平岡敦のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
大西洋を行く客船プロヴァンス号に無線が入った。「貴船にルパンあり。一等船客、金髪、偽名はR…」あの怪盗紳士がこの船に!いったい誰がルパンなのか?船客たちは恐怖と興奮に沸きたつが―世界に知らぬ者なきヒーローが誕生した記念すべき「アルセーヌ・ルパンの逮捕」など、傑作九篇を収録。ルパンの前にルパンなく、ルパンの後にルパンなし。変幻自在、神出鬼没、快刀乱麻の怪盗の活躍を、最新訳で贈る第一弾。 (「BOOK」データベースより)
ルパン逮捕される
獄中のアルセーヌ・ルパン
ルパンの脱獄
ふしぎな旅行者
女王の首飾り
ハートの7
アンベール夫人の金庫
黒真珠
おそかりしシャーロック・ホームズ
子供の頃以 -
Posted by ブクログ
「赤髯王の呪い」
作品中に横溢する怪奇趣味とおどろおどろしい雰囲気と、物語が始まって一回も殺人事件が起こらないのに、いくつもの怪奇的な事件が語られる展開。
すさまじいまでにカーを意識した作風と作品と言った印象。
メインに据えられている事件は、一読した感じでは「?」だったのだけど、軽く再読するとけっこう分かりやすい伏線が貼られているのに気づいてびっくり。
最後まで読んで、初めて納得できる手がかりのように思った。
「死者は真夜中に踊る」
「困難は分割せよ」を実践してるなと思った。動機が納得しにくいけど、ミステリと割り切れば面白い。
「ローレライの呼び声」
個人的には一番面白かった。
「コニャ -
Posted by ブクログ
ジョン・ディクスン・カーを連想させる作家。全編を縁取る怪奇趣味、謎解きへのプロセス、さらにはキャラの雰囲気から読みやすさまで、“カー色”に溢れているが、決して猿真似というわけではない。むしろ、作品全体の統一感という点では本家に勝るのではなかろうか。これだけガチガチの本格で勝負されると、読むほうも無意味に身構えそうになるのだが、その辺を軽妙な筆致でうまく逸らしてくれるため、ラストまでいいテンポを持続したまま読み終えることができた。難を言えば、事件そのものが少し小ぶりの割りに、それ以上の展開を書こうとして無駄なシーンが目立つことだろうか。トリックは平均レベルだが、舞台設定や構成が巧みなので、それ以
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Posted by ブクログ
今現在も絶大な人気を誇る怪盗ルパン、そんな彼のデビュー作がこの本です。
現在も様々な作品に彼や彼のキャラクターを引き継いだ人物が登場していますし(有名どころだとルパン三世はアルセーヌ・ルパンの孫の設定だし、コナンの怪盗キッドはルパンのキャラにかぶっていますよね)、子供向けの本で読んだ方も多いと思います。
大人向けのルパンを読むまでに持っていたニヒルで人々をあざ笑いながら軽々と宝物を盗んでいくイメージはいい意味で裏切られますね。
好きな女性に自分がルパンだとばれて嫌われはしないかとおびえたり、数年後に事もあろうに泥棒の現場で再会した彼女に見つめられるだけで莫大なお宝をあきらめたり。
はたまた、