いしいしんじのレビュー一覧

  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ◼️ いしいしんじ「トリツカレ男」

    なかなか胸がキュンとなるストーリー。トリツカレ男・ジュゼッペと異国の少女ペチカの物語。

    だいぶ前に「トリツカレ男」おもろしろいよね、と言う声を本友から聞いてた時、気になりながらも、なんだか気持ち悪そう、とよく知ることもなく敬遠してしまっていた。今回アニメ映画化されるとのことで読んでみたら・・見事なハートウォーミングなお話でした。

    ジュゼッペは何かに夢中になると我を忘れて没頭する癖があり、ついたあだなが「トリツカレ男」。オペラ、三段跳、探偵ごっこ、昆虫採集、十五カ国語の勉強、サングラス集め・・様々なものにとりつかれてはレストランの雇い主を困らせて、時に長

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    2025年08月24日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    芸は身を助けるというお話。登場人物全員が優しくて誰も嫌な人が出てこない。心が弱っている時に読みたい本。

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    2025年07月12日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    これも一万円選書のお勧めの本だった。
    いや、これは薄い本なんだけど書かれていることは深い。挿絵のために登場人物は人間ではないみたいなんだけど、それは別にどうでもいい。
    とりつかれるごとく何事もとりつかれれば(変な表現だが…)、いずれ何かの役にたつ、あるいは役にたつどころではない影響力を及ぼすことになる…
    後どのくらい人生が残っているのかは分からないから、一つでも二つでもとりつかれるが如く何かをやってみたい。

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    2025年06月10日
  • 本からはじまる物語

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    著名な作家達による「本」がテーマのアンソロジー。
    甘酸っぱい恋の話しやちょっとゾクッとする話、不思議なお話など本というテーマ1つでも色んなお話が書けるんだなぁと楽しく読ませてもらえました。
    中でも本が飛んでいったり、飛んできたり、飛んでる本をつかまえたり…といった本が飛ぶ話がいくつかあり、作家さんには本が飛ぶという発想があるんだなぁ〜と思いました。
    どれも良かったですが、本多孝好さんの「十一月の約束」が好きです。

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    2025年06月10日
  • 息のかたち

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    なんだか不思議な話です。
    コロナ禍を背景に、ある出来事から他の人の息の形が見えるようになった女子高校生が主人公。もっともこの変わった能力は血筋らしく、祖母も父親も息の形が見えるらしい。そんなちょっと変わった能力を持った家族の普通の物語。
    祖母は茶人、父は宮大工。主人公の女子高生は初めは陸上選手だが、途中からは絵画の世界で才能を現す。舞台である京都の町はどこか柔らかく雅、そして清涼感。
    それにしても、いしいしんじってこんなに文学的だった?私の知ってるいしいしんじは『トリツカレ男』や『ポーの話』などの児童文学。それらとはかなり文体が違い、凝ったどこか抽象的な表現。しばしばそれにまぎれて具象を見逃し

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    2025年05月23日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    デュゼッペがタタンにトリツカレていく様は読んでいて辛かった。自分を失っていくほど辛いことは無いよ。。

    ハツカネズミのキャラクターが個人的には好きだった。デュゼッペ1人だったら絶対にペチタとは繋がれていなかったよね。

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    2025年05月23日
  • 息のかたち

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    京都の町が迫ってきた。(おばあちゃんの京都弁がいいなぁ。)
    コロナを描いた本はたくさんあるが、こんな淡々として、しかも肯定してるのがなんかよかった。息でコロナを描くのがさすがって感じ。
    読み始めは現実的で、アニメの話や高校生の青春の話からどんどん幻想的になっていって、
    最終章、お母さん、結局なんやったの?
    霧の中に迷い込んだみたいに、まさに煙にまかれた感じがして、その余韻がいいけど、はっきりさせてほしい気持ちもある。

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    2025年03月24日
  • げんじものがたり

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    源氏物語のいしいしんじさん訳。
    ネイティブ京都弁で語られるやり取りはすごくリアルで、でも関西弁スピーカーじゃない方にとっては少し読みにくいかもしれないなと思ったり、でも光源氏のチャラいけど憎めない茶目っ気というか魅力が引き出されていたと思う。
    高校時代、高尚な風に授業とかで教えられてた和歌が、実はこんなにエロティックな内容やったとは!とある意味痛快。
    当時、この物語はすごい娯楽やったんやろうなぁと大河ドラマを観おわった後、なおさら思う。

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    2025年02月05日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    詩的な調べで描かれる、ラブストーリー。
    不思議なリズム、軽快な言葉たち。
    フワフワとつかみどころがない世界観なのに、純粋に人を思う気持ちがダイレクトに心に届く。
    筆者の他の作品も読んでみようっと。

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    2025年01月26日
  • 息のかたち

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    息や声、いしいしんじは見えないものを描こうとしている、と思った。
    私たちは冬の寒空の下でしか、白く染まった息を見ることができない。その息が見えて、操って物理的な力を行使したり、人の心に作用するのは面白い。
    息繋がりで、鬼滅の刃の話題が出たが、そこから着想を得たのだろうかと思ってしまった。

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    2024年11月07日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    タイトルだけ見て勝手にホラーだと思って手に取ったけれど、外国の童話のような夢のあるストーリーだった。

    トリツカレ男ジュゼッペが取り憑かれたものが、あとあと役に立つのがクスリと笑える感じでよかった。

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    2024年11月05日
  • 息のかたち

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    高2の夏実はひょんな事から他人の息が見える様になる。どうも遺伝らしい。読んでいると透明感溢れるパステルカラーを想像する、が、これは20年から24年までのコロナ禍の時代が舞台だと思うと切なくなる。あの頃の狂気溢れる自粛警察を思い出すからだ。不思議な世界なのに絵空事に感じなかった。

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    2024年09月14日
  • げんじものがたり

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    私は面白かったよ、もちろん。

    主要どころまとめていただき、相関図がやっと頭に入りました!

    けど京都人でもあまり使わない言い回しは、京都弁慣れてない人だと相当読みにくかったんではないかと思う。

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    2024年08月19日
  • げんじものがたり

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    大河ドラマ「光る君へ」をきっかけにこの本を手に取った。大学受験のために漫画あさきゆめみしで概ねの内容を覚えて、もちろん勉強の中で古文でも触れたけど、それ以来の源氏物語。
    現代語訳で改めて見ると、光君のキモさが際立つ。あさきゆめみしではもう少し格好良く描かれてた気がする。
    現代価値観だからキモさを感じるのかと思いきや紫の上にも「キモい」連呼させていて笑った。金持ちイケメンでも許されない(後に許されるが…この本は途中で終わるので許されないまま)。
    でも結局面白い。紫式部の描く姫たちの魅力だと思う。他の現代語訳もまた読みたい。

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    2024年07月26日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    麦ふみクーツェ

    主人公のねこはティンパニー奏者のおじいちゃんと数学教師のお父さんと暮らしていました。おじいちゃんは町の吹奏楽団の指導に没頭し、お父さんは素数に取り付かれてだんだんと奇行を繰り返すようになります。
    鼠が大量に降ってきたことから町の調子がおかしくなっていき、一段落したところで現れたセールスマンによってとても大変なことになってしまいます。そんな町の物語と、音楽学校に留学していたねこの周りの物語が平行して語られていきます。
    とても感心したのが、ゴシップのスクラップを趣味とするねこのクリップする物語の小さな謎解きや、その登場人物のお話が各所にちりばめられている構成で、とても楽しむことが

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    2024年07月19日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    えらく久しぶりに再読。前に読んだのは小学生のときだ。弟である自分が、姉からもらって読んだ本。今になって、この本とそんな出会い方をしたことが特別なことに思えた。当時もえらく心に残り、内容もけっこう覚えていたが、それでもウルウルとくるものがあった。細かい表現までじっくり染み渡らせながら読みたい本。

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    2024年07月15日
  • 本からはじまる物語

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    まだ本を本格的に読み始めたばかりなので、各作家さんの特徴など、自分にとって読みやすかったなどが分かり、これから本を…という人におすすめ!
    本屋を巡る話しはどれも面白かった!

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    2024年06月27日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    今までいろんなことにとりつかれてきたトリツカレ男が1人の女性にとりつかれ、彼女のために一途にがんばる!!
    本の薄さから想像できない、心温まるお話し✨

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    2024年05月26日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    すきだ〜〜〜
    リーガルリリーの『ぶらんこ』をより噛み締めたくて読んだのだけれど、焦燥とか体温とかすごくわかって、そうしてここに落ち着くのだなという回路がみえてうれしかった、とてもすき、理屈ではなくてこの本のなんかやわらかいところが感覚として、とても

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    2024年01月23日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ジュゼッペはなにかに夢中になるとトリツカレたようにそればかりになるため“トリツカレ男”と呼ばれている。ある時ジュゼッペは風船売りの女の子ペチカに恋をする。ペチカにトリツカレたジュゼッペは彼女の心からの笑顔のために奔走する。

    題名と表紙からは想像できないぐらいやさしいお話。短く読みやすいのですぐに読み終わってしまいました。ジュゼッペのやさしさと頑張りに心が温かくなります。

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    2024年01月12日