あらすじ
〈ツイスト博士〉エチエンヌは兄から届いた手紙に驚愕した。ある晩、兄が物置小屋を窓から覗くと、そこには十六年前「赤髯王ごっこ」をしたために呪いで刺殺されたドイツ人少女の姿があったというのだ……『第四の扉』刊行以前に私家版として発表された幻のシリーズ第一作。ほかにシリーズ短篇三作を収録。
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Posted by ブクログ
フランスのミステリー作家、ポールアルテの作で主役はツイスト博士。フランス・アルサス地方の出身でイギリスでコックをしているエティエンヌはイギリスに渡って10年になる。数年前の交通事故で記憶の一部がなくなる。アルザスは普仏戦争、第一次世界大戦、第二次世界大戦でいずれもドイツに併合されるという怨念をドイツ人に対して持っていた。少年時代にドイツ人の美少女が惨殺されるという事件が起こる。その美少女エブァが現れ、10年振りにアルザスに帰って、ツイスト博士が解決していく。掌編も3部まとめられている。
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短編集
大体どんでん返しっぷりに慣れてきた。
ミステリーとしても、過去の作品のパロディを用いており、そこら辺は解説でわかる。たまたま知ってる作品だから良かったが。
トリックの構成は面白いが、現実的にこれをやる犯人って何考えてるのかわからん。不確実性が少し目に付いた。
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短めの長編1作と現在の所発表されている短編3作を収録されたもの。
赤髭王の呪い
思春期に見せる回想、時代とその場所における出来事をうまい具合に動機に結びつけ、犯罪を成立させている。これが賞(アルザス=ロレーヌ作家協会賞)を受賞したというのも、なんか分かるような気がする。
短編も全て不可能犯罪。短いページに上手くまとめたもんだなぁ、と思う。3作の中では「コニャック殺人事件」が好みです。
Posted by ブクログ
フランボワーズのブランデーってどんな味か気になる。すもも酒も味見してみたい。
内容としては複数作品いくつかが「赤い霧」の草稿かと思わせる。普仏戦争とかドイツの支配とか、あの辺の歴史が、当事国と外国とでは全く意味が違うのだろうな。
Posted by ブクログ
「赤髯王の呪い」
作品中に横溢する怪奇趣味とおどろおどろしい雰囲気と、物語が始まって一回も殺人事件が起こらないのに、いくつもの怪奇的な事件が語られる展開。
すさまじいまでにカーを意識した作風と作品と言った印象。
メインに据えられている事件は、一読した感じでは「?」だったのだけど、軽く再読するとけっこう分かりやすい伏線が貼られているのに気づいてびっくり。
最後まで読んで、初めて納得できる手がかりのように思った。
「死者は真夜中に踊る」
「困難は分割せよ」を実践してるなと思った。動機が納得しにくいけど、ミステリと割り切れば面白い。
「ローレライの呼び声」
個人的には一番面白かった。
「コニャック殺人事件」
殺害方法はかなりびっくり物。伏線などはそれなりかな。