いしいしんじのレビュー一覧

  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    純粋に面白く読めました。
    説教節、曽根崎心中、女殺油地獄、菅原伝授手習鑑、
    義経千本桜、仮名手本忠臣蔵
    それぞれ有名な作品ですが、しっかり読んだことが
    今までなかったのですが
    現代語訳で非常に読みやすく一気に面白く読めました。

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    2018年07月30日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    ネタバレ

    意外とハードなできごとが多い。
    最初はちょっとイヤな気分になるところも…
    でも、ひとつひとつの表現が可愛らしくて好きだった。
    ひらがな混じりの文が、句読点の使いかたが、丁寧に感じられて全体的にやさしい雰囲気だった。

    さよならの理解の仕方、納得の仕方がいい。
    自分なりの考えを見つけることは大切。自身の1番の救いになると思う。

    本気のさよならはいなくなったひとをちょうどいいところへぶらさげる

    弟の孤独は、ひとりになったことで癒されたのかな

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    2019年02月26日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    能も狂言も人形浄瑠璃も見たことないので、
    実際にどのような”動き”をするのかは全く想像するしかないのですが。

    後書きでは「舞台での人形は本当に死ぬ。首が飛ぶ、崖から落ちればそのまま動かなくなる」とありそれを想像しながら読むと心に迫ります。

    【「能・狂言」新訳:岡田利規】
     能「松風」
    磯に立つ一本の松の木。
    行平中納言の一時の寵愛を受けた二人の女の情念。

     能「卒塔婆小町」
    若き日は美しかった。
    その昔戯れに扱った男の怨念が憑り付いて、
    いまでは卑しく年を取った。

      能「邯鄲」
    ”邯鄲の夢”の能舞台化。

     狂言「金津(かなづ)」
    「はい、こうして登場したのが誰かと言いますと、金津と

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    2018年03月31日
  • プラネタリウムのふたご

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    「手品師の舞台は、演芸小屋や劇場にかぎらない。私たち手品師は、この世のどんな場所でも、指先からコインをひねりだし、カードを宙に浮かせ、生首のまま冗談をとなえつづけなければならないのだ。いうなれば私たちはみな、そろいもそろって、目に見えない六本目の指をもっている。手品師たちのその見えない指は、この世の裏側で、たがいに離れないよう、密かに結ばれあっているものなのだよ」

    ファンタジーの名手いしいしんじの傑作長編。
    山間の村にただひとつあるプラネタリウム。そこに捨てられた双子のテンペル・タットルを中心に悲喜こもごもの人間模様を綴る。
    剣も魔法も出てこないけど、この人の書く本はすべからくファンタジーだ

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    2017年08月24日
  • 能・狂言/説経節/曾根崎心中/女殺油地獄/菅原伝授手習鑑/義経千本桜/仮名手本忠臣蔵

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    どれも訳が素晴らしく、非常に楽しめた。特に能・狂言では現代的な表現がちりばめられていて、思わず笑わずにはいられなかった。
    作品の中では説教節の「かるかや」。説教節といえば「小栗判官」や「山椒大夫」を想起するけれど、かるかやもこれらにおとらず壮絶かつ深い内容であった。

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    2017年08月16日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    今思うと笑っちゃうけど、幼稚園児の頃だと思うけど、よく押し入れに閉じこもった。真っ暗な中で何してたんだろ?よく思い出せないけど、何だか想像上の自分の世界を作って、そのなかで、誰かに話かけたりしていたような、ぼんやりとした記憶がある。親でもない、兄弟でもない、現実の友だちでもない“その誰か”と、心のなかで話続けていたような・・・

    この物語の主人公の「ぼく」は、その生まれもった体格などから、小学校で同級生や先生から何となく「へんてこなもの」として遠ざけられる。それは、最初の方は、ほとんど独り言だけってことからもわかる。
    そんなとき、ぼくは屋根裏で「へんてこなひと」に出会えるようになる。とん、たた

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    2018年12月20日
  • プラネタリウムのふたご

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    号泣。

    そして、私は星のギリシア神話を買いました。


    やっぱりいしいしんじさんの物語はいいです。
    「ファンタジー」って言ってしまうとその一言で片付いてしまうんだけど、なんというか、この世の地面から少しだけ足が浮いている感じ、この感じがたまらないのです。

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    2015年09月22日
  • ある一日

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    園子の出産場面、最後の手紙でボロボロ泣いてしまった。
    本を読んで泣いたのは『西の魔女が死んだ』以来だと思う。

    最初の方こそ、登場人物2人の視点があっちにいったりこっちにいったり、ハモやうなぎの話をしたりで読みにくい小説だなぁ、と思ったけど、読み進めるとそれらが全て『生まれる』ことや『生命のエネルギー』や、その逆にあるであろう『死』に繋がっていたのだなぁ、と感じる。

    京都の街を舞台にしているのも、伝統行事や錦市場の色が作品にすごく良いスパイスになっていると思う。

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    2015年02月26日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    体が大きく、ねこの鳴き真似の得意な「ねこ」と音楽の話。日本の作家さんなのに、翻訳のような感じのする文体。現実にファンタジーが紛れ込んでいるが、全てが優しく、違和感なく流れていく感じ。
    どこがどうおもしろいとは表現しがたいが、音や香りが目に見えるようで、ほっこりした気分になった。

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    2015年02月11日
  • プラネタリウムのふたご

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    フォロワーさんからオススメして頂いた、初いしいしんじさん。

    「でも、それ以上に大切なのは、それがほんものの星かどうかより、たったいま誰かが自分のとなりにいて、自分とおなじものを見て喜んでいると、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ」

    泣き男が言ったこの台詞が、この小説の一番ぐっとくる部分だと思う。

    幼い頃に双子が見たプラネタリウムの星空は、双子にとっての暖かくて大切な思い出で、道は違えどしっかりと受け継いで人に伝えていく。お父さんと双子とプラネタリウムと、それを取り巻く人間模様の、優しさで溢れるお話でした。

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    2014年07月12日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    久しぶりのいしいしんじ。
    「うなぎ女」という泥の川でウナギをを採る人間もどきの女性の集団の息子に生まれ、真黒な皮膚を持ち、指の間に水かきをもつ少年・ポーが主人公。その他の登場人物たちもどこか異形です。
    何処とも判らない不思議な世界で繰り広げられる物語は、自然破壊や人と人との関わり方など、色んな教訓が盛り込まれているようです。しかし、さほど押し付けられる感覚は有りません。
    最初は少々取っ付き難い感じでしたが、暫くするとしっかり入り込めました。最後は、どこか薄闇の(悪い意味でなく)生暖かい「いしいワールド」にどっぷり浸り込めました。

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    2016年06月19日
  • 麦ふみクーツェ(新潮文庫)

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    まず、とても面白いし童話なんだけどそこらの童話とは内容のスケールが桁違いに広い
    結局クーツェは「あ〜」って感じなんだけど、もちろん登場人物は個性的で魅力的で、いろいろな人間が居る様にいろいろな人生があるんだよって言われてる気もした。

    ねこには才能があったといえば簡単だけど、周りの雑音に左右されずに個性を追求する芯がなかったらみんなと同じで、本当は強い人間なんだけど一見弱い感じなのが不思議だった。
    楽しい作品で童話チックで細かくというか隅々までねこの故郷や挑戦するために訪れた大都会も描かれててすごくキレイで、特に故郷はねこが羨ましいほど美しい!

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    2013年09月01日
  • ぶらんこ乗り(新潮文庫)

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    1ページめから、もうぐっときてしまいました。こんなふうに感じさせてくれる作家さんなかなかいないです。いしいしんじさんがますます大好きになりました!

    一回読むだけじゃ足りないです。何度も何度も味わいたい素敵なお話。

    2023.1.5再読
    前回この本を読んだのが10年前ということに驚く。
    内容はすっかり忘れてしまっていたので初めて読むような気持ちで読めた。
    キラキラといつまでも胸の中に残る余韻が心地いい作品。
    主人公や指の音は最後また弟に会えたのかなぁ。
    宝物のような愛おしい作品です。

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    2023年01月07日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    いしいしんじ氏を表現するなら、

    「絵のない絵本」



    毎回言ってきたけど、
    この本は、その集大成と言っていい。

    チープなファンタジーがたくさん散りばめられた、短編集。
    昔話などの伝承文学や絵本などは、残酷がつきもの。
    この本に収録された数々の物語も、たくさんの残酷が埋め込まれている。
    深く考えずにさらっと読むこと!!


    お気に入りは
    「カラタチとブルーベル」
    「緑春」



    おススメ

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    2013年01月23日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    盗人のメリーゴーランド。
    物知りなひまし油。
    天気を売る天気売り。
    犬じじ。
    うみうし娘。

    そして、うなぎ女の息子・ポー。

    暖かく混沌とした泥の川から海へと続く旅は、ぐるっと巡ってまた生まれた川に戻る。

    川と空。うなぎと鳩。ひっくり返る黒と白。生と死をつなぐ橋。良い事と悪い事。

    幾つものイメージが折り重なって、限りなく幸せで満ち足りた気持ちにさせてくれる物語。

    いしいしんじさん、やっぱり大好き(^O^)

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    2012年12月25日
  • 白の鳥と黒の鳥

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    ・・・これ、だいすきなんです・・・!!カラタチとブルーベルにウワアア(´;ω;`)となり、横浜ジェーンのなんともいえぬ極彩色に黙り込み、薄桃色の猫たちに震え上がる。なんておもしろい作家さんなんだ・・・! いままで読まなかったことを公開しました。本当におすすめ。ひとりでも多くの人に読んで欲しいです。いしいさん、ほんとにすごい。

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    2012年10月15日
  • 四とそれ以上の国

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    何が書いてあるのかよくわからない。でも、とても大切な何かが書かれていることはよくわかる。
    字幕なしで知らない外国語の映画を見ている感じる、と言えば伝わるだろうか。
    読みはじめてすぐ、あ、これは『みずうみ』で変わった方のいしいしんじだ、と分かる。何が変わったのか、うまく言えないけど何かが変わった。
    『みずうみ』を読んだ時には「ついていけない、理解できない」としか思えなかったが、『四とそれ以上の国』では「理解はできない、でもわかる」に変わった。
    おそらく、いしいしんじさんの「その場小説」を体験したから。出かけて行ったその場でその場所にちなんだ短編小説を即興で作って朗読する、というものだけど、そこで

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    2012年05月18日
  • ポーの話(新潮文庫)

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    いしいしんじの真骨頂だと思っております。
    素晴らしいよ。気持ち悪い表現とかが大好きなんです。大好きですな。
    うなぎ女の息子ポーが川に沿って歩いていく物語。

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    2012年03月04日
  • プラネタリウムのふたご

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    第六章 光のかけら

    は、涙が止まらなかった。

    すべての登場人物がいとおしくてたまらない。
    読みごたえがある良作。おすすめ。

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    2016年09月14日
  • みずうみ

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    3編からなるおはなし。
    別々の話と思いきや、解説を読んで、あら、同調。

    いしいさんの文章、好きです。

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    2011年06月12日