麦ふみクーツェ(新潮文庫)

麦ふみクーツェ(新潮文庫)

880円 (税込)

4pt

音楽にとりつかれた祖父と、素数にとりつかれた父、とびぬけて大きなからだをもつぼくとの慎ましい三人暮らし。ある真夏の夜、ひとりぼっちで目覚めたぼくは、とん、たたん、とん、という不思議な音を聞く。麦ふみクーツェの、足音だった。――音楽家をめざす少年の身にふりかかる人生のでたらめな悲喜劇。悲しみのなか鳴り響く、圧倒的祝福の音楽。坪田譲治文学賞受賞の傑作長篇。(解説・栗田有起)

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麦ふみクーツェ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    いしいしんじさんの著書を初めて読んだので、読み初めは進みにくく感じましたが、大事なことが散りばめられていると思い、もう一度繰り返してゆっくりと読みました。
    本当に良いお話でした。「大きい小さいは距離の問題」、忘れない言葉になると思います。
    打楽器にこんなに寄り添った物語があるなんて、奏者は読むと嬉し

    0
    2024年11月10日

    Posted by ブクログ

    読むのに時間がかかりましたが、読み終わってしまうのが惜しいような、長編大作でした。
    ファンタジーが好きなので私にはとても面白かったです。どんな本とも似ていなくて、独特でしたし、登場人物が、際立っていました。

    0
    2022年04月24日

    Posted by ブクログ

    一気に読み切ってしまいました。同じリズムで流れていても、音楽は先へ先へと進んでゆきます。変わらないことを抱えながら(あるいは信じながら)、自分に出来ることを黙々と続けることが大切なんだなぁ、と改めて気づきました。
    僕たちはみんな「クーツェ」なんですね。

    0
    2021年09月25日

    Posted by ブクログ

    この著者の童話の世界観と言葉のリズムが好きである。

    いいこと?わるいこと?
    とクーツェはうたった
    みんなおなじさ、麦ふみだもの。

    録音された音楽も、ごくたまに生演奏をうわまわる。ただし音楽家であるためには耳なりがするほど生演奏にふれること。どんなひどい演奏であっても、生の楽器演奏には、音楽家のた

    0
    2018年10月18日

    Posted by ブクログ

    今思うと笑っちゃうけど、幼稚園児の頃だと思うけど、よく押し入れに閉じこもった。真っ暗な中で何してたんだろ?よく思い出せないけど、何だか想像上の自分の世界を作って、そのなかで、誰かに話かけたりしていたような、ぼんやりとした記憶がある。親でもない、兄弟でもない、現実の友だちでもない“その誰か”と、心のな

    0
    2018年12月20日

    Posted by ブクログ

    体が大きく、ねこの鳴き真似の得意な「ねこ」と音楽の話。日本の作家さんなのに、翻訳のような感じのする文体。現実にファンタジーが紛れ込んでいるが、全てが優しく、違和感なく流れていく感じ。
    どこがどうおもしろいとは表現しがたいが、音や香りが目に見えるようで、ほっこりした気分になった。

    0
    2015年02月11日

    Posted by ブクログ

    まず、とても面白いし童話なんだけどそこらの童話とは内容のスケールが桁違いに広い
    結局クーツェは「あ〜」って感じなんだけど、もちろん登場人物は個性的で魅力的で、いろいろな人間が居る様にいろいろな人生があるんだよって言われてる気もした。

    ねこには才能があったといえば簡単だけど、周りの雑音に左右されずに

    0
    2013年09月01日

    Posted by ブクログ

    いしいしんじによって紡ぎ出される物語は力強く、物語に接する楽しさを体感させられます。物語のリズムを身体に叩き付けられるんですね。
    とん たたん とん と。読むことが本当に楽しくて、楽しいが故にガツガツ読むのでなく、文章の流れに漂うように身を任せて触れていたく思わされました。

    0
    2023年11月26日

    Posted by ブクログ

    音楽に取りつかれた祖父と素数に取りつかれた父と、ねこの鳴きまねが上手い「ぼく」が3人で慎ましく暮らすというあらすじから、ほのぼのした童話を連想した。でもそうではなかった。悲劇が次々に降りかかり、それでも希望をつかもうとする話だった。この世に起きる悲劇も喜劇も些細な出来事も、実はどこかでつながっている

    0
    2021年01月16日

    Posted by ブクログ

    漢字の開き(ひらがな)が多いので
    読み切るのに少し時間がかかりました。

    前半にあるのは穏やかで停滞した世界。
    後半に訪れるのは残酷で優しい世界。

    後半に物語がどんどん加速するので、
    途中で断念してしまった人も、
    ゆっくり休み休みで良いので
    読み進めて欲しいなぁと思う作品でした。

    終盤に主人公の

    0
    2016年10月08日

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