いしいしんじのレビュー一覧

  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    次から次へ多様な趣味に手を出し
    没頭しては飽きて放り出す
    その繰り返しを生きるのがトリツカレ男
    愛の多い男とも言える
    しかし偶然出会った女に一目惚れ
    それから、過去に培ったあらゆるテクニックを駆使して
    不器用なアプローチを試みる
    不器用というか、むしろ器用なんだけど
    いつまで経っても肝心の気持ちを伝えられない
    それは勇気がないからではなくて
    一種の完璧主義なんだよね
    …いや、やっぱり勇気がないから
    そうなるのかもしれない
    トリツカレ男はあらゆることをやり
    彼女を喜ばせることには成功を続けるものの
    一向にその仲は進展しないのだった
    そのような状態を打開する幸運は
    トリツカレの積み重ねによって築い

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    2026年01月08日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    童話のような現実味のあるような、不思議なファンタジーの世界観だった

    ポーとメリーゴーランドとの出会いが自分の中では1番好き。

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    2025年12月29日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    感想。タイトルがそうとしか言えませんよねという感じの話。主人公ポーの生まれから(おそらく)死までの話。ポーのラストが一体どういう事なのかというのは読み手に委ねられているとは思うけれど、ポーという人間は自然との合いの子のような存在なので何かが一回りして還っていくような余韻がある。
    描かれている世界と人間達が私達の現実に片足突っ込んでいるとはいえ、どこかファンタジーでもあってといって童話の世界のように本当に違う世界でもないその不思議な塩梅。水というものの描写がポーと共にずっとあって、それがポーの人生と呼応する感覚。ずっと何かに包まれているような読書体験だった。宮沢賢治のクラムボンの事を思い出してい

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    2025年12月26日
  • プラネタリウムのふたご

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    なんか何も救いが無いような、なのに救いしかないような、不思議な話でした

    プラネタリウムとまっくろくておおきなもの
    光と闇の対比
    それでも六本目の指は、あなたの指につながれている

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    2025年11月30日
  • げんじものがたり

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    ◼️ いしいしんじ「げんじものがたり」

    京ことばで、くだけた語りの源氏物語。

    関西弁というか、やはり京言葉、そして今ふうの言葉で訳してある源氏物語。大谷崎をはじめ多くの方が現代語訳している源氏物語。専門的なことは知らないが、私的に紫式部は素晴らしい物語作家で、一文が長すぎる人だと思う。特に日本人が訳すと古語の知識にどうしても引きずられてしまう傾向があるかなと。私が通読した与謝野晶子も苦戦している跡が見えた気がした。

    まあともかく今作はある意味思い切った、パロディ的な訳。目的が違うかもと思う。

    まずは「桐壺」に、「雨夜の品定め」の「箒木」。プレイボーイ光源氏が唯一?逃げられてしまう「空蝉

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    2025年11月24日
  • 本からはじまる物語

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    好きな恩田陸さんが入っていたので思わず読んでみた。短いながらほっこりする感じのものが多くてよかった。

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    2025年11月13日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    映画を見に行く前に再読。
    新しいことに次々夢中になるトリツカレ男のジュゼッペがある日憑りつかれたのは、笑顔の奥に陰りを隠した女の子ペチカ。ジュゼッペは昔取った杵柄を駆使して彼女の笑顔の曇りを取り除くためになんでもするのだが…というお話。
    おとぎ話みたいなラブストーリーで、すべての要素がパチンパチンとキレイに収まっていく面白さ、優しく包み込まれるような心地良さがある。ペットのハツカネズミくんが飄々としてるけど健気でいいんだよなあ。
    最後の「特別サービス」で駄目押しのハッピーエンドを見せつけられるのが好き。

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    2025年11月02日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    「一万円選書」の本の中で、店主のいわたさんが紹介していた本。
    とても温かいハッピーエンドのラブストーリーで、童話のような感じだが読みやすかった。

    タイトルのトリツカレ男とは、そのまんまの意味で、すぐに何かにとりつかれてしまう男ジュゼッペの話。
    オペラ、三段跳び、外国語、昆虫採集、サングラス集め…次から次へとりつかれるとそれに夢中になってしまう男が、ペチカという少女に出会い…という話。
    レストランの主人やツイスト親分をはじめ街の人たちもなんだかんだ言いながらジュゼッペを温かく見守っていて、その関係性がいいなと思った。
    周りにどう言われようと、何かに夢中になれるということ自体が幸せなんだろうなと

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    2025年10月17日
  • 本からはじまる物語

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    作品紹介・あらすじ

    1話5分でわくわくできる、本にまつわる18のストーリー。

    森を飛びかう絵本をつかまえる狩人、ほしい本をすぐにそろえてくれる不思議な本屋、祖父がゆっくり本を読む理由、書店のバックヤードに隠された秘密……。
    青春、恋愛、時代小説から、ミステリにファンタジーまで、「本」と「本屋」をテーマに豪華執筆陣18名が集結! 本の世界の奥深さが短いお話の中にたっぷり詰まっています。1話5分でわくわくできてどこから読んでも面白い、本にまつわるショートショート・アンソロジー。

    *****

    本にまつわるショートショート18編を集めた短編集。
    僕は梨木果歩さんの作品目当てで購入。
    ホロリとさ

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    2025年10月05日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    ◼️ いしいしんじ「ぶらんこ乗り」

    不思議な天才、弟は今夜もブランコに乗り、動物の話を聞き、物語を紡ぐー。

    いしいしんじは先日初めて「トリツカレ男」を読み、児童文学での奇想に惹かれ、えもいわれぬ文芸的な説得力を感じた。さて、今回はー。

    姉のわたしは小学4年生。1年生のあのこ=弟がいて、画家の母、額縁を造る父、元女優で子どもにも厳しい祖母と暮らしている。他界した祖父は高名な画家で母のところには画壇関係の出入りがひっきりなしにある。

    ある日弟は雹が喉に当たったのが元で普通の声が出せなくなり、筆談するようになる。近所にいた毛が半分抜けた犬を拾ってきて「指の音」と名付けたあのこは、家の木の上に

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    2025年09月30日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    なんでも夢中になっちゃうトリツカレ男、ジュゼッペ。
    いろんなことを全力でしたことは無駄じゃない。
    ジュゼッペがペチカにとりつかれたからこそペチカの心の曇がわかって、ペチカの幸せを本当に望んで行動できたのだと思う。

    いしいさんの本は切なくて悲しいこともあるけど、なんだか素敵だと思えるラストが好きです。

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    2025年09月01日
  • 四とそれ以上の国

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    ネタバレ


    何もわからないまま知らない世界に放り出されて
    少しずつ自分の中に落とし込んで歩いていく感じでした。
    読むのに時間がかかってしまった。

    舞台は四国なんだけど、作品名の通りの「それ以上の国」。
    私たちの知らない、歴史と霊性に満ちた四国の短編集たち。

    個人的には『藍』が一番好きだったかな。
    四国に住んでる人たちには読んでほしいななんて。
    ただこの作品は好き嫌いが別れるだろうな…。

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    2025年08月28日
  • 息のかたち

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    なんとも言えない。
    文体が好きだから読めたけど、内容はうーん。
    とはいえ、コロナがあったからこそ生まれた文学。どんな状況も文化を生み出す。
    コロナを知らない世代が読んだら意味わからんのやろうなあ…。

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    2025年06月02日
  • ある一日

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    いしいしんじの作品は最初にトリツカレ男をよんでいたので文体の違いに最初は戸惑いつつも、次々と目まぐるしく映る景観が流れてくるような不思議な文章で中盤くらいから癖になっていた。

    自分は性別が男な為、慎二の立場で出産の立会いの場面を読んでいたがなかなかにハードというか、、想像を絶するのだろうという臨場感がひしひしと感じた。

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    2025年05月27日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    【2025年36冊目】
    素数にとりつかれた父と、音楽にとりつかれた祖父。誰よりも身体の大きなぼくは、ねこの鳴き真似が上手く、「ねこ」と呼ばれている。ある真夏の夜、ぼくはリズムよく鳴らされる不思議な音を耳にする。それは麦ふみクーツェの足音だった。

    大人向けの童話のようなお話、もしくは絵のない絵本、という表現が自分の中でしっくりくる一作でした。連作短編集というわけではないと思うのですが、章ごとにタイトルがつけられていて、ゆっくりゆっくりと物語は前に進んでいきます。

    ありそうでなさそうな、ちょっぴりファンタジーも入ったお話。読み聞かせしたくなるようなリズム感。もしかしたら、Audibleと相性が

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    2025年03月25日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    トリツカレ男はとりつかれたら全力。

    そんなジョゼッペは周りの人みんなに愛されていて、レストランのオーナーをはじめとして、時に困りながらも(本当にそばにいたら困りそう!)温かく見守っている。

    そんな彼がある女の子に心がとりつかれて、これまでとりつかれて全力で向き合ってきたものが生きてくる。

    真っ直ぐさが時に辛く切なかったけれど、温かく素敵なお話でした。

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    2025年03月17日
  • 息のかたち

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    あることがきっかけで人の息のかたちが見えてしまう夏美の不思議小説。コロナが世間を席巻したあの時の設定。確か咳をした時にどんなふうに咳が広がっていくのか盛んに画面で説明していたっけ。それと同じように主人公には人それぞれの息のかたちが色付きで見えてしまいます。なんだが不思議でフワフワした小説。また、主人公が住む京都の街並みと京都弁がとてもマッチして浮かんできます。

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    2024年12月25日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    児童文学的な恋愛小説

    小学校の推薦図書にでも取り上げられそうな良くできた展開。軽快な文体で、風変わりな伏線が綺麗に回収されていく。

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    2024年10月08日
  • 義経千本桜

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    関西弁でくだけた表現なのでさくさく読める!しかし、やっぱり源平合戦をあまり知らないので知った上で読んだ方が面白いだろうな。

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    2024年09月06日
  • げんじものがたり

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    古文が苦手で避けて通ってきたのだけれど、楽しく読み切れました。それどころか、その後が気になるので続きが読みたいです。

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    2024年09月03日