あらすじ
ドイツの富豪の跡継ぎが惨殺された。捜査にあたるのは過去の事件で心身に傷を負い、復帰したばかりのニエマンス警部。彼は新たな相棒とともにドイツに飛び、真相を追うが……。『クリムゾン・リバー』のニエマンス警部再登場! フランスの鬼才によるミステリ
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Posted by ブクログ
ドラマをフランス語で見ていたがほとんど内容覚えていなかったので、とても面白く読めた。
この作者の作品はいつも薄暗くてドロドロしているので、気分が落ち込んでいる時には読めない作品だか、没頭してしまう面白さがある。
ありそうな話で、結末もゾッとした。
誤った特権階級意識、自分の出自に誇りを持つのは良い事だが、それが人を見下したり自分と人とを比べる尺度になるとおかしくなる。基本人間は平等で、優劣はないはず。でも人の心は弱いから、そんなのでは生きていけず、何かしら人より優れている事を誰かと比較して安心感を得たいもの。人にジャッジされたくない!とか言いながら、人から評価される事は嬉しい。人間はなんと複雑な生き物なのだろう。と言うわけわからない結論に行き着いた。
フランス警察とドイツ警察が全く相容れないかと思いきや、途中協力するところはなんか嬉しくなった。
ドイツ語のカタカナ表記が間違っているところがあったのが少し気になった。
Posted by ブクログ
この人の本はその風景が想像できるので非常に面白い。登場人物も警察の人間なのに普通っぽい感じの女性が出てきたりして描写もいい。あとは起こる事件が比較的猟奇的な内容なので私好み。
Posted by ブクログ
スウェーデン人のバランダー、グレーンスときて、フランス人ニエマンスもアラウンド還暦の姿で再登場。
知力、体力ともにバリバリの頃を思い出して切なくなるが、いずれも作者が齢を重ねていく上当然なことなのだなぁ。読者の方もまた。(引き寄せか?)
フレンチミステリの屈折具合は馴染みのもので、それが合わない方には気持ち悪いかとは思うが、私はむしろ好きなので楽しめた。
フレンチミステリがドロドロなのはフランス人だからかと思ったら、今回はドイツ人の大富豪一族が。アルザス地方ならではの複雑さも良い。
アラ還刑事は体を労わりつつ、節制に努め、体力つけないといけないから大変だわ。
Posted by ブクログ
ドイツの大富豪で会社経営者が狩猟休暇中に惨殺された。広大な領地の黒い森で狩猟者が獲物に儀式をする様に内臓を取り去り頭部を切り離し性器も切り取った。
犯人は、動物と同じ様に人間を狩ったのだった。
フランス警察のニエマンスと相棒のイヴァーナはドイツへ捜査に向かう。
殺害されたユルゲンの妹で共同経営者のラオラも巨大な犬に咬み殺されそうになった。
その犬は殺人鬼ならぬ殺人犬でナチス時代に訓練された犬だった。資産100億ドルのを巡っての一族の骨肉の争いが動機なのか?
また、一方でユルゲンとラオラの叔父フランツは兄妹の父親である兄に狩場で謝って撃たれ車椅子人生となった事に対する恨みを息子ユルゲンに向けたのか?
ニエマンスとイヴァーナが複数の男達に襲われた。殺人犬を訓練しユダヤ人虐殺を行なっていた傭兵軍"ブラック・ハンター"だ。同じ晩にユルゲンとラオラの従兄弟がユルゲンと同じ手口で狩られた。ブラック・ハンターは一族が森を最高の狩猟場として使える様に雇った人間達だ。
大富豪一族に起きている不可解な死者は過去にも起きていて、一族内の間引き殺人なのか、昔は避妊する行為が一般的では無く子沢山で一家全員の食べ物に困窮した際に''口減らし''で長男以外の子供を売っていた事実が有る。本作の大富豪一族は経済的な理由では無く血統や領主としての才覚を見極める事が重要だったのかも。
作者は、主人公がジャン・レノの映画化された''クリムゾン・リバー''を23年前に上梓して居り本作は待望のシーズン二作目です。飽きさせない展開と主人公ニエマンスの粗暴で正義感溢れる様はジャン・レノとオーバーラップし脳内で映像化する様に読み進められ面白い。