いしいしんじのレビュー一覧
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心に深く沁み入る言葉、大事にしたいことがたくさん詰まった小説だった。
登場人物の、真正面から物事を受け止める姿や素直な心、優しさに、涙が溢れて止まらない場面が多々あった。
星の見えない土地のプラネタリウム。手品。それは 心を和ませたり心を打ったりすることができるもの。だれでも、現実ばかり見て生きて...続きを読むPosted by ブクログ -
村上龍の『コインロッカー・ベイビーズ』をもっと童話チックにした作品。だれかと一緒にだまされ同じ夢を見ることが、いかに人生を豊かでおもしろいものにするか、ということが手を変え品を変え実演される。手品に、まじない、言い伝え、それからもちろん小説も。目の見えない老女が家出した亭主の名をかたって書いた自分...続きを読むPosted by ブクログ
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プラネタリウムの解説員である「泣き男」は、村で水死した女があとに残した双子を引き取って育てることになる。
双子には、太陽の周りを三十三年周期で回っているテンペルタットル彗星から、テンペル、タットルと名が付けられる。
勝ち気で活発なテンペルは、村にやってきたサーカスの一座についていき、やがて世界的な...続きを読むPosted by ブクログ -
「手品師の舞台は、演芸小屋や劇場にかぎらない。私たち手品師は、この世のどんな場所でも、指先からコインをひねりだし、カードを宙に浮かせ、生首のまま冗談をとなえつづけなければならないのだ。いうなれば私たちはみな、そろいもそろって、目に見えない六本目の指をもっている。手品師たちのその見えない指は、この世の...続きを読むPosted by ブクログ
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号泣。
そして、私は星のギリシア神話を買いました。
やっぱりいしいしんじさんの物語はいいです。
「ファンタジー」って言ってしまうとその一言で片付いてしまうんだけど、なんというか、この世の地面から少しだけ足が浮いている感じ、この感じがたまらないのです。Posted by ブクログ -
フォロワーさんからオススメして頂いた、初いしいしんじさん。
「でも、それ以上に大切なのは、それがほんものの星かどうかより、たったいま誰かが自分のとなりにいて、自分とおなじものを見て喜んでいると、こころから信じられることだ。そんな相手が、この世にいてくれるってことだよ」
泣き男が言ったこの台詞が、...続きを読むPosted by ブクログ -
人からおすすめされて。
ひらいてすぐ、文調や世界観が児童書っぽくて、なんだか懐かしい気持ちになりました。
話を読み終わって、この物語に一貫したなにがしかの「おもいをとげる」ものがあったか、というと、そういったものはとくにないように思います。この物語に明確なゴールはありません。ただ、ふたごに終止符が打...続きを読むPosted by ブクログ -
生きることの切なさや、優しさを感じさせてくれる。
大人向けの童話のような雰囲気の文章の中に、時々、鼻を摘まみたくなるような生臭さがあったり、読まなければよかったと胸が裂かれたり……。
でも、最後には、読んでよかったと温かなため息を吐ける話でした。Posted by ブクログ