平岡敦のレビュー一覧

  • 黄色い部屋の謎【平岡敦訳】

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    ネタバレ

    最近読んだフランスのミステリー、「恐るべき太陽」の中で、本書のタイトルが出てきたため(発想力があることの比喩として)手に取りました。

    最後まで読んで、、
    密室トリックはなにか大掛かりな仕掛けが出てくるのかなと思っていましたが、人の認知と偶然を利用した予想外な方法でした。
    ‥警察の初期捜査、杜撰すぎない?とも思ったけれど、科学捜査も進んでいない時代だったこそ成立するトリックで、まさに当時の時代を楽しめました。

    続編扱いという黒衣夫人も、新訳が出ると手に取りやすいので、是非訳出していただきたいです!

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    2023年08月15日
  • 第四の扉

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    フランスの作家ポール・アルテの長篇ミステリ作品『第四の扉(原題:La Quatrieme Porte)』を読みました。
    ここのところフランスの作家の作品が続いています。

    -----story-------------
    3年連続で〈本格ミステリ・ベスト10〉第1位を成し遂げたフランスのミステリ作家、ポール・アルテ。
    その代表作がついに文庫化!

    オックスフォード近郊の小村に建つダーンリー家の屋敷には、奇妙な噂があった。
    数年前に密室状態の屋根裏部屋で、全身を切り刻まれて死んだダーンリー夫人の幽霊が出るというのだ。
    その屋敷に霊能力を持つと称するラティマー夫妻が越してくると、さらに不思議な事件が

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    2023年07月30日
  • オペラ座の怪人

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    ネタバレ

    劇団四季から入ったけど原作も読んだ方が楽しめる ラウール(原作だとこっち、四季はラウル)のストーカーぶりがより際立っている気がするし、ファントムの狂気ぶりもなかなか クリスティーヌに会いたくて暴走してるラウールを止めようとしないフィリップ、血は争えないね
    ダロガがとてもいいキャラしてるし唯一のまとも人ぽくて好き エリックと面識があったし彼のことを知り尽くしているから、もしファントムがコンプレックスを抱えていなくてまともな人生を歩んでいたら友達になっていたりするのかな 
    生まれてすぐ母に仮面を投げつけられた、とあったけどそこから逃げ出して芝居小屋で見世物になって(そんなに強制力なさそうに読み取っ

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    2023年07月25日
  • オペラ座の怪人

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    読み上げと黙読を使い分けた。結果、半々ぐらいだったかな。
    タイトルだけ知ってて、そこから想像してた物語とは全く違ってた。良い意味で。
    というか、このタイトルからまさかこんなドキュメンタリー風の小説だと想像できる人がいるとは思えない。「オペラ座の幽霊の真実」だったら幾分マシだが、それだとセンスのかけらもない。
    解説でも触れられている「幽霊」か「怪人」か?それが人間だと知った人や信じていた人にとっては「怪人」だけど、知らなかった人や知られるまでは「幽霊」だったんだろうな。
    読み終わった後で考えればそうだけど、実際読んでいるときに「幽霊」と「怪人」が入り乱れていたら、それはそれで分かりづらいだろうな

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    2023年05月12日
  • 第四の扉

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    古典ミステリ好きな自分にとって楽しんで読めた。
    先に読んでたアルテの作品とはちょっと趣が違くて、こちらの方が読みやすかったのだが、訳の違いなのか年月の違いなのか。
    いずれにしてももっとこの著者の作品を読んでみたいなと思わせてくれて嬉しい。

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    2023年05月07日
  • カリオストロ伯爵夫人

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    子供向けのルパンしか読めてなかったので、ハヤカワミステリで読むとまた違って面白かった。
    推理ものというより冒険譚という感じ?
    まだ変装もせずに生身で勝負してる感が若い!って思ってしまった(笑)

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    2023年04月26日
  • われらが痛みの鏡 上

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    上下一括感想
    下巻にて

    第三部は第二次世界大戦の始まりの様子から。
    主に三つのエピソードが、交互に語られる。
    それがどう繋がるか……。

    前半から、もう目が離せない展開。

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    2023年03月19日
  • 炎の色 下

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    「天国でまた会おう」三部作の第二部「炎の色」は、復讐劇の王道を行く痛快な物語。

    始まってしばらく、上巻はとにかくひどい奴ばかりで、腹が立って読めなくなるほど。
    主役のマドレーヌも、いまいちはっきりしないキャラで感情移入できないし……。
    ところが、後半に復讐劇が始まると、がぜん面白くなって、まんまと楽しんでしまった。

    前作「天国で…」はミステリーではなく文学作品?とされており、戦争で負って変わってしまった帰還兵の体と心の闇を、「顔のけが」「仮面」など暗示的でもあり、エドゥアールの最後も何かしらのメッセージが託されているような気にさせるものであった。
    本作の「炎の色」では、一部の登場人物が引き

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    2023年03月16日
  • 天国でまた会おう 下

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    戦後、称えられる戦没者、生きて行かねばならない帰還兵。
    いつの戦争でも、勝者も敗者も、苦しみしか残らない。

    上巻の前半は第一次大戦時の独仏前線での戦いが兵士目線で描かれていて、映画「プライベートライアン」のノルマンディ上陸場面のような迫力迫る描写で圧倒される。
    特に主人公の一人アルベールが生き埋めとなるシーン、それに続くエドゥアールの負傷と脱出の様子は、息つく暇もないほどの迫力がある。

    悪役ブラデルの戦後の描写でややスローダウンしたが、下巻、エドゥアールの仮面作りと大掛かりな詐欺計画が進み始めると、ブラデルの描写も結末へ期待をこめて大いに盛り上がっていく。

    「絶望からくる狂気に翻弄される

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    2023年03月13日
  • 第四の扉

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    紹介文の「歴史的傑作」は随分盛ったなぁと思いながら読み進めたけど、確かにこれはその名に恥じない大傑作…!
    こんな構成のミステリーは読んだことがない。小説ならではの仕掛け。最後は畳み込むような真相解明で動揺してるところに、ラスト1文で打ちのめされます

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    2023年01月29日
  • 世界の名探偵3 ルパン【試し読み】

    匿名

    ネタバレ 購入済み

    意外や意外

    言わずと知れた世紀の世界的有名大泥棒、怪盗アルセーヌ・ルパンの物語です。これを読むとわかるのですが、実は彼は一度公安当局に捕まっているんですよね。ですがちゃんと頭脳をいかして脱獄し、その後も世界各地でカッコいい活動をし続けているという、かなりの強心臓の持ち主だといえます。イケメンという描き方も良いと思います。

    #深い #シュール

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    2022年12月01日
  • あやかしの裏通り

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    ポール・アルテ。霧の中に現れ、そして消えていく裏通りの噂とそこで起きた幻影の殺人、そして現実に殺人がおこる。どんどんオカルトな雰囲気に流れていき、トリックについてもこんなに簡単にいくのかと思ったが、最後には推理小説としてきれいに着地していたと思う。

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    2022年11月16日
  • 殺人七不思議

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    ポール・アルテ。世界七不思議になぞらえた予告殺人に芸術家気取りの探偵が挑む。古典の巨匠、ディスクン・カーを思わせる不可能犯罪が次々に起こり警察は振り回される。それらを最後に一気に解決するのはとても鮮やかだった。文章みも読みやすく、久々に古き良き推理小説を堪能できた。犯人の動機がいまいち取ってつけたようなのが、いただけなかった。

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    2022年11月07日
  • 天国でまた会おう 下

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    アレックスのヴェルーヴェン警部シリーズとはまた違うテースト。訳者が違うのもあるかも。第一次世界大戦後のフランスの様子も分かる。何とも落ち着かない、異様な、物語でしたが、巻末にあったように、一種の「冒険小説」とも言えるかと思います。でも、ヴェルーヴェン警部シリーズと異なり、なかなかページが進みませんでした。

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    2022年10月12日
  • 死が招く

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    ディクスン・カーの匂いのする作家。読んだのは『第四の扉』に続き2つめ。正統派密室の謎。密室の中で顔と手が焼け爛れた死体。傍にはなぜかできたての料理が。犯人は何のためにできたての料理を用意したのか?という魅力的な謎。でも正直密室のトリックは、残念ながら、鍵の仕組みがわからず、正直トリックを読んでもよくわかりませんでした。図解でもあればいいのですが。でも、犯人は意外性があり、まあまあおもしろかったかなぁと思います。

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    2022年09月17日
  • 黄色い部屋の謎【平岡敦訳】

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    ネタバレ

    よくできているけれど、こんなにまでして秘密にしたいのかというところが納得感が薄い。100年も前の話だから、感じ方が違うのだろうけれど。

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    2022年09月04日
  • われらが痛みの鏡 上

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    『天国でまた会おう』『炎の色』に続く第三部の上巻。今度の舞台は第二次世界大戦、ドイツがフランスに迫る時代の出来事。時代の波に翻弄される人々の群像劇。冒頭の強烈な出来事をきっかけに次々と新たな事実が明らかになっていく。ルイーズは、これからどうするのか?

    下巻に続く。

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    2022年08月24日
  • フランス組曲

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    フランスの「ルノードー賞」の歴史において初めての「死後受賞」作。

    1942年にフランス憲兵により捕縛され、同年のうちにアウシュビッツで無残な最期を遂げたイレーヌ・ネミロフスキーの遺作が、実に60年の月日を経て陽の目を見る”歴史的事件”があり、2004年に同賞が贈られたのだという。

    1942年の執筆時点で、ドイツ軍に占領されたフランスの運命は当然ながら誰も知らない。著者は、フランスの疎開地にいて戦争の行方を追いながら、5部作として構想した「フランス組曲」の執筆を進めるのだが、世界大戦の結末を見ることなく、ホロコーストの狂気に飲み込まれてしまう。(フランス組曲は2部まで書かれた未完の小説)

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    2022年08月15日
  • オペラ座の怪人

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    コンプレックス、愛情の渇望、不信感や恨みなど人間が隠し持っている負の部分が多分に描かれている。怪人に嫌悪感を感じるのは、そんな感情に身に覚えがあるからかもしれない。ありのままの姿を受け入れてほしいという欲求は誰しも持っているのではないか。
    自分に向けられた優しさや愛情は、人間性の基盤となり、優しさは循環していくものかもしれないと思った。

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    2022年07月30日
  • 炎の色 下

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    父が残した資産、邸宅を失ったマドレーヌが、彼女を裏切った人たちに復讐することを決意する。隣国ドイツでは、ヒトラーが首相となりファシズムが台頭する時代ならではの展開に、手に汗握る。当時のフランス史を知っていれば、より楽しめる作品。
    ポール・ペリクールとオペラ歌手ソランジュ・ガリナートとの交流が印象に残る。
    本書で初めて知った日本語がある。「身罷る(みまかる)」という言葉。久しぶりに国語辞典を手にした。
    三部作の第二部が本書、第三部『われらが痛みの鏡』を早速読み始めよう。

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    2022年07月18日