平岡敦のレビュー一覧
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前にも単行本で読んでいたが気付かずに再読。
読んでいる時には毛ほども注意しなかった事項も作者からの指摘には俄然頷ける。というより真相は本書の方が近い気がする(ネタバレになるので詳述はしない)。『アベ荘園』という短編でも恐ろしい裏の真相を推理している人がいたけど本書もそれと同類の怖さがある。
二段構えというかオチを本書の方に持っていけばサスペンスミステリーとして名前が残ったと思うが改めてドイルが気づいていなかったのかと再考。ドイルの持ち味はスッキリした読後感にあると自分は考えている。騎士道精神の持ち主であり歴史小説家(本人はそう思っていた)でもエンタメ要素を忘れない人なので敢えて本書の様にしなかったのではあるまいか。
それにしてもこんな風に色々解釈できる作品という事が本書を読んでまた分かった。やはりシャーロック・ホームズシリーズは不朽の名作! -
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ネタバレ2025年の12、13冊目は、フランスの誇るジャン=クリストフ・グランジェの「ミゼレーレ」です。
タイトルの「ミゼレーレ」は、イタリアの作曲家グレゴリオ・アレグリが、旧約聖書詩篇第51篇を元に作曲した合唱曲です。この合唱曲が、当然ながら全編を通して大きな鍵となって来ます。アルメニア使徒教会で聖歌隊の指揮者が殺害されます。更に関連したと見られる殺人事件が続けて起きます。最初は、グランジェお得意のバロック風ミステリーの体で展開して行きますが、徐々にカルト宗教に絡んだテロ話に集約して行きます。(オウム真理教も言及されています)そして最後は、要塞化されたような宗教施設に乗り込み、まるでC.J.ボックスのジョー・ピケットばりのアクションシーンでエンディングを迎えます。
主人公は、停年退職した元殺人課の刑事カスダンと青少年保護課の刑事ヴォロキンです。老刑事と青年刑事の組み合わせもグランジェのお得意で、「クリムゾン・リバー」を彷彿させます。そして、この刑事は2人共に大きな問題を抱えています。
一番の読みどころは、事件の顛末よりも主人公2人のキャラクターと衝撃過ぎる過去ではないでしょうか。カスダンの過去にはやられました。流石、グランジェと言った所でしょうか。
☆4.6 -
購入済み
読みやすい
子供のころに南洋一郎氏のルパンシリーズを読んだことがあり、もう一度その世界を大人向けの訳で味わいたいと思って選びました。
期待通り、難しくもなく、やさし過ぎもしない文体で満足してます。 -
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【2024年203冊目】
作家を生むための創作合宿――南太平洋仏領ポリネシアのヒバオア島に集められた五人の女達。号令をかけたのは人気ベストセラー作家。島で滞在しながらそれぞれが創作に勤しむだけの理想的な環境。の筈だったのに、参加者の一人が滅多刺しの死体で発見されて――。
外国の小説というのは翻訳されていても、日本の小説とは全く文体も、リズムも違うので、初めて読む方は戸惑うのではと思います。訳者によっても読みやすさは大いに異なるのですが本作は読みやすいので安心できますし、異国のリズム感を楽しめます。
明示されているようで隠されているようにしか思えない真実に翻弄されっぱなしでした。ミステリーに慣れた読者でも疑いはしても確信はできず、終始居心地の悪さを感じることになるのではないでしょうか。
謎解きは結構明白にされるので、ややこしい設定でもちゃんと理解できますご安心を。信じたり疑ったり、読みながらも一緒に推理できる小説で楽しいと思います。
唯一私的に混乱したのは名前。カタカナに弱いので、適宜登場人物一覧に戻りながら読みました。