いしいしんじのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
なかなか頭に入らない物語。
阿波、讃岐、土佐、伊予の四つの国の、過去と現在、伝説や歴史的人物、そして土地の「もの」が絡み合い、混然一体となって物語が動いていく。
冒頭の「塩」という作品で言えば、人形浄瑠璃の義太夫節がウキを乗っ取り、主人公をはじめとする登場人物を引きずり回し、カタストロフに追い込んでいく。
しかし、その混乱の中で、主人公は自分の「筋」(これは節の「筋」であると同時に、人間の生命力か何かの隠喩のように思える)を見出す。
こんな風に、何かの人知を超えた「土地の力」が人物や物語をドライブする小説と理解したけれど・・・。
読んだことないけど、中上健次の小説って、そんな感じなのかな? -
Posted by ブクログ
児童書のようなタッチで言葉が運ばれていくのに、背景にある闇が深い話だった。いしいしんじさんの作品を読んだのは二作目だけど、これがいしいしんじ作品の独特な雰囲気なんだろうなと思う。夜のシーンが印象的な作家さん。
弟はお姉ちゃんが大好きで、お姉ちゃんも弟が大好き。二人を中心とした、あたたかい家族のお話でした。最初の一通目が弟の最後の物語だったなんて、読んでる最中は全く気付かなかった。
そして、弟が動物の声を聞けるようになったあたりから、いつか壊れてしまうんじゃないかってあぶなっかしくて、見守るようにページを進めた。
お姉ちゃんは最後、弟に会えたのかな。 -
Posted by ブクログ
いしいしんじ氏の作品は『ポーの話』と『四とそれ以上の国』しか読んでないのだけど、冒頭からしばらく読んで、その2冊が繋がるような気がしました。第1章。しずかに淡々として、すこし不穏で、これは何かが起こる前なのだとわかるけど、起こったことさえも淡々と描かれる。
それこそひたひた水が満ちて、穏やかにまた引いていくような。
3章のラストシーン。 これまで読み手の感情はそっと抑えられていたけど、ここでやっと解放される気がします。
このシーンが最初だったのかな。今までの物語は全部、このラストに繋がるために生まれたのかなと思いました。
水が満ちて溢れる。人はいろいろなものを失くしていくけれど、どこか遠く -
Posted by ブクログ
いしいしんじの、「大人のための絵本」っぽいところが大好きで、
この本も読み始めました。
ただ、今までと違って、世界に入り込むのに時間がかかりました。
淡々と進み、物語の全容を把握するのに、300ページくらいかかりました。
このお話は、
吹奏楽部だった人、楽器を演奏することが大好きな人には、
もってこいのお話。
『音』についてのお話。
合奏をしている
それは、音を鳴らしている
音を鳴らすことによって、
誰か(何か)と繋がっていることができる
「繋がっている」ことが、どれだけ素敵なことなのか
それがわかるお話です。
演奏する喜びを知っている人は、きっと