平岡敦のレビュー一覧
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後の怪盗ルパンとなる青年ラウール・ダンドレジーと妖艶な美女ジョジーヌ、怪人ボーマニャン、三者の秘宝をめぐる争奪戦を描いた小説。
子供の頃、ポプラ社版「ルパンシリーズ」を愛読していた自分にとって、アニメ「ルパン三世」のルパンの女好きっぷりに違和感を持っていたのを覚えています。
ポプラ社のルパンは女好きというより女性に優しいジェントルマンの印象だったからです。
しかし、これを読むとルパン三世の女好きの方がアルセーヌ・ルパンの実像を捉えていたのだな、と思いました。
若いルパンにはクラリスという彼女がいるのですが、その彼女をほったらかし、カリオストロ伯爵夫人ことジョジーヌに入れ込みます。浮気なんてレベルを超えた入れ込み具合に、ポプラ社版ルパンのイメージを持っていた自分は唖然とするしかありませんでした(苦笑)
ポプラ社版は児童文学だったので、ルパンの女性に情熱的な部分はカットされたみたいです。
なのでぶっちゃけ読み始めは「こいつくそ野郎だな」などと思いながら読んでいたのですが(笑)読むごとに浮気者のルパンの姿でなく、恋と善悪の狭間で揺れるルパンの姿が鮮明に描かれるようになります。
そしてそれはジョジーヌの方も同じ。愛した人が宿敵であり、今更これまでの悪の生き方を捨てきれず、恋人と対決に至る姿は読みごたえがあります。
それだけに二人の対決、そしてジョジーヌの執念というものは読んでいて面白くもあり恐ろしくもあり、ミステリや冒険小説だけでなく恋愛小説でもあるわけですね。
読み終えてみるとラウールの愛の注ぎ方は浮気ではなくどちらも本気だったのだな、と思います。(その後のルパンの生涯にはいろいろな女性が出てきますがそれもすべて本気です!)
つまりルパンは浮気者なのでなく、常に女性に対し本気で恋をしているのです、ととりあえずフォローしておきましょうか(笑)
若き日の二人の対決の物語が終わった後、ルパンとカリオストロ伯爵夫人は再び相対することが示唆されて、この本は終わります。ただその最後の戦いである「カリオストロの復讐」はハヤカワミステリ文庫では未訳です。
創元推理文庫かポプラ文庫『ルパン最後の冒険』で読めることは読めるのですが、やっぱり同じレーベル、訳者さんで読みたいな、というのが本音でもあります。
今度ハヤカワ文庫70周年企画で『ルパン対ホームズ』が新訳で出版されるみたいなのですが、どうにかその勢いで他のルパンシリーズも出してくれないかなあ、と悶々とする日々です。 -
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う~ん。
これがフランスのロニー賞を獲った作品?
冗長な展開だよね~。どこにクライマックスがあるの?
設定は面白い、全くの異世界、異星人、異文明、3種類の知的生命体が住むオマルと称される巨大な大地。
惑星という概念もなく、空を飛ぶのは飛行船、星間航行の技術は失われた世界。
スチームバンクの要素を取り入れた異世界SFというところでしょうか。
「フェジー」というチェスの様な、碁の様な、ゲームが物語の重要な部分を占めるがこれがダルイ。
3種族の身体的特徴の描写は面白いし、(特にシレ族は見たいね)飛行船の形状も面白そう、物語の端緒となる卵の殻も。挿絵かイラストでも入れてくれたらもう少し物語に入り込めたと思うんだけど。それだけ残念! -
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ミュージカル「ラブ・ネバー・ダイ」観劇を機に、オペ怪原作を読もうと思いたって。
もともと、ロイド・ウェバー版とコピット版のちがいが気になって居たんだけど、原作を読んで「どっちも違うじゃんww」となる私。
原作のエリックが一番哀しいんじゃないかな…と。
お父さんの話もしっかり書かれていたことが分かり、長年疑問だったロイド・ウェバー版の「墓場にて」のシーンがしっくりきた。
オペラ座の怪人って原作読んでないといけない作品だったのかwww
原作の登場人物たちは、自分の欲望(欲求ではない)に忠実で、それぞれのぶつかり合いの果てに悲劇が生まれる。
途中、えぐいシーンもあるけれど、いろいろなことが納得できる原作でした。
ジリーおばさんがミュージカルだとすらりとした不気味で冷静な人なので、そこだけは原作読んでがっかりしてしまったのですが、ジリーおばさんもまた、欲望に忠実なんだよね。
いろいろなものが線でつながりました。
名作だと思う。 -
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作者モーリス・ルブランが亡くなられてから70年を経て世に出た、ルパンシリーズ最終作「ルパン、最期の恋」。
楽しめた!
ルパンの冷静で、強く、抜け目が無く、そして魅力的な姿が描かれている。
冒頭で、ルパンの祖先が手に入れた一冊の本から話が展開するなんてのも、感激!
そして、愛に生きるルパン
大きな人類愛、そして、一人の女性に対する愛が素敵に描かれていた。
やはり遂行途中のままの原作であるということなので、完成していないのが残念なんだけども、ルブランがこのように「ルパン」を終わらせたのは意味があると思う。
本書には、巻末に、ルパン第一作「アルセーヌ・ルパンの逮捕」も収録されていて、こちらも楽しめる。
これを機会に、シリーズをはじめから読んでみようかな?!
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【内容紹介】
父を亡くした娘を次々と襲う怪事件。陰ながら彼女を見守るアルセーヌ・ルパンは、見えない敵に苦戦する。著者が生前に執筆しながらも未発表のまま封印されてきた幻のシリーズ最終作、ついに解禁
【出版社からのコメント】
これまで、アルセーヌ・ルパン・シリーズの最終作は、1934年に発売された『カリオストロの復讐』および1941年の『ルパン最後の事件(ルパンの大財産)』だとされてきました。が、近年になって長く遺族のもとで封印されてきたルブランの遺稿が発見されました。フランス本国では2012年5月に出版され、日本でもおおいに話題を呼んでいます。その、ルブランの幻の作品を、緊急出版。シリーズ第1作「アルセーヌ・ルパンの逮捕」初出版ほかも併録。
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Posted by ブクログ
アルセーヌ・ルパンシリーズの新訳版。
新訳ということで古臭い表現もなく、読みやすい感じでした。再読だったので改めてルパンってミステリーの古典なんだな、と感じました。
好きなのは『王妃の首飾り』不可思議な状況で盗まれた首飾りの謎をめぐる話。ルパンが正体を現してからのルパンの迫力が鬼気迫るものがあって印象的です。
『ハートの7』はわたし(モーリス・ルブラン)とアルセーヌ・ルパンの出会いの話です。
ルブランの家に侵入しながら、何も盗らなかった強盗の謎が思わぬ展開につながっていき面白かったです。また作者自身が作品の中に出てくるということも、この話を初めて読んだ小学生の時には新鮮で、その意味でも個人的に思い入れの強い作品です。
『アンベール夫人の金庫』はルパンの怪盗としての初仕事が描かれます。ラストのルパンとルブランとの会話は笑えます。
『遅かりしシャーロック・ホームズ』はルパンとホームズの出会いももちろん印象的ですが、ルパンが愛する人のために怪盗として苦悩する様子もいいです。
やっぱりルパンはかっこいい!