いしいしんじのレビュー一覧

  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    読んだあとの心がとっても優しくなってる。出会えてよかったな。
    少し長い絵本を読んでいるような感覚。世界のどこかの物語の中に自分も入って、情景が頭の中でくっきり浮かんで、話が進んでいく不思議な感覚。
    星の王子さまを読んだあとの感覚に似ている気がする、、、

    0
    2026年08月13日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    とても心に残った言葉(ちょうちょおじさんの言葉)、

    「一流の音楽家っていうのは、音の先に広がるひどい風景の中から、たったひとつでもいい、かすかに鳴ってくれるきれいな音をひろいあげ、ぼくたちの耳におおきく、とてつもなくおおきくひびかせてくれる、そういう技術をもったひとのことだよ」

    私は、自分の子どものきれいな音をひろいあげて……いない。いつも悪い音ばかりひろっている(わざわざ、ひろおうとしている)。

    だから、子どもは「わかってくれない!」となって、ケンカになるんだろうな。。

    キレイな音、拾っていくぞ!

    私の子どもだけじゃなくて、身の回りの大切な人のキレイな音を拾える人になりたい。

    0
    2026年08月11日
  • 人生不案内(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    読売新聞を購読していた時、人生案内の回答者がいしいしんじさんだった回は必ずブックマークをつけていた。良いのは回答の内容だけでない。詩のようにしなやかに、戯曲の登場人物のように相談者に懸命に問いかける、あの文章がたまらなく良いのである。読んでいてひとつの短編を読んだような読後感さえ感じることもある。
    この本には回答のみならず、いしいさんが人生案内を受けることになったいきさつやこんな気持ちで人生案内を書いていた、というバックグラウンドまで載っており、いしいさんの家族への、犬への、周りの人々への、顔の見えない相談者への、温かな、時に冷静な目線がうかがえる。
    もうひとつ、最相葉月さんの人生案内も好きだったので書籍化されていた時も読んだのだが、葉月さんは事実から真実を捕らえ、相談者の心に時には真剣のように、ある時はシェルターのように対峙していた。まるでエスプリのきいたジャーナリストの心を伺わせる文章だった。いしいさんは小説家である。宮沢賢治にとって現実からほんの少しだけ浮いた所にイーハトーブがあったように、いしいさんの頭の中にもいしいさんのイーハトーブがあるのだろうか。その「イーハトーブ」で現実に疲れた相談者の心を汲み取り、張り詰めた心の筋肉をほぐすように声をかける。ただふわふわと優しいだけでなく、この世の根本を見直す哲学や、大衆の心の営みを大局的に捉える歴史学に通ずる視点から悩みにアプローチして行く様子はいっそ圧巻ですらある。
    長く御託を述べたが、私はいしいさんの文章がすきなのである。
    ただ文章の味だけでなく、相談者とともに悩み、考え、自分の心を耕す。自分でも不案内な人生をいろんな人を巻き込みながら面白おかしく歩んでいけたら。そう思わせる一冊だった。

    0
    2026年07月11日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    1番好きな物語。
    現実世界を忘れて別世界に連れて行ってくれるので好き。まさに、読んでいるとトリツカレてしまう。

    0
    2026年07月06日
  • 人生不案内(新潮新書)

    Posted by ブクログ

    非常に前向き、時には厳しい。
    色々悩んでモヤモヤしている人にはお勧めです。
    みなさん色々悩んでいるんですね。

    0
    2026年05月05日
  • よはひ

    Posted by ブクログ

    ピッピとともに歳を重ねていく
    お父さんのお話しは
    いろんな齢(よわい)を刻んでいく
    62歳、18歳、500歳、92歳‥
    それぞれに色鮮やかな物語がある

    いしいさんの話しの中には
    色がある、音がある、なにかきらめいている
    シャボン玉の中でふわふわと
    浮かんでいる気持ちになる

    『ひと冬のすっぽん』は
    なんだか今の季節を物語っている
    寒い寒い冬
    特に京都の冬は冷えるのでしょうね
    もう地球ぜんぶがコチコチな気分でしょう
    そして、着火マスターのタカシが
    大活躍
    やがて、いきなりやってくる
    青草が大きく伸びをして
    梅が開き
    桃が咲き
    桜が爆発する

    今まさに爆発の春!
    我が家の庭でも草たちがようやく
    背伸びを始めた
    やがて桜が爆発します
    楽しみです

    ピッピも成長して
    おはなしのピッピとさよならです
    またあらたなおはなしが
    はじまるのでしょう

    0
    2026年03月30日
  • 白の鳥と黒の鳥

    Posted by ブクログ

    なんだか奇妙な世界の
    ショートストーリー
    リアルな世界のよもやま話だったり
    色や虹が主人公だったり
    どれも童話のような
    幻想物語のような
    ふわふわした感じがする
    解説で春日武彦さんは
    ウインナーソーセージの缶詰から
    出てきたようだと言っている
    いしいさんの世界は
    ヘンテコだけど癖になる

    0
    2026年03月17日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    本屋さんで何気なく手に取ったが、とても素敵な物語だった。愉快で、温かく、時に悲しさもあるが、とにかく、取り憑かれたように何かに本気になれることが格好よく思えた。
    また、絵が頭に浮かんでくるような軽快な文章が読みやすかった。
    トリツカレ男のジュゼッペはかっこいい。ハツカネズミもいいやつだ!

    0
    2026年03月17日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    大好きないしいしんじ、変なタイトルと絵でなんとなく避けていたというか、薄いからすぐ読めるだろうと後回しにしていたけど、とってもよかった。やっぱり、いしいしんじの作品は、なんとも心がほわほわして温まるな。奇妙だと思っていた絵も実によく感じられ、途中から完全にトリ頭?のイメージで読んでいた。とにかく、最高の読後感でした。

    ところで、秘密の兄弟の正体が知りたくなってしまうのはやぼってやつなんだろうな。

    0
    2026年02月21日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    アニメ映画化されたのを観たので、久しぶりに再読。
    やはり、とても好きな作品。

    ファンタジーでありながら、おとなもこどもも楽しめる物語だと思う。
    そして、トリツカレるというのは、今で言うと推し活のようなもの。
    トリツカレると、夢中になって、生きる力になるんだなぁ。

    楽しくて、せつなくて、あったかい。

    0
    2026年02月03日
  • プラネタリウムのふたご

    Posted by ブクログ

    ある日まるで星空から
    降ってきたかのように
    プラネタリウムの座席で
    泣いていた生まれたばかりの
    双子
    成長し
    ひとりは手品師に
    ひとりは星読みに

    大切な人は離れ離れになっていても
    見上げる夜空は同じ
    宇宙を通して繋がっている

    そしてもうひとつ
    氷山はなくなるのではない
    とけて水になる
    水は流れていく
    どこまでも
    そして蒸発して空に上がって
    また雨や雪となって落ちてくる
    どこにいても
    水は近くにある

    そんなお話し
    長い長いお話し

    0
    2026年01月14日
  • プラネタリウムのふたご

    Posted by ブクログ

    とても大好きな作品。プラネタリウムやサーカスなど、夢の中の世界みたいな、ファンタジーで、登場人物も変な名前のやつばっかりで、いびつな話ではあるのだけど、ふたごの二人がはなればなれになっても、同じ感性でつながっている話だった。
    上質な童話や、絵本を読んだときの、深い感動があった。
    プラネタリウムでテンペルとタットルがしりとりしてるところがかわいくて、よかった。そこにはシャボン玉があって、星空の前に一つ追加されたレイヤーが幻想度を上げてた。
    すこし長い小説だけど、たぶん小学生の高学年から中学生くらいでも読めるような、ひらがなの多めなものだが、描写は正確で、過不足ない語り口なので、広く読めるものだと思う。もう15年くらい前に読んだきりだけど、これくらい語れる。

    0
    2025年12月20日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    何度読んでも心が温まるストーリー。
    一見するとばかげた行いに見えても、それがいつか役に立つ、救いになることを教えてくれる。

    語り口調の優しい文なので、読書のリハビリにもぴったり。

    0
    2025年11月28日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    映画を見たきっかけで本も手に取った。
    映画も本も感動で、途中で涙がでてしまった。
    こんな暖かい本に出会えて本当によかった。
    子供にも進めたいと思った。

    0
    2025年11月11日
  • 本からはじまる物語

    Posted by ブクログ

    全体的にかなりのショートショートで18人の作家で有名な作家も取り揃えて234ページとは、かなりお得感がある。
    そして、それぞれが書店や貸本屋、本にまつわる出来事を綴っていくのはおもしろかった。

    本を読むのが苦手な人もこのくらいの短さであれば読むのも楽なのかなと思った。

    個人的には下記が印象に残ったが、
    それぞれの作家さんがこんな短い話しにきちんと自分の色を出しているのはすごいと思った。

    十一月の約束 本多孝好
    サラマンダー いしいしんじ
    読書家ロップ 朱川湊人
    閻魔堂の虹 山本一力

    0
    2025年10月05日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ


    ずっと気になってたいしいしんじ。
    バスと飛行機の中で読み切った。

    言葉じゃうまく言い表せないけど、どこか懐かしい優しい雰囲気を纏ったお話。
    日本じゃない国の話たぶんきっと。

    天才だった弟。
    ブランコに乗るのが得意な弟。
    指を鳴らすのが得意な弟。
    声を失った私の弟。
    天使みたいな弟。
    どこか孤独だった弟。
    動物と話せる弟。
    素敵な話を書く弟。

    そんな弟と、お母さん、お父さん、おばあちゃん、犬の「指の音」の話。

    読む前から悲しい結末は分かってるんだけど、でもなんだかハッピーエンドな気がした。

    0
    2025年08月29日
  • 本からはじまる物語

    Posted by ブクログ

    面白かったー。
    「本」からはじまるのがテーマといっても、それぞれの作家さんごとにアプローチが違って、ジャンルもそれぞれで楽しかった。
    恩田陸さんの「飛び出す絵本」、「飛び出す」の意味をそう持っていくか、というのが面白いし、阿刀田高さんの『本屋の魔法使い』も素敵。石田衣良さん三崎亜記が久々だった。
    どれもよかったけど、やっぱり、なんと言っても朱川湊人さん!ここで猫の話が読めるなんて、最高すぎる。朱川さん、大好きだー。お初の山本一力さんも猫♪
    はい、もう、これはかんっぺきに猫本である!!

    0
    2025年05月26日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    【不穏の中の光】
    読んでて何度か泣いてしまった。
    うーん、感想が上手く出てこない。。

    気の強いおばあちゃんの、ふとした拍子の本音は感情が揺さぶられる。飛行機事故が起きた時の言葉は格言だと思う。弱いものを割れ物扱いしても強くなれない。思い出にすがるのではなくできるだけ死について考える。色んな過去があるからこそ言えた言葉なんだなと。

    純粋でイタズラ好きな弟君の境遇。
    特に部屋の中にゴミ箱が置かれているシーンは、もう見てられないほど辛かった。
    賢くてもまだ小さい子なのは間違いなくて、その子の心を悪気のない環境が追い詰めていく。。
    ウィンクする弟くんを抱きしめたくて仕方ない。

    最初の1枚だけあの子が書いた。

    お姉ちゃんのコップを重しに絵葉書を裏返していたのは、どうしても読んで欲しかったのだろうか。悲しみに耐えきれないお姉ちゃんをこっちの世界に戻すために、自分も悲しみを背負ってるのに。

    語り手がお姉ちゃんなので、心情がありありと伝わってくる。
    けど。そうだ。のシーン。この書き方は忘れることがないと思う。感情の切り替わりはこうやって表現できるんだってことを知った。

    あと、郵便局の人が足りないものがあったら言ってくれよおつかいでもなんでもしてやるからさと、早口で言ってくるりと帰っていく
    のは、人間味がとても良いなあと感じた。

    やっぱりローリングは衝撃的だった。
    作中に何回も出てくる度にゾクッとした。

    本を読まれた方はいしいしんじさんのインタビューもぜひ読んで欲しい。鳥肌です。

    0
    2025年03月29日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

    Posted by ブクログ

    どのジャンルに当てはまる小説なのか見当がつかない。そんなお話にすっかり魅了されてしまった。新聞の人生相談を拝読してから気になり手に取った、初めてのいしいしんじ著書。主人公の賢い弟を、本当に「かしこい」と感じるのは、大好きな姉や家族、飼い犬や動物たちの気持ちを敏感に感じ取ることができるから。弟のかわいい「つくり話」の合間に、背中を押してくれる言葉たちが待っている。

    0
    2025年03月03日
  • プラネタリウムのふたご

    Posted by ブクログ

    高校入学前の子どもの課題図書一覧の一番上に紹介されていた。親である自分が読みふけるが、子どもはページをめくらず。入試国語で落第者向けの補講としての教材なのに。
    いしいしんじの筆致から、文学の神髄を涵養させたいのか。こういうヘタウマが理解できるのか。
    こころの救済と絶望を巧まず描いた長編。
    巧まず(たくまず)って意味が国語落第者には、分からない。図らずもと言い換えるより、巧まずという表現が、双子の主人公の生き様らしい。

    0
    2025年02月25日