いしいしんじのレビュー一覧
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とても心に残った言葉(ちょうちょおじさんの言葉)、
「一流の音楽家っていうのは、音の先に広がるひどい風景の中から、たったひとつでもいい、かすかに鳴ってくれるきれいな音をひろいあげ、ぼくたちの耳におおきく、とてつもなくおおきくひびかせてくれる、そういう技術をもったひとのことだよ」
私は、自分の子どものきれいな音をひろいあげて……いない。いつも悪い音ばかりひろっている(わざわざ、ひろおうとしている)。
だから、子どもは「わかってくれない!」となって、ケンカになるんだろうな。。
キレイな音、拾っていくぞ!
私の子どもだけじゃなくて、身の回りの大切な人のキレイな音を拾える人になりたい。 -
Posted by ブクログ
読売新聞を購読していた時、人生案内の回答者がいしいしんじさんだった回は必ずブックマークをつけていた。良いのは回答の内容だけでない。詩のようにしなやかに、戯曲の登場人物のように相談者に懸命に問いかける、あの文章がたまらなく良いのである。読んでいてひとつの短編を読んだような読後感さえ感じることもある。
この本には回答のみならず、いしいさんが人生案内を受けることになったいきさつやこんな気持ちで人生案内を書いていた、というバックグラウンドまで載っており、いしいさんの家族への、犬への、周りの人々への、顔の見えない相談者への、温かな、時に冷静な目線がうかがえる。
もうひとつ、最相葉月さんの人生案内も好きだったので書籍化されていた時も読んだのだが、葉月さんは事実から真実を捕らえ、相談者の心に時には真剣のように、ある時はシェルターのように対峙していた。まるでエスプリのきいたジャーナリストの心を伺わせる文章だった。いしいさんは小説家である。宮沢賢治にとって現実からほんの少しだけ浮いた所にイーハトーブがあったように、いしいさんの頭の中にもいしいさんのイーハトーブがあるのだろうか。その「イーハトーブ」で現実に疲れた相談者の心を汲み取り、張り詰めた心の筋肉をほぐすように声をかける。ただふわふわと優しいだけでなく、この世の根本を見直す哲学や、大衆の心の営みを大局的に捉える歴史学に通ずる視点から悩みにアプローチして行く様子はいっそ圧巻ですらある。
長く御託を述べたが、私はいしいさんの文章がすきなのである。
ただ文章の味だけでなく、相談者とともに悩み、考え、自分の心を耕す。自分でも不案内な人生をいろんな人を巻き込みながら面白おかしく歩んでいけたら。そう思わせる一冊だった。 -
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ピッピとともに歳を重ねていく
お父さんのお話しは
いろんな齢(よわい)を刻んでいく
62歳、18歳、500歳、92歳‥
それぞれに色鮮やかな物語がある
いしいさんの話しの中には
色がある、音がある、なにかきらめいている
シャボン玉の中でふわふわと
浮かんでいる気持ちになる
『ひと冬のすっぽん』は
なんだか今の季節を物語っている
寒い寒い冬
特に京都の冬は冷えるのでしょうね
もう地球ぜんぶがコチコチな気分でしょう
そして、着火マスターのタカシが
大活躍
やがて、いきなりやってくる
青草が大きく伸びをして
梅が開き
桃が咲き
桜が爆発する
今まさに爆発の春!
我が家の庭でも草たちがようやく
背伸びを始めた
やがて桜が爆発します
楽しみです
ピッピも成長して
おはなしのピッピとさよならです
またあらたなおはなしが
はじまるのでしょう
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とても大好きな作品。プラネタリウムやサーカスなど、夢の中の世界みたいな、ファンタジーで、登場人物も変な名前のやつばっかりで、いびつな話ではあるのだけど、ふたごの二人がはなればなれになっても、同じ感性でつながっている話だった。
上質な童話や、絵本を読んだときの、深い感動があった。
プラネタリウムでテンペルとタットルがしりとりしてるところがかわいくて、よかった。そこにはシャボン玉があって、星空の前に一つ追加されたレイヤーが幻想度を上げてた。
すこし長い小説だけど、たぶん小学生の高学年から中学生くらいでも読めるような、ひらがなの多めなものだが、描写は正確で、過不足ない語り口なので、広く読めるものだと思う。もう15年くらい前に読んだきりだけど、これくらい語れる。 -
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ネタバレ【不穏の中の光】
読んでて何度か泣いてしまった。
うーん、感想が上手く出てこない。。
気の強いおばあちゃんの、ふとした拍子の本音は感情が揺さぶられる。飛行機事故が起きた時の言葉は格言だと思う。弱いものを割れ物扱いしても強くなれない。思い出にすがるのではなくできるだけ死について考える。色んな過去があるからこそ言えた言葉なんだなと。
純粋でイタズラ好きな弟君の境遇。
特に部屋の中にゴミ箱が置かれているシーンは、もう見てられないほど辛かった。
賢くてもまだ小さい子なのは間違いなくて、その子の心を悪気のない環境が追い詰めていく。。
ウィンクする弟くんを抱きしめたくて仕方ない。
最初の1枚だけあの子が書いた。
お姉ちゃんのコップを重しに絵葉書を裏返していたのは、どうしても読んで欲しかったのだろうか。悲しみに耐えきれないお姉ちゃんをこっちの世界に戻すために、自分も悲しみを背負ってるのに。
語り手がお姉ちゃんなので、心情がありありと伝わってくる。
けど。そうだ。のシーン。この書き方は忘れることがないと思う。感情の切り替わりはこうやって表現できるんだってことを知った。
あと、郵便局の人が足りないものがあったら言ってくれよおつかいでもなんでもしてやるからさと、早口で言ってくるりと帰っていく
のは、人間味がとても良いなあと感じた。
やっぱりローリングは衝撃的だった。
作中に何回も出てくる度にゾクッとした。
本を読まれた方はいしいしんじさんのインタビューもぜひ読んで欲しい。鳥肌です。