いしいしんじのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ミュージカルアニメーションで映画化ということで読んでみようと手に取った作品。
新しいのかと思いきや奥付けを見たら平成十八年と結構古いのに驚いた。
ページ数も160ページと薄くて隙間時間に読むのにちょうど良い一冊。
装画も物語自体も童話のような不思議な世界観を感じさせられる。
こんなにも物事に夢中になれるジュゼッペが羨ましく感じた。
ただ好きだからという単純な理由でたくさんの事に次々と夢中になっていく。
何故か子供の頃の心を思い出させられる。
朝から夕方まで夢中でカブトムシやクワガタを採りに行ったり何をやるにも一生懸命だったなぁ。
大人になるとどうしても仕事が優先で効率や結果を求めたり時間 -
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Posted by ブクログ
仙台駅にて。東京駅ゆきの東北新幹線の発車時刻を待つあいだ、僕は駅ビルの本屋にいた。とくに目的などはなく、ただ時間潰しを目的に。
本屋に入れば真っ先に、文庫本の棚を見てまわるのが、いつもの癖で。吸い寄せられるように、文庫本の棚の前に立ち尽くす。目的があれば目の色も変わるけれど、今日はとくに何もない。あるとすれば、新幹線での移動時間いわゆる“繭の時間”を充実させるための何かを。さて、発車時刻まで、あと何分?そうのんびりとも、していられない。
“繭の時間”というのは、上白石萌歌さんのエッセイに出てきた言葉。海外へ向かう飛行機など、ある程度まとまった移動時間を過ごす際、乗客の思い思いの時間の過ごしか -
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◼️ いしいしんじ「トリツカレ男」
なかなか胸がキュンとなるストーリー。トリツカレ男・ジュゼッペと異国の少女ペチカの物語。
だいぶ前に「トリツカレ男」おもろしろいよね、と言う声を本友から聞いてた時、気になりながらも、なんだか気持ち悪そう、とよく知ることもなく敬遠してしまっていた。今回アニメ映画化されるとのことで読んでみたら・・見事なハートウォーミングなお話でした。
ジュゼッペは何かに夢中になると我を忘れて没頭する癖があり、ついたあだなが「トリツカレ男」。オペラ、三段跳、探偵ごっこ、昆虫採集、十五カ国語の勉強、サングラス集め・・様々なものにとりつかれてはレストランの雇い主を困らせて、時に長 -
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Posted by ブクログ
なんだか不思議な話です。
コロナ禍を背景に、ある出来事から他の人の息の形が見えるようになった女子高校生が主人公。もっともこの変わった能力は血筋らしく、祖母も父親も息の形が見えるらしい。そんなちょっと変わった能力を持った家族の普通の物語。
祖母は茶人、父は宮大工。主人公の女子高生は初めは陸上選手だが、途中からは絵画の世界で才能を現す。舞台である京都の町はどこか柔らかく雅、そして清涼感。
それにしても、いしいしんじってこんなに文学的だった?私の知ってるいしいしんじは『トリツカレ男』や『ポーの話』などの児童文学。それらとはかなり文体が違い、凝ったどこか抽象的な表現。しばしばそれにまぎれて具象を見逃し