いしいしんじのレビュー一覧

  • ポーの話(新潮文庫)

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    memo:

    ちょっとのことだけはさ、大切にね、他のひとがやらないくらいていねいに、やらなくちゃいけない、って気がするんだよ

    そういうのは、てりかえしです。ゆびはさんだり、ころんだり、そんなのいくらでも、まちがうのです。ポーのいちばんふかい底で、まちがったことをしないのが、だいじなんですよ。

    ポーのきもちがほんものなら、並べた石ころだって、ほんとうの花

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    2009年11月23日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    いしいしんじっぽい、メルヘンの背後にある言いようのない気味の悪さ。それが嫌いという人も多いけど、違和感を抱えながら読み進めると、最後の最後でそれがちょっとだけきらきらしたものに変わる感じが好きです。

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    2009年11月06日
  • ポーの話(新潮文庫)

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     泥の中でうなぎを捕まえる「うなぎ女」たちの子どもとして生まれた少年ポーが、数百年ぶりの大雨のなか川を流され、いろんな場所やひとに出会って別れて、また生まれた泥の中に還ってゆくおはなし。

     いしいしんじの作品というのは、どうも、やさしすぎて残酷というか、ぬるま湯でゆっくりと絞殺というか、安寧と絶望がお互いを認識しないまま同居しているというか、そういう表裏的な、生と死が弧を描いているさまがあっさりと描かれていて、読み終わって直後は気持ちが動揺します。
     ぐらぐらするわりに「ああそっか」と思える。どうすれば……と思うけれど回答は示されてる。

     あがなうこと、つぐなうことに対してとてもまっ

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    2009年10月08日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    いしいしんじの不思議な世界。
    メルヘンな、ファンタジックな設定の裏に潜むリアリティ。
    いしんしんじという人の感性にやられ続ける短編集です。
    「カラタチとブルーベル」
    「緑春」
    「透明に関する四つの小話」
    「太ったひとばかりが住んでいる村」
    この4つのお話が特にお気に入り。
    全部で19話収録です。

    『食べられるなら、おいしく。踊れるうちは、足を高く。
    ―生きるなら、生きるだけのたのしみをからだじゅうに受けて生きようと、ぼくたちは昔から、ただそう思って暮らしているんですよ』

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    2009年10月04日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    めずらしくジャケ買い(中古じゃない文庫!笑)

    不思議な短編集。
    どうやら最近不思議系によく出会う。

    大人の童話という感じ
    ちょっとこわくて、森の中に迷い込んだよう。
    海外ものを読んでいる気分にもなった

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    2009年10月07日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    いしいしんじ2冊目

    SS集なので、区切りも良く読みやすい。
    『しろねずみ』と『白黒の鳥の声』が中でもお気に入り。
    主人公と動物たちのやりとりの様子が可愛らしく、どこかコミカルで心が和む。私もこんな風に動物と楽しく会話してみたい♪

    ちょっと不思議でゆったりとした一時が過ごせる。そして、なんとなく紅茶が飲みたくなる。(そんなイメージが似合うと言うことで・・・)

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    2009年10月04日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    この作家さんをどう評価すべきなのか?
    寓話作家なのか、一種のファンタジー作家なのか。児童文学作家なのか。カテゴライズすることは無意味と判っているのですが、悩んでしまいます。
    ともかくも、この作品。特に前半は何が語りたいのか良く判らず、かなり読みにくい。ミステリーでは良く、最後にそれまで散りばめられていた場面が、ジグソーパズルのように嵌まっていくような構成があります。それにちょっと似ています。もっともパタパタ嵌ると言うより、繋がりが見えるようになるという感じですが。
    読後感はなかなか良いのですが、それが何処から来るのか判らない。物語そのものの筋は通っても、その中で語りたかったことは何なのかが判ら

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    2016年08月16日
  • 息のかたち

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    スムーズに読めるかと言うと、そうではないが、まさにアート作品を読んでるような感覚。内容の理解というよりも、その世界に対してどれだけ溶け込めるかが、この小説の鍵になると思う。自分自身も息という。普段何気なく行っている行為、そのものに焦点を当てるのはとても勉強になったし、自分の息の形自体ももう一度考えなきゃいけないきっかけとなった。

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    2026年06月21日
  • 人生不案内(新潮新書)

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    ネタバレ

    いしいしんじさんの人生相談。新聞の連載らしいけど、読んだことがなかったのでまとめて読めて良かった。
    悩みへの回答には、いしいさんの小説の世界のにおいがどこか漂っている。いのちはすべて響き合っている、つながっているという世界観が、たびたび顔を出す。
    50代にして膝を悪くし不整脈も患って健康不安から鬱っぽくなっているおじさんの相談にも、いしいさんはいきなり、死を超えた百千億兆の生命とのつながりを説く。おじさん、新聞読んでぽかんとしただろうな(笑)。健康不安からこの境地に至るまでには何ステップも階段を上らなきゃいけないと思うけど、いきなりこれを読んで得心するのは難しかろう。このズレが面白い。
    罪のな

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    2026年04月24日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    いしいしんじは若い頃に一回ドはまった。初期のいしいしんじの童話のような物語が心地よかった。ふとした瞬間から遠ざかって数十年。ぶらんこ乗りは絶対読んでいるはずなのに、見事に思い出せなかった。だけど、まったくのサラの面白さではなくて、どこかに物語のしっぽみたいものが残っていて、懐かしいような気持ちになった。

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    2026年03月26日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    昔の童話のよう。ジュゼッペもペチカも良くも悪くも狂ってる。その様子が純粋でひたむきで、トリツカレるのも悪くないじゃないと思ってしまいました。どこまでもおバカで優しいジュペットに会いたい。私もジュペットやペチカのように人にトリツカレて、滑稽なまでにその人を想ってみたいです。

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    2026年03月26日
  • 四とそれ以上の国

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    いしいしんじさんの物語は
    全体的に少し遠くから眺めないと
    わからないところがある
    それが塩であり、峠であり、道、渦、藍
    である
    感覚なんだろうな
    なんとなく感じるものが
    込み上げてくるのだろうか
    まだまだわかりかねる部分も多く
    物語が
    どんどん遠くに行ってしまう

    四国がテーマになっている
    塩、大震災
    小泉八雲、うどん
    巡礼の人
    渦潮
    正岡子規、野球
    藍染めなどなど
    よく噛み締めて読まないと
    飲み込まれてしまう
    そんな一冊

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    2026年02月26日
  • みずうみ

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    アーエーイ
    ウーイー
    エーウーア
    オーエー
    レーイ、レーイ
    みずうみウー

    コポリ、コポリと水が湧いてくる
    すべては水から始まって
    水に帰っていく

    一章から三章までどれも
    違う世界で生きる人の話し
    三章はどうやら作者が
    出てくるようだ
    わかるかと言われれば
    わからない話ではあるが
    人も地球も
    すべて水の中に漂っている
    だからなのか
    ふわふわと水に浮かんでいる
    そんな感覚の不思議な物語

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    2026年02月16日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    次から次へ多様な趣味に手を出し
    没頭しては飽きて放り出す
    その繰り返しを生きるのがトリツカレ男
    愛の多い男とも言える
    しかし偶然出会った女に一目惚れ
    それから、過去に培ったあらゆるテクニックを駆使して
    不器用なアプローチを試みる
    不器用というか、むしろ器用なんだけど
    いつまで経っても肝心の気持ちを伝えられない
    それは勇気がないからではなくて
    一種の完璧主義なんだよね
    …いや、やっぱり勇気がないから
    そうなるのかもしれない
    トリツカレ男はあらゆることをやり
    彼女を喜ばせることには成功を続けるものの
    一向にその仲は進展しないのだった
    そのような状態を打開する幸運は
    トリツカレの積み重ねによって築い

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    2026年01月08日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    童話のような現実味のあるような、不思議なファンタジーの世界観だった

    ポーとメリーゴーランドとの出会いが自分の中では1番好き。

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    2025年12月29日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    感想。タイトルがそうとしか言えませんよねという感じの話。主人公ポーの生まれから(おそらく)死までの話。ポーのラストが一体どういう事なのかというのは読み手に委ねられているとは思うけれど、ポーという人間は自然との合いの子のような存在なので何かが一回りして還っていくような余韻がある。
    描かれている世界と人間達が私達の現実に片足突っ込んでいるとはいえ、どこかファンタジーでもあってといって童話の世界のように本当に違う世界でもないその不思議な塩梅。水というものの描写がポーと共にずっとあって、それがポーの人生と呼応する感覚。ずっと何かに包まれているような読書体験だった。宮沢賢治のクラムボンの事を思い出してい

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    2025年12月26日
  • プラネタリウムのふたご

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    なんか何も救いが無いような、なのに救いしかないような、不思議な話でした

    プラネタリウムとまっくろくておおきなもの
    光と闇の対比
    それでも六本目の指は、あなたの指につながれている

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    2025年11月30日
  • げんじものがたり

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    ◼️ いしいしんじ「げんじものがたり」

    京ことばで、くだけた語りの源氏物語。

    関西弁というか、やはり京言葉、そして今ふうの言葉で訳してある源氏物語。大谷崎をはじめ多くの方が現代語訳している源氏物語。専門的なことは知らないが、私的に紫式部は素晴らしい物語作家で、一文が長すぎる人だと思う。特に日本人が訳すと古語の知識にどうしても引きずられてしまう傾向があるかなと。私が通読した与謝野晶子も苦戦している跡が見えた気がした。

    まあともかく今作はある意味思い切った、パロディ的な訳。目的が違うかもと思う。

    まずは「桐壺」に、「雨夜の品定め」の「箒木」。プレイボーイ光源氏が唯一?逃げられてしまう「空蝉

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    2025年11月24日
  • 本からはじまる物語

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    好きな恩田陸さんが入っていたので思わず読んでみた。短いながらほっこりする感じのものが多くてよかった。

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    2025年11月13日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ネタバレ

    映画を見に行く前に再読。
    新しいことに次々夢中になるトリツカレ男のジュゼッペがある日憑りつかれたのは、笑顔の奥に陰りを隠した女の子ペチカ。ジュゼッペは昔取った杵柄を駆使して彼女の笑顔の曇りを取り除くためになんでもするのだが…というお話。
    おとぎ話みたいなラブストーリーで、すべての要素がパチンパチンとキレイに収まっていく面白さ、優しく包み込まれるような心地良さがある。ペットのハツカネズミくんが飄々としてるけど健気でいいんだよなあ。
    最後の「特別サービス」で駄目押しのハッピーエンドを見せつけられるのが好き。

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    2025年11月02日