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政変、災害、戦争、盛者必衰――動乱の中世日本に生まれた新しい物語たち。人間の荒々しさ、滑稽さ、生きる無常さを説いた古典作品を、作家たちはどう読み訳したか?人気シリーズ第4弾。
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Posted by ブクログ
『池澤夏樹=個人編集 日本文学全集』は一冊も読んでいないし読む気もないが、現代語訳をした方々が何を思ったのか、そして単純に「平家物語」と付くものは何でも摂取したいという気持ちから手に取りました。 「平家物語」古川日出夫 …『平家物語』のなかで人は本当によく泣きますよね。…月を見て泣きます。風が鳴る...続きを読むと泣きます。…現代のわれわれは近代ヨーロッパ以降に教育された泣き方しか知らないんです…現代の教育が入ってくる前の人は別の感性をもっていて、別のことで泣いていたはずなんです…(p.48) 私は月を見て泣き、空の色が変わっていくのを見て泣く人間なので、そうか私は別の感性で生きている人間なのかと指摘された気分で目から鱗でした。 「能・狂言」岡田利規 能はまだまだ初心者なのだけれど、「松風」の最後「松風ばかりや残るらん、松風ばかりや残るらん」は原文の空間構築力というか、言葉の力がすごすぎて、やはり現代語ではどの話も読みたくないといういつもの結論に達しました笑 「説経節」伊藤比呂美 読んだことないので、さっそく読みたくなった。 小栗判官の話とかは知っていたのだけれど、これは説経節だったのだな。 「義経千本桜」いしいしんじ 歌舞伎でやる段はほとんど見ていると思うけど、読んでやはり文楽を見に行かないといけないですねという気持ちが強まりました。5月ちょうど国立劇場でやるんですよねえ。豊竹咲太夫と桐竹勘十郎… 私はこの本の中で「義経千本桜」パートが一番「私もそう思う」となったのですが、サブタイトル?になっている「思いどおりにならないかなしみ」という言葉が言い得て妙だなと。『平家物語』も基本はそうだと思っていて、私的には「なくしたくないけれど、なくしてしまうかなしさ」。『平家物語』パートにも書いてありましたが、人間は必ず死ぬということ、なんですよね。いつか死ぬ中で、どう生きるか?(死に方含む)、ということなのだなと改めしみじみ。
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