平岡敦のレビュー一覧

  • 天国でまた会おう 上

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    第一次世界大戦直後のパリを舞台とした長編小説。ミステリーのイメージが強い著者だが、今の所その要素は見受けられない。<ヴェルーベン警部シリーズ>で見せる丹念な積み上げとは異なり、悲愴的でありつつもテンポの良い展開だが、三人称視点な上、フォーカスされる人物が頻繁に切り替わるのでちょっと読み難い。上巻をフルに用い、ようやく舞台が整ったようだが、エドゥアールが持ちかける詐欺計画はかつての上官であるプラデルへの復讐劇ともなり得るのだろうか。そんな今作の悪役プラデル、聡明で狡獪な割にどうにも小悪党感が拭い切れないぞ。

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    2021年05月17日
  • 天国でまた会おう 下

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    主人公はパッとしない元兵士アルベール。上司プラデルの陰謀に巻き込まれ戦場で死にかけるも、エドゥアールによって助けられる。しかしそれと引き換えにエドゥアールは顔が潰れる大怪我を負ってしまう。戦争ビジネスで汚なくのし上がるプラデルと、モルヒネ中毒となるも画才で前代未聞の詐欺を働くエドゥアール。終盤の息をつかせぬ展開はさすが。シリーズものとのことで、続きが楽しみです。

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    2021年03月12日
  • 黄色い部屋の謎【平岡敦訳】

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    内側から施錠された完全な密室(黄色い部屋)で令嬢が襲われた。
    あたりは血の海と化しているがその襲撃者は見当たらない。
    この謎に挑むのは新聞記者ルルタビーユとパリ警察ラルサンの二人。
    終盤で披露される「理性の正しい側面」による推理には感嘆するしかない。
    読みやすい文章も○。

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    2021年01月09日
  • 天国でまた会おう 下

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    ネタバレ

    「その女アレックス」を中心としたヴェルーヴェン警部シリーズとは全く趣向の違った作品でした。

    後書きでは冒険小説とのワードもありましたが、それもしっくりこない。

    舞台はまさに第一次世界大戦が終わろうとしているフランス。

    そこで戦った兵士(アルベール)が戦場で見た光景と自身の体験。

    命を救ってくれた戦友(エドゥアール)と、その際におってしまった人生を狂わせる大怪我。

    その後、始まった共同生活の中で彼等が取り戻す日常は、国中を巻き込む一大詐欺事件へ...

    後半に入り、少し世界観には入り込めたが、暗いイメージは今までの著者の作品と同じとは言え、期待していただけに全体を読み終えても残念な気が

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    2021年01月06日
  • 天国でまた会おう 下

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    同作者の作品としては意外性が弱く、陰鬱なのは変らないという感じ。
    爽快感を求めたわけではないけど、あまり高い評価はできかねると思う。

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    2020年12月20日
  • ブラック・ハンター

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    クリムゾン・リバーの続編。ドイツを舞台にしている。ニエマンス警視の再登場。スピード感と、心の闇を探る捜査が深みをもたらしているが終始、ジャン・レノの顔がチラついた。私は「死者の国」の方が好き。

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    2020年10月15日
  • 金時計

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    1991年の現代パートと1911年の過去パートから構成される。それぞれ独立した事件が起こる。過去パートの方でオーウェン・バーンズが謎解きをする。雪上の足跡をトリックにした殺人事件。既視感があるトリックであり、なんとなく途中で分かってしまう。それよりも現代と過去の輪廻転生の幻想的な要素が大きく、過去パートの素直な謎解きに対し、サスペンス的な現代パートとの対比が面白い。現代パートの展開は「えー、こうなっちゃうの!」という感想。さくっと一気読みでした。

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    2020年09月11日
  • 地底旅行

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    1863年5月24日ハンブルグ。鉱物学の高名な教授リーデンブロックと、彼の甥で研究助手のアクセルは、教授が持ち帰った稀覯本に挟まれたボロボロの羊皮紙を見つけた。そこに書かれたルーン文字は暗号で、解読は難航したものの、アクセルが偶然解いてしまった結果、それは、地球の中心へ行く方法を示したものだった。好奇心旺盛で行動的な叔父は、その暗号のメッセージに従い、アクセルを連れて冒険旅行に出ることを宣言する。大急ぎで準備が進む中、恋人への未練と危険な旅への恐れからアクセルは躊躇するが、ついに出発の時は来た。冒険の荷を積んだふたりは、アイスランドのスネッフェルス山を目指す。

    地球の中心を目指す旅を、アクセ

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    2020年05月16日
  • 天国でまた会おう 下

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    結末悪人のブラデルが罰せられた結末は納得したが
    エドゥアールが父親の運転する車に轢かれてしまったのは 何故なのか?作者は何を伝えたかったんだろう?

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    2020年04月29日
  • あやかしの裏通り

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    20世紀初頭のロンドンを舞台にした、というよりあのシャーロック・ホームズが活躍していた頃のロンドン言えば、よりイメージがつきやすい。クラシカルな本格ミステリーでこちらは名探偵オーウェン・バーンズが頑張って活躍していく。何よりクラーケンストリートと呼ばれるあやかしの裏通り近辺が、読み込むほどに頭の中で3D化され不思議な感覚になった。
    古き趣きのある喫茶店で美味しいコーヒーでも飲みながら読むと、いい時間が過ごせると思う1冊。

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    2020年03月17日
  • オペラ座の怪人

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    ガストンルルーといえば、高校の時に「黄色い部屋の謎」を読んだような記憶があったが、光文社の古典新訳文庫から「オペラ座の怪人」がでたと知って早速読んでみた。期待していたのだが、洋書の翻訳は意味不明な部分が多く、あまり深く考えずに読み飛ばしていくのが正しいと実感した。前半は怪人の怖さがあったが、後半はダーエとの愛憎が読んでるこちらにはあまり感じられなく食傷気味だった。

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    2020年03月05日
  • 炎の色 上

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    前半だけだと、まだ全体の半分も理解できてなさそう。
    まだまだマドレーヌ、ポール、アンドレ、シャルル、等々の秘密が下巻で出てきそう。

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    2020年01月05日
  • 天国でまた会おう 下

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    ネタバレ

    男性陣の展開がメインとは言え、それぞれに絡む女性陣の生き生きとした魅力ときたら!女性陣の登場がなければ、ただの戦争と復讐の物語だったでしょう。ラストの、マドレーヌのプラデルに対する冷徹さ、詐欺と分っていて瞬殺で付いていくことを決めたポリーヌが特にいい。ハッピーエンドとは言えないところもありますが、それぞれの着地が巧くて納得の収束。上下巻ですが、面白くてあっという間に読めました。

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    2019年12月04日
  • 天国でまた会おう 上

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    ネタバレ

    *1918年11月、休戦が近いと噂される西部戦線。上官プラデルの悪事に気づいたアルベールは、戦場に生き埋めにされてしまう!そのとき彼を助けに現われたのは、年下の青年エドゥアールだった。しかし、アルベールを救った代償はあまりに大きかった。何もかも失った若者たちを戦後のパリで待つものとは―?『その女アレックス』の著者が書き上げた、サスペンスあふれる傑作長篇。フランス最高の文学賞ゴンクール賞受賞*

    とても壮大でスリリングな展開。最初はややまったりとしたテンポなのですが、途中から一気に加速し、この後どうなるのか見当もつかないワクワク感でいっぱいです。早く下巻読みたいです。

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    2019年12月04日
  • 天国でまた会おう 下

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    カミーユ刑事シリーズの作者だったので評価をあげすぎて臨んでしまった。当時の情勢、そこで織りなされる関係者の群像劇、魅力的な詩的表現は素晴らしかった。物語の帰結は落語みたいというか、、ルメートル本人も悩んだんじゃないのかな、、この終わり方でいいの?みたいな。
    小胆でお人好しのアルベールと奔放でお金持ちのエドゥアール、友達になるはずのない二人が友達になり国を相手に大博打を打つのはハラハラしつつも楽しかったです。
    映像化はもう少しテンポが良く喜劇調にまとめられてた。ラストが少し違うかな。どっちが好きかといわれると難しいところ...。

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    2021年05月07日
  • 炎の色 下

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    ネタバレ

    3部作の2作目とのこと。今作も前作同様、実際にフランスで起きた事件を題材にしているらしいが、元ネタを知らなくても十分楽しめる。というかこのドタバタ劇に元ネタ(そのままでないにしても)があること自体がちょっとした驚き。前作今作ともに身体的ハンディキャップがある人が主要人物なのは何かしら作者の思いがあるんだろうか。

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    2019年08月30日
  • あやかしの裏通り

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    ネタバレ

    この本が2005年の作品ということを考えると確かに本格作家界隈で話題になる作風である。

    たまにこういう本格ミステリを読むとクリスティを読み漁っていた学生時代を思い出す。
    難解な事件、本書においては難解どころか、通りが消えるという奇抜で突飛でありえない事件のWho、How、Whyを暴いていく。

    1900年代の古めかしさの中でこその、ぎりぎり許せるそりゃ無茶だろうと思うようなトリックだが、この手の話はそういった現実性よりも事件の裏にある意外なストーリー、伏線がすべてかちっとはまっていくさまを楽しむことなのだろう。

    作品とは関係ないが、この本のサイズ、紙の感触はとても心地よい読書体験を生んだ。

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    2019年08月20日
  • 天国でまた会おう 下

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    ネタバレ

    戦争をフックに、正義や金や幸せなどの価値観に大きな疑問を投げかける。

    人生は金ではない。
    外見でもない。
    何をしたか、でもない。が、何をしたかによって人は納得できる何かを得られるのだろう。

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    2019年08月12日
  • 第四の扉

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    幽霊が出ると言われる屋敷で、次々と不可解な事件が起こる。フランス人作家による、戦後のイギリスの小さな村が舞台のミステリー。

    交霊会やら密室殺人やら怪しげな謎が登場し、さらには全体をとおしての仕掛けもあって、本格派好きの人を喜ばせるトリックがてんこ盛り。
    大雑把な展開も、それはそれでこの作品の雰囲気には似合っているのかも。

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    2019年08月23日
  • 天国でまた会おう 下

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    ネタバレ

    戦後の混沌と貧富格差と不正詐欺。読んでいて嫌になるがラストは収まるところに収まった感じ。読み始めは展開が全く見えなかったが中盤から物語の数奇で壮大で複雑な構造が見えてきてからはどう収束するのか気になって終盤は一気読みだった。一貫した主人公のお人よし?なキャラクタを愛せるかどうか。自分的には主人公の彼女(後のほう)のキャラクタが一番気に入りました。

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    2019年07月17日