【感想・ネタバレ】プラネタリウムのふたごのレビュー

あらすじ

だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。――星の見えない村のプラネタリウムで拾われ、彗星にちなんで名付けられたふたご。ひとりは手品師に、ひとりは星の語り部になった。おのおのの運命に従い彼らが果たした役割とは? こころの救済と絶望を巧まず描いた長編小説。(講談社文庫)

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Posted by ブクログ

高校入学前の子どもの課題図書一覧の一番上に紹介されていた。親である自分が読みふけるが、子どもはページをめくらず。入試国語で落第者向けの補講としての教材なのに。
いしいしんじの筆致から、文学の神髄を涵養させたいのか。こういうヘタウマが理解できるのか。
こころの救済と絶望を巧まず描いた長編。
巧まず(たくまず)って意味が国語落第者には、分からない。図らずもと言い換えるより、巧まずという表現が、双子の主人公の生き様らしい。

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2025年02月25日

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阿久津仁愛くんがこの作品の音楽劇に主演で出演したことがきっかけで出会った本!だいすきで、何回も読んでいます。

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2025年01月09日

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心に深く沁み入る言葉、大事にしたいことがたくさん詰まった小説だった。
登場人物の、真正面から物事を受け止める姿や素直な心、優しさに、涙が溢れて止まらない場面が多々あった。
星の見えない土地のプラネタリウム。手品。それは 心を和ませたり心を打ったりすることができるもの。だれでも、現実ばかり見て生きていたらかさかさに渇いて何の面白味もない人生になってしまう。まやかしや偽物でも、本物以上のきらめきを人の心に灯すことができる。大切な誰かと一緒に見たり体験したりしたすばらしい出来事は、その後自分の人生を豊かにするだけでなく、いつまでも心の中で自分の支えとなって暖かく残り続けるんだと思う。生きていれば辛いことや苦しいこと、受け入れられないような現実に打ちひしがれることがあるけれど、心に光のかけらが、星粒が一つでもあれば、それがきっと遠い未来まで自分を生かしてくれるはずだ、そう思える作品だった。

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2022年01月10日

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ネタバレ

 村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』をもっと童話チックにした作品。だれかと一緒にだまされ同じ夢を見ることが、いかに人生を豊かでおもしろいものにするか、ということが手を変え品を変え実演される。手品に、まじない、言い伝え、それからもちろん小説も。目の見えない老女が家出した亭主の名をかたって書いた自分宛ての手紙を、その内実を察しながらも素知らぬふりして朗読をつづけるタットルや、「泣き男」がプラネタリウムに映してみせた見せかけの星に魅了される村の人たちや、タットル扮する熊をいつまでたっても撃ち逃してしまう猟師たちや、テンペルになりきったタットルに騙される「栓ぬき」とおなじように、一読者として私も存分にだまされ、そして楽しんだ。

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2020年08月27日

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プラネタリウムの解説員である「泣き男」は、村で水死した女があとに残した双子を引き取って育てることになる。
双子には、太陽の周りを三十三年周期で回っているテンペルタットル彗星から、テンペル、タットルと名が付けられる。

勝ち気で活発なテンペルは、村にやってきたサーカスの一座についていき、やがて世界的な手品師として、旅から旅の暮らしを送るようになる。
対する穏やかなタットルは、村に残り、郵便配達員として、また父の仕事を手伝ったりして暮らしている。
中身は対照的でも見かけがそっくりなこの双子は、「熊」に関わってそれぞれの運命を歩んでいく。

いしいさんの作品には、いろいろなものが詰まっている。
身体の苦しみ、心の痛み、思いやりや知恵。
ここで描かれる世界は決して理想的なものではなく、雑駁で残酷なものも含まれているけれど、どこか温かい。
『麦踏みクーツェ』よりも、本作の方が好きかもしれない。

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2018年10月14日

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「手品師の舞台は、演芸小屋や劇場にかぎらない。私たち手品師は、この世のどんな場所でも、指先からコインをひねりだし、カードを宙に浮かせ、生首のまま冗談をとなえつづけなければならないのだ。いうなれば私たちはみな、そろいもそろって、目に見えない六本目の指をもっている。手品師たちのその見えない指は、この世の裏側で、たがいに離れないよう、密かに結ばれあっているものなのだよ」

ファンタジーの名手いしいしんじの傑作長編。
山間の村にただひとつあるプラネタリウム。そこに捨てられた双子のテンペル・タットルを中心に悲喜こもごもの人間模様を綴る。
剣も魔法も出てこないけど、この人の書く本はすべからくファンタジーだと思う。
どこかにありそうでない街。現実離れしてるようで、現実を引き継いだ世界観。よい人もいれば悪い人もいる、正直者もいればずるい人もいる。金持ちも貧乏人も、大人も子供も、強者も弱者も……そして彼の作品の主人公は普通の人より少し不器用で、少しだけ世界からずれたところに存在する者。
プラネタリウムに捨てられた双子は泣き男に拾われ育てられ、銀色の髪の美しい少年に成長する。
毎年工場では父親のわからない子供が産まれ養護施設に預けられる。煙突が吐き出す煙のせいで空は曇り、星は見えない。労働者は皆疲れている。そんな村で唯一、村人の娯楽として偽の星空を映し続けるプラネタリウムでは様々な出来事が起きる。
十四歳になった時、テオ座長率いる手品師一座が村を訪れたことによって、二人はそれぞれ別の道を歩むことになるのだがー……

優しくて哀しくて痛くて切なくて、いろんな感情で胸が一杯になる。
綺麗で楽しいばかりがファンタジーじゃない。
実際、作中では少なからぬ悲劇がおき、少なからぬ涙が流される。
時に、不幸に打ちのめされた人の心は絶望の闇で塗り潰されそうになる。
けれど

「くらやみなんです」
「もちろん、そこには何も見えません。見えないから、闇というのです。でもだからといって、そこに、なにもないとは、いえませんでしょう。なにかがあると感じるからこそ、われわれはきっと闇にひかれ、そして闇をおそれるのでしょうから」

作中泣き男が語るこの台詞こそ、本作の、ひいてはいしいしんじ作品すべてに通底するテーマを象徴する。
作者は目に見えないことやものを軽んじず、尊重し、あくまで純粋に向き合い、描き出そうとする。
哀しい過去を背負った不器用で真摯な人間達。
彼らが哀しみと折り合いをつけなんとかやっていこうとする姿勢が、自分が辛い時さえどん底の誰かをすくい上げようとする優しく気高い志が、「感動」の一語で括れない深遠な余韻を帯びて胸に迫る。

犬と兄貴のエピソードには思わず泣いた……。

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2017年08月24日

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号泣。

そして、私は星のギリシア神話を買いました。


やっぱりいしいしんじさんの物語はいいです。
「ファンタジー」って言ってしまうとその一言で片付いてしまうんだけど、なんというか、この世の地面から少しだけ足が浮いている感じ、この感じがたまらないのです。

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2015年09月22日

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フォロワーさんからオススメして頂いた、初いしいしんじさん。

「でも、それ以上に大切なのは、それがほんものの星かどうかより、たったいま誰かが自分のとなりにいて、自分とおなじものを見て喜んでいると、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ」

泣き男が言ったこの台詞が、この小説の一番ぐっとくる部分だと思う。

幼い頃に双子が見たプラネタリウムの星空は、双子にとっての暖かくて大切な思い出で、道は違えどしっかりと受け継いで人に伝えていく。お父さんと双子とプラネタリウムと、それを取り巻く人間模様の、優しさで溢れるお話でした。

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2014年07月12日

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第六章 光のかけら

は、涙が止まらなかった。

すべての登場人物がいとおしくてたまらない。
読みごたえがある良作。おすすめ。

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2016年09月14日

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「だまされることは、だいたいにおいて間抜けだ。ただしかし、だまされる才覚がひとにないと、この世はかさっかさの、笑いもなにもない、どんづまりの世界になってしまう。」

現代のおとぎ話。
この不思議な世界観が気に入った。

自分にできることを精一杯やって、それでなにか少しでも人のために役に立てるのなら素晴らしい。
決して出しゃばらず、かといって遠慮せず。分をわきまえて生きられたらいい。

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2019年01月16日

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『ふたご』をキーワードにとある本屋で見つけた一品。

プラネタリウムに拾われた双子の話。
ある日双子の片割れは運命を違い、それぞれの人生を歩む。
そして再び出逢った時には・・・

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2019年01月16日

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ネタバレ

「晴れ、時々クラゲを呼ぶ」で小崎ちゃんが激薦めしてたので。
山に囲まれた街にあるブラネタリウムを独りでやっていた泣き男さんが、ある日ブラネタリウムに捨てられていた双子に彗星の名前からとったテンペルとタットルという名前を付けた。二人は成長し、ブラネタリウムを手伝いながら、郵便配達をしていたが、ある時街にやってきた手品師の興業にテンペルはついて行ってしまう。双子は違った運命をたどっていく。
騙される才覚が人にないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。
タットルは熊狩りで村人たちを騙し、テンペルは手品師として人々を騙す。事故で命を落としたテンペルの代わりにタットルが一世一代の騙しをすることで、一人の少年が救われる。
長かったー。

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2022年12月11日

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ネタバレ

プラネタリウムもサーカスも「現実と見紛うような虚構性」により魅力を放つが、それらはあくまでも「虚構」であることが暗黙のうちに了承されていなければならない。
「虚構」は他者と共有され「物語」化された時に命が吹き込まれる。一方で「物語」を共有しない者にとっては何の意味も持たない。
タットル扮する熊は町の猟師以外が銃を向けたら恐らく弾が当たっていたし、テンペルの悲劇は「物語」を共有しない者によって誘発される。
「虚構」と「現実」を見誤ってはいけない。
500Pほどありなかなかのボリュームでゆっくりと読んだが、興味深く読むことができる内容だった。
次は「麦ふみクーツェ」を読みたい。

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2022年02月23日

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とある片田舎の工場のそばにあるプラネタリウムの座席に、双子の赤ちゃんが捨てられていた。双子はプラネタリウムを経営する"泣き男"に、タットルとテンペル名付けられ、いたずら好きの青年に育つ。ある日、村にやってきた手品を見せる一団に出会い、ふとしたきっかけで双子の人生は引き裂かれ、それぞれの道を歩み始める。

大河ドラマ的にこってりとしたストーリーに、自問自答するようなストーリーテリングで、ぐいぐいと双子の人生の紆余曲折を描いていく。父親代わりの泣き男、双子のいたずらをたしなめる工場長や盲目の老女、テンペルを世話するテオ団長など、双子の成長にともなって人生に介入して導いていく。

最近気がついたことであるが、主人公の性格を難しくしてしまうことで、ストーリーが"詰まる"のであり、本作は銀髪でいたずら好きのの双子という以外は、素直であまり複雑でないキャラクター設定になっているのは好感を持てた。

一方で、テオ団長以外は、性格を表すような抽象的な名前になっており、このあたりは宮沢賢治あたりの流れを汲んでいるのであろうと思う。時々見かけるが、やはり読み始めに"泣き男は"とスタートされると、名前を探してしまう。

こってり濃厚な話で、厚みもそこそこある。ワタシはタイトルで誤解して、軽く読み飛ばしてやろうと手には取ったが、なかなか読み進まなくて時間はかかってしまった。サラリと読める話ではないが、時間の有るときに一度手にとってみてはどうだろうか。

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2021年12月30日

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ごめんなさい。終始話の内容が掴めなかった、、

映像化すると面白いのだろうか。

途中「い」の抜けたところがあったけどあれはなんだろう。

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2021年07月08日

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どこかの国の昔話のような、おとぎ話のような。

いろんな不思議や疑問も多かったけど『だまされる才覚がないと、かっさかさの人生』なんだって。
たしかにこの本は、上手にだまされて人生を楽しんでる人たちが描かれてるのかな。


テンペルとタットル、星の名前をつけられたふたごが、だましてだまされる。プラネタリウム(星がない天井をみせてる)が好きな村の人たちも、サーカスや手品(だましのたかまり)を楽しみにする人たちも、だまされる才覚があるんだね。

手品師テンペルの最後のうそと、そのうそを守ろうとするタットルのうそが優しい。
人を傷付けないための優しいうそには、だまされたほうがいい。

私も上手にだまされる人生をあゆもう。
まずはプラネタリウム行きたいな。

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2021年06月05日

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プラネタリウムのようにゆっくりと回る世界で、優しい嘘、ときに必要な嘘と、それに騙されてやる才覚のある人達の優しいお話だと思った。
人の名前がふたご以外出てこないのも、不思議な感じがして面白かった。

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2019年11月26日

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ネタバレ

プラネタリウムに置いて行かれたふたご。テンペルタットル彗星の解説中に泣いたことから、テンペルとタットルというなまえで呼ばれるようになる。銀色の髪をした美しいふたご。
紙製品の工場が動き続ける村では、もやや煙で星が見えない。
ふたごは解説員「泣き男」のもとでプラネタリウムや星、神話に親しみながら育つ。
あるとき、魔術師テオ一座が村にやってきたことからふたごは離れ離れになる。タットルは郵便配達をしながら星を語り、テンペルは手品師へと。

「麦ふみクーツェ」以来の、いしいしんじ作品でした。
クーツェを読んだのも思い出せないくらい昔のことで、いしい作品をほぼ知らない状態での読書でした。
優しい文章は気持ちを暖かくさせる。でもその優しさは、シリアスな展開では不思議な感覚にさせました。
登場人物に名前がない(ふたごとテオを除いて)、時代や場所の背景がはっきりと描かれていない分、私の想像が世界を作っていくので楽しかった。


作品の中には、ふたごも村の人も、一座の人も、人を「だます」シーンがある。「だます」というとちょっと聞こえが悪いけれど、悪い意味ではなく、誰かを思っての行動だった。

村に新しい工場ができることになり、それまで村や人々にとって畏怖や畏敬の対象だった北の山が崩されることに。何十年も熊が出ていない山で、毎年狩りの時期に行う儀式。なんのためだったのだろう、と肩を落とす狩人。しかし北の山に熊が出たことによって、再び村は盛り上がる。
でも実はその熊、タットルだった。
山を開かせないようにという思いでした行動なのだと思う。(撃たれないか撃たれないかとハラハラ読んでた。)
しかし村の人たちは、熊はタットルが正体だと知っていた。知ったうえで作戦をねり、山へとのぼっていた。
これはお互いにだましあっていたってことなんだろう。
でもそれでいい、と村人は思っていたのだろう。
毎年毎年、儀式的に行ってきた自分たちの行為、村を思ってのタットルの行動。嘘とか、本当とか、そんなことではなくて、誰かを喜ばせたいという気持ちがそうさせたんだろう。

そしてお話の最後には、みんなが大きな「嘘」をつくことになる。それでも一人の男の子を救った。
喜ばせたい、幸せになってほしいという気持ちが生んだことなのだろう。

個人的には、死と星が結びつかなかったことに不思議な安心を感じた。(これは私の個人的な死生観?)
氷山の氷から、ゆっくり解けだして水になる。水になったらすべての海とつながりをもち、雲になってどこかに降りそそぐ。
そうやってもっと広い世界へとつながりを持つのかもしれない。

思えば、プラネタリウムの中でも人をだますことになるのかなぁ、と。
天井に広がっているのはにせものの空で、にせものの星。時間も操作できるので、にせものの時間の中にいる。そのなかで、本物とおなじように見せる。
星座に描かれた神話は、実は出典がごちゃごちゃになっていたりして、生まれてから長い年月と人の営みを経て変化してきたもの。だからはっきりとした正解がない。でもそれを、きちんとお話をする。
小さい地球上ではわからない天体の動きや、その科学的なものを、空間や時間を操作して(にせものの世界のなかで)お話をする。
でもそれは、誰かを喜ばせることのできる。ちょっとした手品なのだ、と教えてもらったような気がした。

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2018年04月12日

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ある村のプラネタリウムで拾われた双子のお話。

これはファンタジーなのだろうか、それともそうではないのか、と不思議に思う程、摩訶不思議なことだらけなものだったと思います。
泣き男が語る星の話は、普段はあまり興味のない分野なのですが、ひとつひとつ星には物語があるのだなと新たな発見が出来たような気がします。また神話についてもっと知りたいとも思いました。
ふたごだからといって双子の括りにせず、分けてよく書かれているのでとても面白かったです。

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2017年06月17日

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泣き男の台詞がどれも深かった。こんな風に丁寧に適切な距離で子どもと接していきたいと思う。そしていつかこの話を読んであげられたらいいな。

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2015年01月14日

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まるで童話のように優しい、大人のための物語。頭の中で想像を巡らす時には絵本のような絵柄が似合う、そういう小説です。

登場人物のほとんどは名前が明かされていないのですが、代わりの呼び名がとても良いです。
泣き男、妹、ベテラン配達夫、栓ぬき…
「かささぎ親方」が個人的にはツボ。

物語の中ではいくつか悲しい出来事が起こります。
でもそのたびに、なにかとても大切なことを教えてもらったような気がして、
このお話を忘れないようにしよう。そしてまた絶対に読み返そう。という気持ちになりました。

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2014年12月16日

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『ひょっとしたら、より多くだまされるほど、ひとってしあわせなんじゃないんだろうか』

そうかもしれない

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2014年08月06日

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一気に読みきるのではなく、
少しずつ読んでいく本だと思います。

ふたごが閉鎖的な田舎町で育ち、
別々の道を歩んでいく話。
一人は手品師になって世界中を渡り歩き、
一人は町で郵便局の配達員になります。

ところどころ、ぐっとくるところがあります。
最後はやりきれませんが、
それでも、あったかい素敵な物語だと思います

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2017年10月29日

Posted by ブクログ

掴みどころの無いふわふわした話で、普段の面白さの尺度から離れて、童話のような透明感や厳しい哀しさ、浮遊感やノスタルジーなど揺らぎのある感覚を覚えた。

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

なんか何も救いが無いような、なのに救いしかないような、不思議な話でした

プラネタリウムとまっくろくておおきなもの
光と闇の対比
それでも六本目の指は、あなたの指につながれている

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2025年11月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これどうやって終わるんだろう?と後半のかなり後の方まで思っていた。
出来事というほどのことは起こらず、淡々と進んでいく話で、全体に静かで詩的なトーンで綺麗だけど、、、と思っていたら、いきなりそんな!

ふたごの再会をみたかった。
再会できていたら、互いの手品を、投影を、どう見ただろうか。
酔って大きな玉に入って眠ってしまったとき、二度と会えないなんて、思わなかっただろう。
いろんなことが、つながっていた。
あたたかいけど、さみしい気持ちになる話だった。

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2021年10月16日

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20190828
星の見えない村のプラネタリウムで拾われた双子。大きく別れた道の先で、二人がついた優しい嘘。
世の中のいろいろなことに、裏やら種やらがあったりするものだし、ほとんどの人がそれを知っているから「騙される」のも才能。善意に気持ちよく騙されることが、人生を豊かにするということか。

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2019年09月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

こころから信じられる、そんな相手が、
"この夜"からいなくなってしまうお話。

本当は"この世"だが、
今作品には夜のほうがぴったりくる。

そばにいると確信するラストだが、
そうではないと私と感じた。


過去に読んだいしいしんじ作品と比較すると
主人公の二人が運命に翻弄されるばかりで、
本当は何がしたいのか動機がよく読み取れない。

残酷さと幸福が入り交じるが、
全体を通すと非常に哀しい。

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2017年01月06日

Posted by ブクログ

雰囲気は良い。
良作感はあるが、話自体にメリハリがなく、読ませる感がない。
返却期限が来たため挫折。

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2016年06月10日

Posted by ブクログ

いしいさんらしい作品ですが、どこか冗長です。
登場人物はいかにもいしいさんらしく、みな魅力的です。また、印象深いシーンも幾つもあります。しかし、どうも何が言いたいのか掴みきれないようなもどかしさがあります。
主人公を二人にし、交互に登場させるためでしょう、内容が薄められたようです。最後の盛り上がりはなかなかなのですが、そこに行き着くまでに時間がかかりすぎた感じです。
双子のどちらかをメインに描き、全体を2/3くらいに縮めたら・・・そんな風に思ってしまいました。

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2016年08月07日

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