いしいしんじのレビュー一覧

  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    取り付きにくい古典を身近にしてくれる訳者の方に感謝。
    曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、義経千本桜はストーリーも非常に面白い。

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    2019年05月19日
  • みずうみ

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    この衝撃的に素晴らしい物語をウー
    ごくごく飲みほして体を満たしたいのにアエー
    私の創造力ではこの世界観をちゃんと咀嚼できず
    読んでいて苛々したレーイレーイ
    いしいしんじすごいな

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    2019年03月29日
  • 海と山のピアノ(新潮文庫)

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    隅から隅までいしいしんじで満たされている。そんな短篇集です。
    生と死、光と影、静と動、清と濁、それらが対を為すのではなく混じり合い、しかしひとつにはならないような。そんな混濁とした感じなのに清らかに透き通っている。それがいしいしんじの作品に接した時に感じるものなのです。

    二年に一度行なわれる「村うつり」、子どもの上に現れる透明な女の人とエアー犬、海からやって来た少女とピアノ、あたらしい熊を求める僕。突拍子もない設定に放り込まれて巻き込まれて流されて、行き着く先はどこなのか。想いも感想も思考も全てを飲み込む、そんな物語たちが詰まったいしいしんじの短篇集。

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    2019年01月21日
  • プラネタリウムのふたご

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    ネタバレ

    プラネタリウムに置いて行かれたふたご。テンペルタットル彗星の解説中に泣いたことから、テンペルとタットルというなまえで呼ばれるようになる。銀色の髪をした美しいふたご。
    紙製品の工場が動き続ける村では、もやや煙で星が見えない。
    ふたごは解説員「泣き男」のもとでプラネタリウムや星、神話に親しみながら育つ。
    あるとき、魔術師テオ一座が村にやってきたことからふたごは離れ離れになる。タットルは郵便配達をしながら星を語り、テンペルは手品師へと。

    「麦ふみクーツェ」以来の、いしいしんじ作品でした。
    クーツェを読んだのも思い出せないくらい昔のことで、いしい作品をほぼ知らない状態での読書でした。
    優しい文章は気

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    2018年04月12日
  • 四とそれ以上の国

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    出身ではないけど、四国で我が青春時代を過ごしたこともあり、かの地には人並み以上の思い入れがあります。本作で一番目を引くのはお遍路さんだと思うけど、個人的にそれをやったことはなし。巡礼の中で自分と向き合っているうち、本作で描かれたような、常識を超越した世界観が心に浮かんでくるんでしょうか。上手いこと不思議世界の構築に成功しているとは思うけど、その内容にがっぷり嵌り込む事が出来ずでした。

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    2018年01月05日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    なんだか不気味だったり、ほんわかしたり、深い意味があるような、やっぱりなにもないような。いしいしんじさんの作品はなんとも中毒性が高くてやめられない。あれ、自分の方が世界を見逃していたのかな?と感じてついつい読み返してしまう。

    太った人ばかりが住んでいる村の朗らかさ、紅葉狩り顛末の爺さまの格好よさがよかった。しろねずみのなんだか切ないんだか気色悪いんだかな感じもあとを引く。

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    2017年11月02日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    菅原伝授手習鑑 三浦しをん 訳
    実際の出来事を後年、娯楽として楽しみながら市井の人間は、知って行ったのだなということがよく感じられる人形浄瑠璃。これが、今、私たちが普通に使う言葉に置き換えられているのだから臨場感あふれるのは当たり前。ここまで持って来てくださった役者三浦しをんさんに感謝。

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    2017年08月20日
  • プラネタリウムのふたご

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    ある村のプラネタリウムで拾われた双子のお話。

    これはファンタジーなのだろうか、それともそうではないのか、と不思議に思う程、摩訶不思議なことだらけなものだったと思います。
    泣き男が語る星の話は、普段はあまり興味のない分野なのですが、ひとつひとつ星には物語があるのだなと新たな発見が出来たような気がします。また神話についてもっと知りたいとも思いました。
    ふたごだからといって双子の括りにせず、分けてよく書かれているのでとても面白かったです。

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    2017年06月17日
  • 毎日が一日だ

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    毎日新聞に連載されていたエッセイをまとめたもの。
    『京都ごはん日記』に書かれていたことが、
    読みやすい文章で、説明も加えられて、
    いしいしんじを知らない人にも分かりやすくなった感じ。
    息子に対する愛情を、作家の客観性と文章力で書くと
    誰のココロにも繋がっていく深みが出る。
    男性作家が子供について書く文章が私はすごく好きだなー。
    この作家の子供だから、で
    他の子供には体験しようのないものもたくさんあるけれど
    日常の中で子供が見せる新鮮な反応や言葉は、
    子育ての醍醐味なんだろうと思う。
    目の前の小さなことに怒ってばかりいるお母さんや、
    仕事に追われるばかりで時間のないお父さんに、
    こういう本を読む

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    2017年05月24日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能・狂言(岡田利規)
    説教節(伊藤比呂美)
    曽根崎心中(いとうせいこう)
    女殺油地獄(桜庭一樹)
    菅原伝授手習鑑(三浦しをん)
    義経千本桜(いしいしんじ)
    仮名手本忠臣蔵(松井今朝子)
    月報:酒井順子・後藤正文

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    2017年04月05日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    タイトルは知っているものの
    中身は案外知らない
    有名、名作、古典がズラリとそろった
    分厚い一冊。

    読めるのかな?
    と、少し心配しながら手にとったところ
    これがさすがに、現代作家にかかると
    すいすいと読めてしまう。
    ストーリー展開のおもしろさに
    「こんな話だったの?」と驚かされたり。

    物語に、古い新しいはなく、人の心を
    惹きつけるものは、変わりなくおもしろいのだ。
    と、古典をもっと読みたくなった。

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    2016年12月09日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    漢字の開き(ひらがな)が多いので
    読み切るのに少し時間がかかりました。

    前半にあるのは穏やかで停滞した世界。
    後半に訪れるのは残酷で優しい世界。

    後半に物語がどんどん加速するので、
    途中で断念してしまった人も、
    ゆっくり休み休みで良いので
    読み進めて欲しいなぁと思う作品でした。

    終盤に主人公のバックグラウンドが
    靄が晴れるように一気に明らかになっていき、
    それはそれなりに鬱蒼になる内容だけれども、
    根底には思いやる気持ちが流れているので深く沈み込むことなく、
    読後には柔らかな余韻に包まれます。

    所々散らばる一見意味不明なパーツたちが組み合わせっていく様も読みどころです。

    人生には救い

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    2016年10月08日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    筆者のなかでもわりあい読みやすい作品が詰まってると思う。寓話めいたものがたりを描くときの文章はほんとうにうつくしく憧れる。

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    2016年04月21日
  • 毎日が一日だ

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    いしいしんじは、小説も好きだけど、日記がもっと好き。これは日記じゃなくて新聞の連載だけどとても好きでした。運転中今ハンドルをきったら死ぬだろうって、他のでも読んだけどどれだっけ? そういうのとか、一時期着ぐるみをきて暮らしてた話とか。まじめに、そして中学生みたいで楽しい。

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    2016年04月19日
  • ある一日

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    読み進めていくうちに、タイトルの「ある一日」を実感してハッとした。

    1つ目は、この小説が一日ちょっとの出来事であること。
    いしいしんじの言葉巧みな描写が、「ある一日」にこれほどの読み応えを与えている。

    そして、もう1つは当たり前だけど「ある一日」の過ごし方は人それぞれ違い、どこかで違うドラマが起こっているということ。
    登場人物以外の時間の存在を認識することで、「ある一日」の奇跡をより感じた。

    記憶はないけど、何故か「いきもの」に共感する傍ら、
    読者としてこの奇跡に純粋に感動できる、そんな物語です。

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    2015年11月29日
  • 四とそれ以上の国

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    なかなか頭に入らない物語。
    阿波、讃岐、土佐、伊予の四つの国の、過去と現在、伝説や歴史的人物、そして土地の「もの」が絡み合い、混然一体となって物語が動いていく。
    冒頭の「塩」という作品で言えば、人形浄瑠璃の義太夫節がウキを乗っ取り、主人公をはじめとする登場人物を引きずり回し、カタストロフに追い込んでいく。
    しかし、その混乱の中で、主人公は自分の「筋」(これは節の「筋」であると同時に、人間の生命力か何かの隠喩のように思える)を見出す。
    こんな風に、何かの人知を超えた「土地の力」が人物や物語をドライブする小説と理解したけれど・・・。
    読んだことないけど、中上健次の小説って、そんな感じなのかな?

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    2015年11月11日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    万人には到底思いつかないような着眼点で魅せる、ファンタジーでもありリアルでもあり、悲しくもあり愛くるしさもあるショートストーリー集。
    こんなにも多面性がある作家さんだったなんてと、驚きの連続。

    すごく悩ましいけど、私は「緑春」の発想や言葉の表現と、「太ったひとばかりが住んでいる村」の鮮やかで艶やかな描写が好きです。

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    2015年11月08日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    思ったよりスケールの大きな物語。
    人の死や「やみねずみ」、悪意、硬直化した心など、目を背けたいものもしっかり描かれている。

    「ねこ」と呼ばれる大柄な少年と、数学者の父、自称ティンパニ奏者の祖父。
    物語の後半はねこがそんな家族のもとを離れ、成長していく。
    そこから物語のテンポがよくなってきて、だんだん読むのが楽しくなっていった。
    そこで「クーツェ」が何者かがもわかる。

    この本は十年位前、当時十代だった知人に教えてもらった本だ。
    私もその頃読んでいたら、もっと多くのものを感じとれたかな…。

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    2015年09月26日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    読むのに時間がかかった一作。
    前半があまりに暗くて辛い。
    その分後半があったかくて幸せ

    へんてこはあつまらなくちゃ生きていけない
    へんてこさに誇りを持つためにわざを磨かなくてはならない

    この言葉で星が2つ増えた

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    2015年06月12日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    完全な空想の世界。
    とてもあったかい想像に支えられた、不思議な世界の話です。
    色々な事に傷つきながら、色々な人に出会いちょっとずつ成長していく主人公が素敵です。
    何があっても自分なりの一定のリズムでまえに歩いていく、そんな生き方をしたいです。

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    2015年05月23日