平岡敦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ2025年の12、13冊目は、フランスの誇るジャン=クリストフ・グランジェの「ミゼレーレ」です。
タイトルの「ミゼレーレ」は、イタリアの作曲家グレゴリオ・アレグリが、旧約聖書詩篇第51篇を元に作曲した合唱曲です。この合唱曲が、当然ながら全編を通して大きな鍵となって来ます。アルメニア使徒教会で聖歌隊の指揮者が殺害されます。更に関連したと見られる殺人事件が続けて起きます。最初は、グランジェお得意のバロック風ミステリーの体で展開して行きますが、徐々にカルト宗教に絡んだテロ話に集約して行きます。(オウム真理教も言及されています)そして最後は、要塞化されたような宗教施設に乗り込み、まるでC.J.ボックス -
購入済み
読みやすい
子供のころに南洋一郎氏のルパンシリーズを読んだことがあり、もう一度その世界を大人向けの訳で味わいたいと思って選びました。
期待通り、難しくもなく、やさし過ぎもしない文体で満足してます。 -
Posted by ブクログ
【2024年203冊目】
作家を生むための創作合宿――南太平洋仏領ポリネシアのヒバオア島に集められた五人の女達。号令をかけたのは人気ベストセラー作家。島で滞在しながらそれぞれが創作に勤しむだけの理想的な環境。の筈だったのに、参加者の一人が滅多刺しの死体で発見されて――。
外国の小説というのは翻訳されていても、日本の小説とは全く文体も、リズムも違うので、初めて読む方は戸惑うのではと思います。訳者によっても読みやすさは大いに異なるのですが本作は読みやすいので安心できますし、異国のリズム感を楽しめます。
明示されているようで隠されているようにしか思えない真実に翻弄されっぱなしでした。ミステリーに -
-
Posted by ブクログ
南洋の島で開かれる創作アトリエに参加したベストセラー作家と作家志望の五人の女性。しかし五人に課題を残して作家は失踪、やがて殺人事件が起こる。明るい印象のリゾート地だし実は無人島ではないし、だけれどやはり孤島ミステリの風格がある、スリリングなミステリです。
「語りにして騙りのミステリ」とはなるほど。叙述ミステリーの巨匠って、それはもうネタバレでは、という気もしなくもないけれど、だからといって見抜けはしません。参加者が一人減り二人減り、最後の二人になってからでも「え?」と驚かされます。うわ、そういうことか~。そして真相を知ってからもう一度各ポイントをチェック。ううむ、お見事。
物語としてのラストも -
Posted by ブクログ
オーウェンの元に届いた一通の手紙。
次々と予告されては実行される不可能犯罪。
世界七不思議になぞらえた事件の捜査に乗り出したオーウェンは、二人の青年と一人の美女の関係に注目するが……。→
7つの事件はどれも不可能でアクロバティック。予告は毎回絵画にまだ乾かない絵の具で直書き。
どの事件もまるで作られた芸術作品のようで、まるで動機が見えない。
振り回されるウェデキンド警部がなんとも悲しい……。
登場人物の一人である美女アメリーが苦手なタイプでなかなか嵌まれず→
気づけば読み終わっていた感じ……うぐ。
あと、「あやかしの裏通り」では「ほっそりとした長身で顔つきは若々しく」だったオーウェンの描写 -
Posted by ブクログ
GW中に海外の古典ミステリーを読み直そうって思って。高校生のころに読んだ時は70年ほど前の作品だったけど、今や120年ほど前の作品になってしまいました。新訳になったので新たな気持ちで。
作品は「オペラ座の怪人」の原作者として有名なガストン・ルルー。この作品の探偵役は、18歳の記者ルルタビーユ。探偵として読む分にはいいけど、どうも好きになれないタイプ(大概の海外ミステリーの探偵は、大げさと言うほど思わせぶりで、自信満々で、他人を小ばかにするから嫌い)
トリックもすっかり忘れていて新鮮な気持ちで読めました。120年ほど前の世界、科学捜査もない時代だから論理だけが優先される感じ。科捜研の女に捜査 -