平岡敦のレビュー一覧

  • 金時計

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    1991年の初夏――劇作家アンドレは、子供の頃に観たサスペンス映画を探していた。スランプに陥っていたアンドレは妻のセリアの助言もあって、自身の創作の原点といえるほどの影響を受けながら、タイトルすら忘れてしまったその映画にもう一度向き合おうとしたのだ。隣人の勧めで、アンドレは映画マニアの哲学者モローを訪ね、彼の精神分析を通じて少年時代に立ち返っていく……。名探偵オーウェン·バーンズの2作目ということですが、1作目を読まずに先にこちらを読んでしまいました。名探偵?というほどの活躍でもなかった気もしますが…面白かったので良しとします。

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    2025年04月27日
  • 恐るべき太陽

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     画家ゴーギャンや歌手ジャック・ブレルが愛した南太平洋仏領ポリネシアのヒバオア島。この地に、出版社の企画で、同社のお抱えベストセラー作家が指導する創作アトリエに作家志望の女性5人が選ばれ参加するが、5人に加え夫が1人、義理の娘1人も同行した。ところが作家は突然失踪してしまう。果たして彼は生きているのか、死んでしまったのか。そうしているうちに彼女たちが1人、また1人と死体となって見つかる。これは皆を殺すことを狙っているのだろうか?

     作中でも言及されているように、『そして誰もいなくなった』を想起するような展開。もちろん宿泊するペンションのオーナー家族や島民もいるのだが、警察がすぐには駆けつけら

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    2025年04月14日
  • 誰が星の王子さまを殺したのか?

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    鳥取砂丘がね、出てくるのよ! 「豊岡と米子のあいだで」迷子になったら入り込んでしまったという…壮大だな! 「世界で一番翻訳された本」を著者の遺言であったとして謎を解いていく話で、こんなテもあったか。虚実ないまぜの大人のファンタジックミステリーという感じで、特に『王子さま』ファンでなくても興味深く読める。

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    2025年04月05日
  • 恐るべき太陽

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    注意深く読み進めたつもりなのに、まんまと騙されました。意表を突くやり方だったけど、ああ確かに!と後から気付いて悔しい。ヒントはいっぱいあったのになー。

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    2025年03月18日
  • ルパン対ホームズ

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    ルブランが書くのだからルパン優勢なストーリーなのは仕方ないかもだが、ホームズの相棒ワトソンが、水戸黄門のうっかり八兵衛的な書かれ方なのが不思議な感覚だった

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    2025年03月05日
  • ミゼレーレ 下

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    上下巻合わせて。

    パリの教会で、聖歌隊指揮者兼オルガン奏者が殺される。遺体の両耳の鼓膜は破られ、周囲に血痕があった。あまり大きくない足跡も。
    凶器は見つからなかったが、この教会に通っていたアルメニア出身の元警部リオネル・カスダンは、これは事故や病死ではなく、殺しだと直感した。そして退職後の身でありながら、この事件を追いかけることにする。
    被害者は両耳の間を貫通するように細長いもので刺されたと考えられた。そのような殺害法を実行するには強い力でかつ正確に急所を狙わなければならないだろう。
    一方、被害者の内耳にはいかなる微細な金属片も残されていなかった。凶器はどのようなものなのか?
    被害者は聖歌隊

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    2025年03月03日
  • ミゼレーレ 下

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    あんなに親切で優しいJCが、こんなおどろおどろしいミステリを書くということに、創作の神秘を感じる。これまた血みどろで、まさかの国際戦争犯罪につながっていくスケールのでかさ。彼の作品が時を経て邦訳出版されていることに乾杯。

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    2025年01月01日
  • 世界ショートセレクション1 ルブラン ショートセレクション 怪盗ルパン 謎の旅行者

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    最初のお話は、ルパンがルパンらしく出てくるのでおもしろかった。
    でもその後の展開が気になるところで終わる…。

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    2024年11月15日
  • 恐るべき太陽

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    騙された〜〜〜
    解説を読むと「ああ確かに!あそこはちょっと違和感あったわ」ってなるけど、本編読んでる間はわからないよね〜

    でも、だから何?とは思う。うわ〜騙された〜ってなって終わり。

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    2024年09月09日
  • オペラ座の怪人

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    映画への愛で読み切れたといっても過言ではない。
    小説だけだと刺さらなかったかも。(私の読解力の問題も関係しているが)
    映画では、怪人が世の中の全ての悲しみを知っている雰囲気があったのだが小説の怪人からはそれが読み取れなかった。もう少し怪人の描写が必要なのでは?と思う。なんだかラウールの話が多過ぎな気がする

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    2024年09月04日
  • 恐るべき太陽

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    ネタバレ

    トリックのためのトリック。なるほど〜、とは思わせられて、え〜そうだったっけと何ページも読み返させられる。
    だけど今一つ技巧以上のものがない。フランス人の文学に関する思いはあるのかもしれないけどそれにはあまり心を惹かれなかった。

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    2024年08月16日
  • 地底旅行

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    子供の頃にこのような探検物の本を読んでいなかったので新鮮。でも途中からそんな事あるのか?っていう方向に進むからびっくりしたけれど、子供だったらワクワクするのかも。インディージョーンズ的なドキドキもあって。やっぱりこういう本は子供の時に読むべきなんだね。

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    2024年08月13日
  • 恐るべき太陽

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    ネタバレ

    本格ミステリ2024年1位。
    南の島で作家と作家志望の5人の女性の合宿中に一人ずつ殺されていく。
    文章に違和感を感じつつも、トリックにはしっかり騙されました。ただ、作家志望の5人といっても実際にはそのうち2人だけ。あとの3人がこんな状況でも文章を書くとは思えないのだが、、、。
    そのあたりがちょっと消化不良。

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    2024年08月13日
  • われらが痛みの鏡 下

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    前2冊のようなサスペンス要素やどんでん返しを期待しながら読み進めていたのだけれど、ストレートな歴史活劇だったので結構肩透かしを食らった。
    歴史状況の方が大きく動きすぎて、人物一人一人がそこに埋没してしまった感じはある。
    ドイツに侵攻されるフランス大衆の様子はとても興味深く面白く読んだ。
    追記
    主要キャラクターにカート・ヴォネガット作品へのオマージュがある気がしたが、どうだろうか。

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    2024年08月10日
  • オペラ座の怪人

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    四季の舞台鑑賞がきっかけで読んでみた本。

    分厚い上に昔の作品なので、読む前は抵抗感がありましたが、めくってみると翻訳の文章が読みやすかったからか意外と一気に読めました。

    中学の頃に読んでたエドガー・アラン・ポーなどの怪奇小説?と似た空気感かも。

    フランケンシュタインの怪物と同じく、こちらの怪人も可哀想な印象を与えるのですが、最後の最後でこっちの怪人の方がまだ救いはあったのかな、と思える読後感でした。

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    2024年06月23日
  • 恐るべき太陽

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    フランスの作家さんは初めて。
    登場人物が「マルティーヌ」「ファレイーヌ」「アスティーヌ」と「イーヌ」だらけで、どの「イーヌ」なのか混乱する。
    登場人物を何度も見返して確認するから全然前に進まない…。

    海外ミステリーが苦手なので、今までもほとんど読んでこなかった。
    でもフランスのクローズドサークルってどんな感じなんだろうと興味が湧いて、チャレンジしてみようと思った。

    叙述トリックで騙されるということだけは知っていたのでドキドキしていたけど、最後まで読んで、自分は全く騙されていなかったことに気が付き呆然となる…。

    トリック部分は「え!?ずっとそうだと思ってたけど…(⁠・⁠o⁠・⁠;⁠)」と逆

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    2024年05月29日
  • 恐るべき太陽

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    フランスのミステリ作家・ビュッシがクリスティの『そして誰もいなくなった』の向こうを張った意欲作。

    ベストセラー作家ピエール=イヴの創作教室に参加するため、南の島ヒバオアへ集った5人の女性たちが一人ずつ消えていく。膨大な応募者の中から選考の結果選ばれただけの彼女たちがなぜ? 一癖も二癖もありそうな参加者たち、島の至る所に設置された石像…ミステリファンならば「二ヒヒ」と笑いたくなる舞台装置の数々。そして、語りの魔術師とも称されるビュッシがここぞとばかりに本領発揮をしている。翻訳は相当苦労したのではないかと想像される。

    軽いポップなミステリをご用向きな場合には避けた方がいいかも。何が何だかわから

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    2024年05月05日
  • 死が招く

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    ネタバレ

    火のついた鍋に頭を突っ込んだ状態で発見されるという、なかなかショッキングなシチュエーションで始まる。
    構成自体は良くあるミステリーだけど、犯人の動機が読者にしか知らされないなど、ちょっとひねった演出が面白い

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    2024年04月21日
  • オペラ座の怪人

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    怪人エリックの秘話。エレファントマンのジョン・メリックが浮かぶ。せけんへの復讐心もありながら、普通の人でありたいと願う。巨大な建造物オペラ座の奈落への冒険譚もはらはら、わくわくする。2024.3.14

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    2024年03月14日
  • 恐るべき太陽

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    初読みの作家。
    構成がうまくて、誘導していく技巧が凄い。ゴーギャンが愛した南の島での展開も面白かった。
    ただ、登場人物たちの誰にも共感できなくて、ロマンスを搦めたのもあまり興味なかったかな、と思う。

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    2024年03月14日