いしいしんじのレビュー一覧

  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    一つのことに取り憑かれたように熱中してしまう主人公が一人の力女性と出会い、彼女の悩みを陰ながら解決していく

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    2023年12月22日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    フィクションすぎると気持ちが冷めちゃうけどこれはとっても良かった
    かっこつかなくても本気で続ける姿はかっこよかった

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    2023年03月08日
  • ある一日

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    前半ははもとまつたけを食べる2人が印象的。
    そして園子さんの出産シーン。私もつい3ヶ月前に体験したのが誇らしく思えるぐらい、神々しくて、奇蹟に近い営みなんだと思わせてもらえた。
    母親目線だけでなく、これからまさに産まれ出ようとする胎児の目線で書いてある文章はものすごかった。手に汗を握るぐらいドキドキした。
    また読み返したい。

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    2023年02月05日
  • トリツカレ男(新潮文庫)

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    ピュアだね。あとネズミが良い。”こんな寒い日に外に出るもんじゃないよ”って、”やめなよ”って言いながら、当然のように服の中に入って一緒に外に出るの好きだよ。それもまた愛だよね。

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    2022年12月16日
  • プラネタリウムのふたご

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    ネタバレ

    「晴れ、時々クラゲを呼ぶ」で小崎ちゃんが激薦めしてたので。
    山に囲まれた街にあるブラネタリウムを独りでやっていた泣き男さんが、ある日ブラネタリウムに捨てられていた双子に彗星の名前からとったテンペルとタットルという名前を付けた。二人は成長し、ブラネタリウムを手伝いながら、郵便配達をしていたが、ある時街にやってきた手品師の興業にテンペルはついて行ってしまう。双子は違った運命をたどっていく。
    騙される才覚が人にないと、この世はかさっかさの世界になってしまう。
    タットルは熊狩りで村人たちを騙し、テンペルは手品師として人々を騙す。事故で命を落としたテンペルの代わりにタットルが一世一代の騙しをすることで、

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    2022年12月11日
  • 本からはじまる物語

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    本が好きな人には是非読んでほしい!
    本と人との関わり方、大切な本の思い出、ファンタジーな物語もあり、、、

    色々な方のストーリーをいっぺんに楽しめる欲張りな本です!!

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    2022年10月15日
  • 毎日が一日だ

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    ネタバレ

    昔新聞で連載していたらしい日記をまとめた本。いしいさんの本久々に読んだけど、やっぱりとても好き。ことばが自由に本の中で踊りまわっていて楽しい。それはなによりいしいさん自身がとてつもなく自由な人だからだ。きぐるみや着古して破れた服を着て生活することにも、遅刻することも子供のようにはしゃぐことも本人としてはあまり気にしていない様子。でも、その場に漂う「おはなし」の気配にはなんと敏感であることか。面白いことも、日常のことも、ご家族やたくさんのご友人たちのことも、「おはなし」交じりにみずみずしいことばで生き生きと綴られていて、読んでいるとわくわく、切なく、楽しく、一緒になって心を揺さぶられてしまう。マ

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    2022年09月06日
  • 作家と楽しむ古典 平家物語 能・狂言 説経節 義経千本桜

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    『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』は一冊も読んでいないし読む気もないが、現代語訳をした方々が何を思ったのか、そして単純に「平家物語」と付くものは何でも摂取したいという気持ちから手に取りました。

    「平家物語」古川日出夫
    …『平家物語』のなかで人は本当によく泣きますよね。…月を見て泣きます。風が鳴ると泣きます。…現代のわれわれは近代ヨーロッパ以降に教育された泣き方しか知らないんです…現代の教育が入ってくる前の人は別の感性をもっていて、別のことで泣いていたはずなんです…(p.48)
    私は月を見て泣き、空の色が変わっていくのを見て泣く人間なので、そうか私は別の感性で生きている人間なのかと指摘された

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    2022年04月21日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    ずっと、弟が死ぬのかと思ってた。
    冒頭から姉の懺悔というか後悔が多かったから。

    そんなことはなかったし、そんなに浅いことじゃなかった。
    おばあちゃんの死から逃げるな、向き合いなさいはだいぶ応えたし象のローリングは未だに怖くて調べられてない。あやふやで不確かな世の中ででも時たま手を握れればいいじゃないかと、いしいしんじさんは誰かを励まそうとしてくれてたんかな。

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    2022年04月10日
  • プラネタリウムのふたご

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    ネタバレ

    プラネタリウムもサーカスも「現実と見紛うような虚構性」により魅力を放つが、それらはあくまでも「虚構」であることが暗黙のうちに了承されていなければならない。
    「虚構」は他者と共有され「物語」化された時に命が吹き込まれる。一方で「物語」を共有しない者にとっては何の意味も持たない。
    タットル扮する熊は町の猟師以外が銃を向けたら恐らく弾が当たっていたし、テンペルの悲劇は「物語」を共有しない者によって誘発される。
    「虚構」と「現実」を見誤ってはいけない。
    500Pほどありなかなかのボリュームでゆっくりと読んだが、興味深く読むことができる内容だった。
    次は「麦ふみクーツェ」を読みたい。

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    2022年02月23日
  • プラネタリウムのふたご

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    とある片田舎の工場のそばにあるプラネタリウムの座席に、双子の赤ちゃんが捨てられていた。双子はプラネタリウムを経営する"泣き男"に、タットルとテンペル名付けられ、いたずら好きの青年に育つ。ある日、村にやってきた手品を見せる一団に出会い、ふとしたきっかけで双子の人生は引き裂かれ、それぞれの道を歩み始める。

    大河ドラマ的にこってりとしたストーリーに、自問自答するようなストーリーテリングで、ぐいぐいと双子の人生の紆余曲折を描いていく。父親代わりの泣き男、双子のいたずらをたしなめる工場長や盲目の老女、テンペルを世話するテオ団長など、双子の成長にともなって人生に介入して導いていく。

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    2021年12月30日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    子どもらしい日記のように書かれた文章の隅々に散りばめられた言葉が、後半になって1つになっていき、最初から結末は決まっていたんだと気付かされる。けれどその過程の中でお母さんとお父さん、おばあちゃんと指の音、そして弟との幸せな時間は結末という一言では語れないものがあって、思い出はぶらんこのようにこっちのほうへ、ときにあっち側へとゆるやかに動く。前半は子どもらしい書き振りから、後半怒涛の展開に挫けそうにもなるけれど、全体を通して暖かく、優しい気持ちになれる作品。また読み返したいなあ。

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    2021年12月11日
  • プラネタリウムのふたご

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    ごめんなさい。終始話の内容が掴めなかった、、

    映像化すると面白いのだろうか。

    途中「い」の抜けたところがあったけどあれはなんだろう。

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    2021年07月08日
  • プラネタリウムのふたご

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    どこかの国の昔話のような、おとぎ話のような。

    いろんな不思議や疑問も多かったけど『だまされる才覚がないと、かっさかさの人生』なんだって。
    たしかにこの本は、上手にだまされて人生を楽しんでる人たちが描かれてるのかな。


    テンペルとタットル、星の名前をつけられたふたごが、だましてだまされる。プラネタリウム(星がない天井をみせてる)が好きな村の人たちも、サーカスや手品(だましのたかまり)を楽しみにする人たちも、だまされる才覚があるんだね。

    手品師テンペルの最後のうそと、そのうそを守ろうとするタットルのうそが優しい。
    人を傷付けないための優しいうそには、だまされたほうがいい。

    私も上手にだまさ

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    2021年06月05日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    音楽に取りつかれた祖父と素数に取りつかれた父と、ねこの鳴きまねが上手い「ぼく」が3人で慎ましく暮らすというあらすじから、ほのぼのした童話を連想した。でもそうではなかった。悲劇が次々に降りかかり、それでも希望をつかもうとする話だった。この世に起きる悲劇も喜劇も些細な出来事も、実はどこかでつながっている。へんてこな存在は目立つから、真っ先に火の粉が降りかかる。だから一人でも生きて行けるように、技を磨かなければならない。抽象的で哲学的な、生きることに少し疲れた人を優しく受け入れてくれるような本だった。

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    2021年01月16日
  • ヒミツのヒミツの猫集会

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    猫集会をテーマにした文とコラボの写真集。
    ・猫のカラー写真 沖昌之
    ・エッセイと物語     「毛玉」前田司郎  
       「化身」池澤春菜  「猫をやめたい」いしいしんじ
    ・解説「猫集会の科学」今泉忠明
    猫たちは何処へ行くの?何故集まっているの?
    なんだか不思議な猫集会をテーマにした写真とエッセイ、物語。
    そろそろかな・・・行こう!・・・一緒に・・・挨拶して・・・集まる。
    三々五々集まって・・・猫集会・・・時が経ち・・・解散・・・またね!
    そんな感じの猫たちの写真が並ぶ合間に、猫集会をテーマにした
    エッセイ、物語が顔を出します。最後に猫集会の研究の話。
    集会?な場面の猫たちの様子は、等間隔だっ

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    2021年01月09日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    こういう懐古する系のお話は本当に弱い。泣いた。弟が姉をつなぎとめるために絵葉書を書いてたんだね。世界一のぶらんこのりがこちら側にかえってきますように。

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    2020年05月17日
  • 海と山のピアノ(新潮文庫)

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    ネタバレ

    水といのちのお話。陸は海、海は陸、生も死も一続きになって「うた」にのせてぐるぐる回る、そういう強いテーマが短編たちの間に貫かれていてとても統一感ある短編集だった。
    「ルル」はちょっと反則だろう、と思いながらボロボロ泣いたけど、一番好きなのは「野島岬」だ。
    「わかんねえからってびびっちまって、ちっちゃけえ理屈ぶっかぶせようってもよ、金魚すくいの網でメカジキ追っかけようってなもんなんだ。わかんねえもんはしゃんねえべ、オイラもオメエらも脳みそこんなだしよ。けどよ、パッと見意味なくって、わかんなくってもよ、どんぴしゃのアタリって、案外目の前にぶらさがってんみてえなもんじゃねえか、なあよ、オイ」
    そう、

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    2019年12月11日
  • プラネタリウムのふたご

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    プラネタリウムのようにゆっくりと回る世界で、優しい嘘、ときに必要な嘘と、それに騙されてやる才覚のある人達の優しいお話だと思った。
    人の名前がふたご以外出てこないのも、不思議な感じがして面白かった。

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    2019年11月26日
  • 海と山のピアノ(新潮文庫)

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    自分と他、あるいは人と人以外のもの、現実と幻想、生と死、さまざまな境がしゅるんと溶けて、それがどうしたの?という顔で成り立つ世界。
    解説が彩瀬まるということにも納得。

    一読しただけではよくわからず、各篇を2度読みした。(短編集で助かった…。)
    『四とそれ以上の国』より、はるかに受け入れやすい。

    これは…震災後文学?
    大事故、大災害を経験した人々、地域が多く登場する。
    境が揺らぐ世界であることは、単純な癒しにはつながらないのだろうけれど、世界とつながることをやめないでいることが大切なのかな。

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    2019年08月11日