平岡敦のレビュー一覧

  • 殺人七不思議

    Posted by ブクログ

    オーウェン・バーンズシリーズ。「世界七不思議」に見立てた七つの不可能殺人。芸術的にすら見えるその数々の事件と、次々と予告状を送り付ける大胆不敵な犯人。ミステリとしての楽しさがもうめいっぱいに詰まっている印象です。振り回される警察は気の毒ですが。
    ただ、数々の事件のトリックは明かされてみると意外にシンプルで逆に驚かされました。解決編でテンポよく明かされていく謎に唖然茫然。そんな単純なことだったの? 中でも第四の事件の真相に一番びっくり。ていうか、そんなんありか! とぶっ倒れそうになりました(笑)。
    そしておまけというには豪華すぎる芦辺拓「解凍された密室」。ツイスト博士と森江春策の共演という読みご

    0
    2020年11月23日
  • ブラック・ハンター

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スウェーデン人のバランダー、グレーンスときて、フランス人ニエマンスもアラウンド還暦の姿で再登場。
    知力、体力ともにバリバリの頃を思い出して切なくなるが、いずれも作者が齢を重ねていく上当然なことなのだなぁ。読者の方もまた。(引き寄せか?)

    フレンチミステリの屈折具合は馴染みのもので、それが合わない方には気持ち悪いかとは思うが、私はむしろ好きなので楽しめた。
    フレンチミステリがドロドロなのはフランス人だからかと思ったら、今回はドイツ人の大富豪一族が。アルザス地方ならではの複雑さも良い。

    アラ還刑事は体を労わりつつ、節制に努め、体力つけないといけないから大変だわ。

    0
    2020年10月08日
  • あやかしの裏通り

    Posted by ブクログ

    不可解現象をトリックに使った本格推理小説。ポール・アルテ著のオーウェン・バーンズというアマチュア探偵が謎を解くミステリ。体裁としてはシャーロック・ホームズやクリスティのような謎解き。本格好きにはしっくりくる作品。しっくりしすぎて、どこかで読んだ気になってしまうのが惜しいところか。特にロンドンを舞台にしているので、どうしてもホームズと比較したくなる(してはいけない)。作品自体は、「どのように不可解な謎を解くのだろう」とドキドキしながら読んだ。最後の謎解きで明かされる、犯人の巧妙な手口については、本格らしく天と地をひっくり返される驚きもある。さくっと読めるので、謎解きが好きな人におすすめ。

    0
    2020年09月10日
  • 黄色い部屋の謎【平岡敦訳】

    Posted by ブクログ

    新訳になったことをきっかけに何十年振りかで再読。犯人は記憶に残っていたが、メイントリックの細かな点は忘れていたし、機械的、物理的トリックではないので、再読でも結構楽しんで読めた。

    百年以上前の作品であるが、新訳は文章もこなれており、古臭さを感じずに読むことができる。是非海外ミステリーのクラシックを若い読者に読んで欲しい。

    0
    2020年06月28日
  • クリムゾン・リバー

    Posted by ブクログ

    後書きにあるように雰囲気はあるけど、筋がご都合主義。殺す方も殺される方もなしたことの動機が今ひとつ響かない

    0
    2020年05月27日
  • 天国でまた会おう 上

    Posted by ブクログ

    戦争とサスペンスの組み合わせが新鮮
    登場人物の人間性も程よく描写されているとおもう
    上巻は重苦しい展開なので 下巻に期待したい

    0
    2020年04月22日
  • あやかしの裏通り

    Posted by ブクログ

    霧のロンドンに消える路地。そこに迷い込んだものは過去の幻影を見たり、二度と戻って来なかったりするという。友人ラルフの不思議な体験を聞いて、オーウェンは路地の謎を解くべく捜査を始めるが…
    二十世紀初頭のロンドンを舞台にしたクラシックな味わいの本格ミステリ。冒頭の怪奇な謎がかなりワクワク。なかなかに凝った事件だが、展開が速く分量も少なめで読みやすかった。(というかあっさりしすぎ?)
    犯人はもっと他にやりようはなかったのかとは思うけど。
    オーウェンはシリーズ探偵らしいので、他の作品も読んでみたい。

    0
    2020年01月28日
  • 天国でまた会おう 下

    Posted by ブクログ

    ミステリではないので、どんでん返しはないが、最後の展開はドキドキした。
    一部史実を混ぜてるところに、リアリティを感じたんだと思う。
    面白かった。

    0
    2019年11月01日
  • 天国でまた会おう 上

    Posted by ブクログ

    いわゆる戦争ものだが、戦争の描写は少ない、基本的には戦後の話だが、いや〜、全く展開が読めなくて面白い。
    早く下巻が読みたい。

    0
    2019年11月01日
  • 金時計

    Posted by ブクログ

    「名探偵オーウェン・バーンズ」シリーズの第二弾。今回も不可能犯罪物で、雪の密室がメインの謎になっている本格ミステリ。
    雪上の足跡トリックは、もう出尽くしたと思っていたが、まだこういうアイデアがあったとはね。アルテ氏、流石です。面白かったです。
    ただ、今作は構成だけがあまり好みではなかった。過去と現代が交互に描かれていて、名探偵は過去の殺人事件にのみ活躍する。現代の方の謎と、それが過去の出来事にどう関わってくるかが見所でもあるのだが、その点は巧みと思えなかった。もっとシンプルに、名探偵が不可思議な謎に真っ向から挑む話が読みたいなあ。次回作はそうであって欲しい。

    0
    2019年08月11日
  • 炎の色 下

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    さすがルメトール、ストーリーテリングは秀逸。ヒトラーが台頭する混乱のフランスを舞台にした没落貴族女性の復讐劇。ルメトールは、前半はこれでもかこれでもかという悲劇(わが子が車椅子になってしまったり、周囲に騙され資産を失ったり)を描き、後半はこれら騙された相手を秀逸に復讐する物語を描く。これだけの登場人物を魅了あるキャラクターに仕立て上げ、それぞれを絡ませながら、なおかつ面白く描くルメトールに脱帽の一冊。

    ただ今までの作品に比べて鈍った印象。登場人物たちが多くてそれぞれの人物の描きわけが短かったり、はじめから全て関係した一つのストーリーだったからだと思う。今までの作品は、章によって登場人物が書き

    0
    2019年08月09日
  • カリオストロ伯爵夫人

    Posted by ブクログ

    「熱烈な恋人同士でありながら最大の敵」という複雑な関係性の描写は今観ても劣ることなくドラマティックでありスリリング。そして二人を別った理由も、今でも通用する「悪役でも守るべき一線」であり実にわかりやすかった。

    しかしルパンの移り気の早さを「若いからしゃーない」で済ますあたりは本当酷いw

    0
    2019年05月06日
  • オペラ座の怪人

    Posted by ブクログ

    ブンガク
    かかった時間180分くらい

    言わずと知れた作品だが、意外に初読。
    はじめの設定にはやや難儀したが、訳者の言うように、流れに乗れれば夢中になって読める作品だと思う。物語は魅力的で、語られる言葉は、これも訳者の言葉にあるように、身近でありながら大時代的で、とりわけ音楽の美しさや愛の至高性について語られた部分は、ほんとうに流麗でよい。

    一昨年くらいから、近現代小説の名作?みたいなものを読むようにしているが、やはり読み継がれているものには価値があるなあと思う。この物語については、別の訳者の訳でも読んでみたいと思った。

    0
    2019年05月02日
  • 水晶の栓

    Posted by ブクログ

    政界の黒幕ドーブレック代議士の別荘へ侵入したルパン一味。ところが計画が狂い、ルパンが可愛がっていた青年ジルベールを含む二人の部下が逮捕されてしまう。怪盗の部下逮捕の報に世間は沸きたち、迅速な死刑が決定した。部下救出に策を凝らすルパンは、そもそもの発端であるドーブレックがその力の源とする、ある品物に狙いを定めるが・・・迫りくるタイムリミット、強大な敵との対決。ルパン最大の苦闘が、今始まった。

    はあーー意図せず平成最後の日に読み終えることになりましたが、やっぱり最高だ。ルパンシリーズの中でも屈指の名作だと思います。最後の最後まで気が抜けないというか、上手くいったと思わせたりこれはもう本当にダメな

    0
    2019年04月30日
  • あやかしの裏通り

    Posted by ブクログ

    霧の中から現れ、そしてまた消えてしまうクラーケン・ストリート。迷い込んだ人たちが過去や未来の幻影を目の当たりにし、あるいは失踪してしまう「あやかしの裏通り」の謎を追う幻想的で不可思議なミステリ。
    どこからどう見てもこれはもう「不思議」としか言いようのない事件です。時空の歪みとか、どう解釈すればいいのやら。もうこれは本格じゃなくって広い意味での幻想ミステリなんだろうなあ、まあそれでも面白いからいいや、って思いながら読んでたら……本格ミステリだった!
    しかも真相が見えたと思ったその後もまだまだ気を抜けず。やられたなあ。

    0
    2019年03月17日
  • 炎の色 下

    Posted by ブクログ

    『天国でまた会おう』の続編と思って読むと、何か違う感じ。。。
    三部作だそうで次も手に取ると思うけど、同じ設定上にある別の物語ぐらいに思ってた方がイイかな?

    0
    2019年03月05日
  • 炎の色 下

    Posted by ブクログ

    説明過剰な感もありましたが、周到にやりきったな、という感じです。雰囲気としては、やっぱり「アレックス:が好きです、

    0
    2019年02月20日
  • あやかしの裏通り

    Posted by ブクログ

    ポール・アルテの実に8年ぶりの新刊。今までのハヤカワ・ポケミスから、聞いた事の無い出版社に変わった事情は知らないけど、もう読めないのかと危惧していたので有難かった。デビュー以来一貫していた不可能犯罪系ミステリの作風は健在で、今作は路地が忽然と消失する謎。そのメインの謎自体はバカミスに近い都合の良い物だったが、その回りの細かいサブ的な謎が巧くて、ポール・アルテの面目躍如。幾つかの手掛かりが後出しでも気にならない位に面白かった。是非この新シリーズは最後まで刊行して貰いたい。

    0
    2019年01月22日
  • クリムゾン・リバー

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    凄惨な殺人や別の町で起こる事件との関連や次々と展開されていくのは面白い。主人公2人の刑事も魅力的で行動すれば何か起こるし起こす。事件の裏にある恐ろしい計画が見え始めてくると人間の歪んだ感情に驚かされる。もう少し2人の刑事に迫ってほしかったなという思いもあった。でも一気読みの作品。

    0
    2019年01月16日
  • 炎の色 上

    Posted by ブクログ

    1927年ー1929年
    1933年

    所はパリ。実業家の頭首が亡くなり、残されたのは娘と孫。葬儀の日に孫に起きた起きた悲劇。二人を食い物にする輩がそこにもここにもいる中で協力者はいるのだろうか

    0
    2019年01月03日