【感想・ネタバレ】あやかしの裏通りのレビュー

あらすじ

各年末ミステリランキングにランクインした傑作!
・『2019本格ミステリ・ベスト10』 第2位
・『このミステリーがすごい!2019年版』 第6位
・「週刊文春ミステリーベスト10 2018」 第8位

・カバーイラストはポール・アルテ氏自身の筆によるもの(日本語版だけ、日本の皆様だけのために)。
・作品に出た怪事件のもとになったのは、アルテ氏自身の実体験。氏本人が撮った、その体験をした場所の写真をスケッチ風にした絵を本書の最後に収録。
・ミステリ作家・芦辺拓氏による解説を収録。

ロンドンのどこかに、霧の中から不意に現れ、そしてまた忽然と消えてしまう「あやかしの裏通り」があるという。 そこでは時空が歪み、迷い込んだ者は過去や未来の幻影を目の当たりにし、時にそのまま裏通りに呑み込まれ、行方知らずとなる――単なる噂話ではない。その晩、オーウェン・バーンズのもとに駆け込んできた旧友の外交官ラルフ・ティアニーは、まさにたった今、自分は「あやかしの裏通り」から逃げ帰ってきたと主張したのだ! しかもラルフは、そこで「奇妙な殺人」を目撃したと言い……。謎が謎を呼ぶ怪事件に、名探偵オーウェンが挑む!

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

ロンドンの霧深い夜に現れる「あやかしの裏通り」
そこに入り込んだものは不思議な光景を見て、その後行方知れずや精神を病んでしまうらしいが……。
オーウェン・バーンズシリーズ邦訳一作目!

楽しいー!!わくわくが止まらないー!!
不思議な通り、不気味な人々、謎の建物の中で目にするのは本来見えないはずの光景……。
謎としても最高だし、トリックも納得(アルテにしてはかなりスマート)何よりもキャラが!最高なんですよ!
二十代後半、細身でイケメン(おそらく)で美と美女が好きな探偵×南アフリカ育ちで体格良しの自信家、正直、頑固な語り手、というバディ……ありがとうございます大好物です(笑)
警部も良い……逃亡犯も良い……このシリーズ、追いかけます!!(落ち着け)

小冊子「斧」も良き!力技トリック×キャラ小説!最高だぁぁぁぁ!

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2024年05月29日

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ポール・アルテ。霧の中に現れ、そして消えていく裏通りの噂とそこで起きた幻影の殺人、そして現実に殺人がおこる。どんどんオカルトな雰囲気に流れていき、トリックについてもこんなに簡単にいくのかと思ったが、最後には推理小説としてきれいに着地していたと思う。

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2022年11月16日

Posted by ブクログ

不可解現象をトリックに使った本格推理小説。ポール・アルテ著のオーウェン・バーンズというアマチュア探偵が謎を解くミステリ。体裁としてはシャーロック・ホームズやクリスティのような謎解き。本格好きにはしっくりくる作品。しっくりしすぎて、どこかで読んだ気になってしまうのが惜しいところか。特にロンドンを舞台にしているので、どうしてもホームズと比較したくなる(してはいけない)。作品自体は、「どのように不可解な謎を解くのだろう」とドキドキしながら読んだ。最後の謎解きで明かされる、犯人の巧妙な手口については、本格らしく天と地をひっくり返される驚きもある。さくっと読めるので、謎解きが好きな人におすすめ。

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2020年09月10日

Posted by ブクログ

霧のロンドンに消える路地。そこに迷い込んだものは過去の幻影を見たり、二度と戻って来なかったりするという。友人ラルフの不思議な体験を聞いて、オーウェンは路地の謎を解くべく捜査を始めるが…
二十世紀初頭のロンドンを舞台にしたクラシックな味わいの本格ミステリ。冒頭の怪奇な謎がかなりワクワク。なかなかに凝った事件だが、展開が速く分量も少なめで読みやすかった。(というかあっさりしすぎ?)
犯人はもっと他にやりようはなかったのかとは思うけど。
オーウェンはシリーズ探偵らしいので、他の作品も読んでみたい。

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2020年01月28日

Posted by ブクログ

霧の中から現れ、そしてまた消えてしまうクラーケン・ストリート。迷い込んだ人たちが過去や未来の幻影を目の当たりにし、あるいは失踪してしまう「あやかしの裏通り」の謎を追う幻想的で不可思議なミステリ。
どこからどう見てもこれはもう「不思議」としか言いようのない事件です。時空の歪みとか、どう解釈すればいいのやら。もうこれは本格じゃなくって広い意味での幻想ミステリなんだろうなあ、まあそれでも面白いからいいや、って思いながら読んでたら……本格ミステリだった!
しかも真相が見えたと思ったその後もまだまだ気を抜けず。やられたなあ。

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2019年03月17日

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ポール・アルテの実に8年ぶりの新刊。今までのハヤカワ・ポケミスから、聞いた事の無い出版社に変わった事情は知らないけど、もう読めないのかと危惧していたので有難かった。デビュー以来一貫していた不可能犯罪系ミステリの作風は健在で、今作は路地が忽然と消失する謎。そのメインの謎自体はバカミスに近い都合の良い物だったが、その回りの細かいサブ的な謎が巧くて、ポール・アルテの面目躍如。幾つかの手掛かりが後出しでも気にならない位に面白かった。是非この新シリーズは最後まで刊行して貰いたい。

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2019年01月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

オーウェンの友人、ラルフが脱獄囚と間違えられ、ロンドンの霧の裏町を逃げ回り、迷い込んだクラーケン・ストリート。
その通りの家の窓から女にナイフで斬りつけられる男性を目撃して立ち去るが、ライターを落としたことに気づいて引き返すと、クラーケン・ストリートは忽然と消えていた。
ラルフから話を聞いたオーウェンはクラーケン・ストリートに興味を持ち、調べ始めると奇妙な体験をした人々が他にも存在することが。
クラーケン・ストリートとは本当に幻の通りなのか?オーウェンと友人のアキレスは捜査に乗り出す。

霧の裏通り、声をかける赤いショールの女、ぶどう売り。
部屋の窓からぼんやりと見える一場面。
わずかな時間の間に消え失せる通り。
ホームズの世界を思わせて舞台だけでドキドキする。 
美に対するこだわりで奇行も飛び出すオーウェンがラルフと美女について当てこするのにニヤニヤして、語り手のオーウェンの友人、アキレスの目前に現れる奇怪な出来事。
ちょっとそーかなーと思って読んでたけど、驚かされる結末、楽しかった!

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2021年05月29日

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20世紀初頭のロンドンを舞台にした、というよりあのシャーロック・ホームズが活躍していた頃のロンドン言えば、よりイメージがつきやすい。クラシカルな本格ミステリーでこちらは名探偵オーウェン・バーンズが頑張って活躍していく。何よりクラーケンストリートと呼ばれるあやかしの裏通り近辺が、読み込むほどに頭の中で3D化され不思議な感覚になった。
古き趣きのある喫茶店で美味しいコーヒーでも飲みながら読むと、いい時間が過ごせると思う1冊。

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2020年03月17日

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ネタバレ

この本が2005年の作品ということを考えると確かに本格作家界隈で話題になる作風である。

たまにこういう本格ミステリを読むとクリスティを読み漁っていた学生時代を思い出す。
難解な事件、本書においては難解どころか、通りが消えるという奇抜で突飛でありえない事件のWho、How、Whyを暴いていく。

1900年代の古めかしさの中でこその、ぎりぎり許せるそりゃ無茶だろうと思うようなトリックだが、この手の話はそういった現実性よりも事件の裏にある意外なストーリー、伏線がすべてかちっとはまっていくさまを楽しむことなのだろう。

作品とは関係ないが、この本のサイズ、紙の感触はとても心地よい読書体験を生んだ。

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2019年08月20日

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ネタバレ

20世紀初めを舞台にしたミステリー。序盤はなかなか読み進みにくかったが、終盤はなかなか面白く読めた。
ただ、主人公のキャラクターは今一つかな。
消える路地の謎については古き霧のロンドンならではかな。

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2019年07月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美術評論家でもある名探偵オーウェン・バーンズの家にアメリカの外交官でもある旧友ラルフ・ティアニーが飛び込んできた。
正体不明の路地に迷い込んで妙な光景を目にしたという。実は同じようなことが過去にもあったと新聞は伝えている。
その路地は通常存在せず、迷い込んだ者は戻らないか心を病んでしまう。彼らはその路地で不気味な人々を目にするのだが、そこでみたシーンはどうやら現実に起こることらしい。
オーウェン・バーンズが捜査に乗り出す。

というお話なのですが、このオーウェン・バーンズがなかなかの気取り屋で鼻につく上に、だらだらと描写が長い。
よって面白くなるまでにやや時間を要する気がします。

この名探偵を好もしいと思えればもう少し星が増えるのでしょう。内容は手が込んでいて繊細。

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2019年11月30日

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