読みやすくて現代的だった!ペルシャ人の存在が少し安心感を与えてくれて良かった。

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2022年11月27日

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ガストンルルーといえば、高校の時に「黄色い部屋の謎」を読んだような記憶があったが、光文社の古典新訳文庫から「オペラ座の怪人」がでたと知って早速読んでみた。期待していたのだが、洋書の翻訳は意味不明な部分が多く、あまり深く考えずに読み飛ばしていくのが正しいと実感した。前半は怪人の怖さがあったが、後半はダーエとの愛憎が読んでるこちらにはあまり感じられなく食傷気味だった。

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2020年03月05日

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アーサー・コピットさん脚本の「ファントム」を以前観に行ったのでせっかくならとこの本を読んだ。けっこう内容が違うのね!
「ファントム」の良さを語るのは割愛するとして…この作品に登場するエリック、つまりファントムは前半かなり怖い。本当に人間なのかと疑うくらいだった。後半のペルシャ人の手記あたりからファントムの人間味が徐々に描写されていく感じだった。なので後半を読みすすめるとちょっと胸が苦しくなる。特にファントムがクリスティーヌに言った台詞「愛されさえすれば〜」は、幼少期から孤独に生きていたファントムの背景を想像すると涙なしでは読めない。
最期まで孤独な人だったなという印象だったけど、解説を読むことによってファントムの死への解釈がかなり変わった。クリスティーヌと出会って愛を知ったことによりファントムはファントムではなくエリックとして死ねたんだと思う。

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2019年05月29日

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ネタバレ

怪人の愛と悲劇。

劇団四季を観に行ったので。本当は観る前に読みたかったのですが、ちょっと取り掛かりが遅く。原作とミュージカルは割と印象が違った。原作の細かい部分をそぎ落とした感じ。

ラストで怪人の気持ちがわかってしまったような、一緒に震えたような、そんな自分に驚く。愛するということは、どういうことか。愛されたことのない怪人が、自分への愛を感じて、愛を知り、クリスティーヌを開放する。ラウルとクリスティーヌは身分としては結ばれない恋だった。この事件と共に二人は行方をくらます。世間に広まるのは、一連の悲劇。怪人を掘り下げたという宝塚の方も、機会があれば観たい。

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2018年04月23日

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