平岡敦のレビュー一覧

  • 黄色い部屋の謎【平岡敦訳】

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    ネタバレ

    古典ミステリを読もうと思う周期があり、ちょうど新訳しかもカバーデザインがクラフト・エヴィング商會なので買った。

    翻訳ものは苦手で敬遠していたのですが、こちらはとても読みやすかったです。

    まず勘違いしていたのが、黄色い部屋は何か犯罪後の異常な事態でそうなっていたのかと思っていたら壁紙が黄色い部屋のことだった。
    密室の謎も物理というより心理によるもので、そこは確かになるほどなと思わなくはないが、少し拍子抜けでもある。

    廊下の消失は、変装そんな凄いの⁉︎服装同じじゃない⁉︎あ、これオペラ座館のやつだ!(一番ダメな気付き)数十年越しにオペラ座だから同じ作者の作品からパクったと知りました…。

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    2022年09月02日
  • われらが痛みの鏡 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    レストランのシェフと車で逃げる途中で銃撃され、
    シェフを残し見知らぬ赤ん坊三人と逃げだしたときには、
    いったいどうなるのかと思ったが、
    避難所となっていた教会にたどりつき、
    無事だった時には安心した。

    軍隊でずる賢く立ち回っていた部下の男がエレーヌの兄で、
    出生の秘密を知ったとたん改心したのは、
    「レ・ミゼラブル」のお国柄なのか。

    詐欺師デジレの存在意義が今一つわからなかったが、
    シェフも結局無事だったし、
    エピローグでみんなが幸せそうで良かった。

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    2022年08月23日
  • われらが痛みの鏡 上

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    ネタバレ

    「天国でまた会おう」の三部作の最終作。

    小学校の教師で週1回レストランでウエイトレスとして働いているエレーヌ。
    レストランに訪れた客の男から、裸を見せてくれと頼まれる。
    逡巡したあげく望みに応じると目の前で拳銃自殺をされてしまう…。

    一方、ドイツ軍の侵攻に備える軍隊の軍曹。
    調子が良く賭け事や物資の横流しに長けている部下に振り回される。

    三部作のはずがどこにつながりが、と思っていたら、
    エレーヌが「天国でまた会おう」に登場した、
    二人の主人公が住んでいた家の貸主の娘だった。

    拳銃自殺をした男が母の昔の恋人であり、
    二人の間に息子、エレーヌの兄がいるとわかり、
    探そうとするエレーヌ。

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    2022年08月23日
  • 第四の扉

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    冒頭読み進めて、まず思ったのが「雰囲気が軽い!」ということでした。
    ギミックとしては、幽霊屋敷、密室殺人、交霊、生まれ変わり、etc…。
    意外な展開の連続で、実は何十年にも渡る殺人絵巻的なストーリーだったり、メタミステリぽかったりもします。

    重厚なゴシックミステリを期待すると肩透かしを食らうと思いますが、物語の仕掛け自体は楽しめました。

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    2022年08月17日
  • 死が招く

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    ディクスン・カー風の怪奇味こそ横溢しているものの、謎とその解明以外の、物語的要素をかなり思いきりよく切り捨てた感じのミステリ。この手の趣向は、本邦でもよく見られるが、大体がクイーンを崇めるというタイプの作家さんが好むもの。ディクスン・カーの名前を出す作家さんなら、犯人らの人物造形と、おぞましきその動機的なところに、本編と同じくらいに力が入るのがスタンダードな気がする。そう考えると、解説に密室好きなのに、あっさりした作風の大山誠一郎氏というのはぴったりかも。

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    2022年07月25日
  • 混沌の王

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    オーウェン・バーンズシリーズ第一作。
    毎年聖夜に現れて誰かの命を奪ってゆく「混沌の王」という仮面の怪人、交霊会、雪密室、とクラシックなガジェット満載の本格ミステリ。
    魅力的な謎に比べて解決はいろいろ都合がよすぎな気もするが、ワクワク感があって楽しく読めた。
    探偵役のバーンズがいまいち好きになれないのが残念。

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    2022年07月01日
  • ルパン、最後の恋

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    子供の頃に読んだ懐かしさをかんじなから、読み終えた。
    キャラクターの名前が覚えられなくてなかなか話が頭に入ってこなかった。
    早川ポケットミステリーの装丁はgoodでした!

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    2022年06月20日
  • 赤い霧

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    ネタバレ

    前半と後半の繋ぎが無理やりに感じられた。
    別々の本にした方がよかった。
    前半の雰囲気は好きだった。
    語り部の正体については予想してなかった人物だったので、新鮮な驚きをもって次に読み進める事ができた。
    犯人(1人目)が殺戮に至る経緯や心の動きは、この枚数では表現できておらず、不自然さしか感じなかった。
    被害者が即あんな犯罪を犯す人格に変貌する訳ないじゃん、としか思えない。
    また、この本の主役といえる犯人の方は、経歴などで途中から分かっていたが、そのサイコな心理を追う物語にするのか、パズラーの要素を追求するのか、どちらかに振った方が良かったのではないか。どちらも中途半端になってしまった印象しかない

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    2022年05月22日
  • 虎の首

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    ポール・アルテのツイスト博士シリーズは好きで何冊か読んできたが、この作品だけは後味が悪く、好きになれなかった。
    不可能犯罪や全体の雰囲気は悪くないが、ページ数の割にいろいろと詰め込みすぎで、其々に対する印象が薄まってしまったことと、最後の彼のやり方に対する疑問と違和感でモヤモヤしてしまう。

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    2022年05月12日
  • 殺人七不思議

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    世界の七不思議に見立てた連続殺人。殺人予告を警察に送りつけては不可能犯罪を実行していく犯人の狙いとは‥
    序盤はワクワクしたが思ったよりこじんまりした展開で、解決編もあっさりしていた。トリックというか真相もかなり危なっかしいもの、無理だろと思うものもあり。しかしこの強引さこそアルテという気はする。犯人の心情ももう少し丁寧に描いてくれるとよかったが、読んでいる間は楽しめた。

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    2022年05月06日
  • 金時計

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    1911年と1991年の物語が交互に語られていき、金時計、磔刑像、『黄衣の王』などどちらにも登場する小道具が謎を呼ぶ異色ミステリ。
    クラシックな密室殺人とサイコサスペンスっぽい過去への探求物語はそれぞれ魅力的だが、結び付ける必要はあったのかなという気はする。(2つのパートの結びつきについては、解説を読んではじめて気づいた。)
    しかし子供の頃に見た映画を探すための精神分析から怒涛のようにラストに続く流れはワクワクした。やはりアルテは面白い。

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    2022年04月24日
  • われらが痛みの鏡 下

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    戦争って・・・
    もっと者がない事かと思ってたのに
    あるところにはあるのねえ

    それでもやっぱり
    タイトルには・・・

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    2022年03月22日
  • 死まで139歩

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    ツイスト博士シリーズ。
    暗号のような言葉を残して消えた女、毎日手紙を運ぶ怪しげな仕事に雇われた男、施錠と五年分の埃という密室の中に忽然と出現した死体・・不可解な出来事がツイスト博士によって一つに結びついてゆく。
    序盤のサスペンスは古典的で大変ワクワクしたが、真相がわかって実際やっている様子を想像すると少々無理があるような。しかし本格ミステリっぽさ全開の楽しい話だった。

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    2022年03月16日
  • 死まで139歩

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    ネタバレ

    読んでいる最中に浮かんだいくつもの?に
    解説で法月倫太郎先生が鮮やかに回答をくださり、すっきりした。

    わたしが大好きな殊能将之氏が、いかにポール・アルテが好きだったかという件はとても読み応えがあってよかった。

    フレンチミステリはやはり奇妙な味がする。

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    2022年02月09日
  • 混沌の王

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    しょっぱなの主人公の行動からして謎でね、フラグたてて、見事に人死んじゃうし。
    知らん女性の美醜についてとやかく言うアキレスにはデコピンしたい。
    なんだかんだでこの人の作品、好きなんじゃ。

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    2022年02月06日
  • 殺人七不思議

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    ネタバレ

    4件目の被害者の死に方というか死に至った原因の癖が強すぎて、思わず声が出ました。〝クセ〟というか、〝へき〟だなと。
    七不思議やわ〜。
    これ、ネタバレになるのかしら。

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    2022年02月06日
  • 第四の扉

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    ポール・アルテという作家の推理小説を次々読んで感じるのは、導入部の面白さと謎解きの物足りなさだ。「第四の扉」でも、おどろおどろしい導入ストーリーはとても面白く、ぐんぐん読めてしまう。しかし謎解きとなると・・・果たしてこれは本格推理と呼ぶべきなのか?

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    2021年12月22日
  • 世界ショートセレクション1 ルブラン ショートセレクション 怪盗ルパン 謎の旅行者

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    フランスの作家、モーリス・ルブランが産み出した傑作、「怪盗紳士アルセーヌ・ルパン」シリーズから、ルパンがルパンを追うという、摩訶不思議かつ巧妙な設定にひきこまれる表題作はじめ四つの短編を選び、新訳で紹介する。

    早川文庫からシリーズ全巻新訳が出ないかな~と首を長くして待っているのですが、売れ行きが厳しいのか頓挫していて寂しい。なぜか短編集が理論社から出るという謎。平岡先生の新訳は非常に読みやすくて好きなので迷わず購入しましたが、どうせなら文庫で出してほしかった気もする。内容はどれもわくわくする素晴らしい作品です。特に「赤い絹のスカーフ」はルパンの推理が冴える名作。しかしこうして振り返るとルパン

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    2021年09月18日
  • われらが痛みの鏡 下

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    三部作、終了。
    様々な人間模様が楽しめた。

    最終的に登場人物が同じ場所に行きついて、「集結した!」と声を出してしまいました。

    デジレ気になる。
    詐欺師でも、人を救えるらしい。今までの罪滅ぼし?とも思ったけど、違ってた…デジレだけで、1冊書いてほしい。

    ジュールさんも素敵。パリに戻った翌日にはお店を開けるとか、本当に素敵!

    それにしても、私はこの戦禍をくぐりぬける自信はない…もちろん、ご先祖様たちはくぐり抜けてきたわけだけど。

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    2021年09月10日
  • われらが痛みの鏡 上

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    昔、親戚がフランスの方と結婚し、その義理のお母さまが、ドイツはフランスをぐちゃぐちゃにし、大切なピアノも壊された。一生、許さない。
    と言っていた話を思い出しました。
    ちょうど、この頃なんだなぁ…

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    2021年08月31日